時節ごとの変化・気がついたこと |
2017年度の記録 |
春(3月〜6月梅雨前)に見られるチョウ
今年はチョウの出現が少し遅いような気がする。例年なら真冬でも、温かい日差しの晴れた日には、庭でチョウの姿がチョクチョク見られたものだが、今年はそのような姿を全く目にしていない。
3月17日、今年初めてのチョウ・・・キタテハ、モンシロチョウ
朝からとても暖かく、春らしい眩い日差しのなか、キタテハが突然飛来して元気な姿を見せてくれた。また、モンシロチョウが2頭、庭の端で咲き乱れる雑草(ヒメオドリコソウ)の周りを軽やかに飛翔している。冬の暖かい日での現象ではなく、いかにも春の訪れを感じさせる長閑な一時であった。
3月21日、ツマキチョウ 今年初
ツマキチョウと庭で遭遇。か弱そうで俊敏な、独特な飛翔に春の来訪を実感。キタテハ、モンシロチョウは比較的頻繁に見られる。
3月28日/ヤマトシジミ(雄) 4月3日/ルリタテハ 4月4日/キタキチョウ 4月6日/ナミアゲハ 4月13日/ベニシジミ 今年初
4月13日/庭のエノキでアカボシゴマダラの越冬幼虫脱皮を確認。
4月14日/庭の白いチョウの多くはツマキチョウ(♂) 4月22日/コミスジ、ルりシジミを確認
4月24日/キアゲハのパセリへの産卵を目撃 4月30日/アカボシゴマダラ
5月1日/カラスアゲハorナガサキアゲハ 庭を俊敏に一回り
5月6日/ジャコウアゲがようやく活動開始(近隣より少し遅めかな?)
5月8日/ツマグロヒョウモンが初めて姿を見せた。
今年はツマグロヒョウモンの出動がとても遅いようだ。いつもなら、真冬に幼虫の観察もできるのだが、この冬には全く見られなった。そしてこの日、ツマグロヒョウモンの雄が突然れ、咲き始めたディモルフォセカの花に静止した。ツマグロヒョウモンの姿が見られるようになると、チョウの活動も春らしく本格的に活発となる。
5月12日/コミスジ初来訪 コミスジの姿が初めて見られるようになってから、このコミスジは家の庭に住み着いたかのように近隣を飛び回り、さほど遠くには行かなくなった。ミヤギノハギに産卵してくれることを期待し、注意して観察しよう。
我が家の庭から誕生したと思われるジャコウアゲハも庭を離れず、メスは毎日産卵に励み、オスは優雅に飛び回る。デルフィニウム、バ^ベナ、ルピナス、ディモルフォセカなど、意外に多種の花から吸蜜するようだ。特に好む花はブラックベリーで、頻繁に訪れる
庭を訪れるツマグロヒョウモンが急に多くなり、メスの産卵も確認することができた。
5月16日/アオスジアゲハが咲き始めたブッドレア・アルテニフォリアに初来訪。
5月21日、早朝に特徴的な飛翔を見せるチョウを発見・・・コムラサキだ! 一年に1・2度しか見られないコムラサキに、こんなに早く、とても良い状態で会うことができた訳で、少し離れていたものの、写真は十分に撮ることができた。
5月20日〜 夏のように暑い晴天が続く。しかし午前中は比較的涼しく、冷ややかに感じる風が心地よい。この午前中は、いろいろな種類の、たくさんのチョウの訪問を受ける。ジャコウアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、アオスジアゲハ、ナミアゲハ、キアゲハ ・・・などのアゲハチョウの仲間やツマグrヒョウモン、コミスジ、アサマイチモンジ ・・・ ほんとうにいろいろ。昨年挿し芽をして定植し、大きく育ったスイカズラは花を咲かせるほどに育っている。アサマイチモンジが近くを飛び回っていたが、23日日にはその葉に卵を確認した。また一種、我が家に住み着いたチョウが増えたことになる。これから注意深く観察を続けることにしよう。
5月30日、アサマイチモンジの卵が孵化。生まれて初めてアサマイチモンジの1令幼虫を見た・・・美しい。
5月31日、5月の最後日になった。例年通り、5月に入って庭を訪れるチョウの種類は格段に増えたが、チョウの数は例年に比べるとかなり少ないように感じる。例えば、ツマグロヒョウモン・・・驚くほど少ない。モンキチョウはまだ一度も見ていない。2Km
ほど離れた姿川の土手に行けば普通に見られるのだが、我が家の庭を訪問してくれない。これから、真夏のようにドンドンと気温が高くなっていくようだが、チョウが賑やかな6月を期待したい。
6月2日、ミヤギノハギが咲き始めると、これを食草とするチョウが見られるようになって来た。ルりシジミなども頻繁に見られるようになり、産卵などのシャッターチャンスを狙っている。今日は、ウラギンシジミが俊敏な飛翔でミヤギノハギに静止したチャンスを目ざとく見つけ、カメラを持ってそっと近づこうとしたが、気づかれてウラギンシジミはアッという間に飛び去ってしまった。おそらくウラギンシジミがミヤギノハギに産卵に来ていることは間違いないように思われ、注意して観察を続けることにしよう。
6月11日、気象予報では既に入梅が宣言されたが、その気配は全くない。すこし湿度が高いようだが、最高気温25℃くらいのすがすがしい晴天が続く。庭にやってくるチョウは、にわかに賑やかになってきた。ルリシジミは、いつでも数頭が寄り合って産卵を続けている。ウマノスズクサでは100頭を超える4令〜5令幼虫が音を立てて葉を食み、蛹化まで、もう暫くの成長が待たれる。一方では、数頭のジャコウアゲハ雄が我々を気にもかけず一日中庭を飛び回り、いろいろな花を訪れて吸蜜する姿をみせてくれる。5月の下旬にスイカズラを訪れて産卵したアサマイチモンジは、その後もチョクチョク軽快に飛翔する姿を見せ続け、スイカズラへの産卵は続いている。このまま続くと、スイカズラは幼虫で大変なことになりそうな勢いだ。また、昨年まで期待しながらも見られなかったタニウツギにも、ついに産卵する姿を確認した。ガーデンテーブルに腰を下してお茶を飲みながら庭を眺めていると、たくさんの数と種類のチョウの姿が庭を飛び回り、期待以上に賑やかなバタフライガーデンを満喫することができる。こんなに小さな庭に、こんなにたくさんのチョウが来てくれるなんて・・・自然に感謝。十分に満足している。
6月15日、スジグロチョウがウォールフラワー(エリシマム)に産卵する姿を目撃した。確かにウォールフラワーはモンシロチョウなどの食草・アブラナ科の草花だけど、スジグロチョウに食草として認められるとは驚き。ウォールフラワーへの産卵が確認されたことから、我が家の庭で繁殖するチョウの種類は19種類となった。コミスジが頻繁に飛来。
6月16日、昨年に続き、ウラナミシジミが観察された。今年は、食草のミヤギノハギに静止し、若い花穂を飛び回っていた。産卵する姿を写真に収めたかったが、ウラナミシジミは警戒したようで、産卵行動を見せてくれなかった。昨日、スジグロチョウがウォールフラワーへの産卵を目撃したことから、今日は、スジグロチョウの産卵行動を追跡してい。すると、スジグロチョウがなんと、アブラナ科ではないクレオメの葉に興味をもったように見え、直後に産卵行動に移った。その場を確認すると、確かに・・・卵が。また続いて、モンシロチョウも同じような様子をみせて産卵。 クレオメの1枚の葉裏にモンシロチョウとスジグラチョウの卵が同居することになった。さらに葉を精査すると、たくさんの卵が確認できたばかりでなく、モンシロチョウの2令幼虫も確認できた。これらの結果から、クレオメはモンシロチョウとスジグロチョウの食草として十分に機能し、活躍しているものと考えられる。アブラナ科以外の草花が食草になっているなんて信じられない・・・でも、事実!
6月17日、今朝もウラナミシジミが姿を見せ、その産卵行動を確認した。残念ながら産卵行動の撮影はできなかったが、産卵場所からその卵を確認した。栃木県ではウラナミシジミの春産卵はもっと遅くなるとのことだが、南端に位置するここ下野市では、かなり早い時期での産卵が確認されるのかもしれない。ウラナミシジミの活動が活発になる夏には、食草として、土手や荒地に大きく繁茂したクズが活躍することになるが、これらの食草が少ない春にはその行動は目立たなく限定されていると思われる。早春のマメ科の花ではフジが知られるが、時期が早すぎるのだろう。そこで、産卵にちょうど良い時期に咲く花としてミヤギノハギが好ましいようで、実際には県内で広く活躍しているのではないだろうか? 是非、ハギ(ミヤギノハギ)の周辺を念入りに観察して欲しい。産卵行動を見せるたくさんのルリシジミに混じって、ウラナミシジミの姿を見出されると思われる。
ジャコウアゲハの幼虫が大発生し、大きく繁茂していた庭の5本のウマノスズクサ(食草)が完全に消滅した。孵化前に、大量の卵を他に移動させたのだが、不十分だったことを深く反省・・・毎年、同じ失敗の繰り返し。既に新たに羽化したジャコウアゲハ(雌)が飛び始めたものの、産卵場所がないので困っているだろうな。お手上げです。
庭を飛び回るナミアゲハが目立って多くなり、食草として最も好まれているようにみえるカラスザンショウには、その卵がワンサカ! これら全てがナミアゲハなのだろうか? 時折見られるクロアゲハや、今年はまだ見ていないカラスアゲハの卵も混じってるのだろうか?
5月に一時期、頻繁に姿を見せていたツマグロヒョウモンは、今ではほとんど姿を見せないようになった。今年はチョッと少ないのかな?
7月7日、初夏の装い
7月に入って花壇は夏の装いとなる。夏の花として代表的なモナルダ、リアトリス、エキナセア、ジニア(ヒャクニチソウ)、クレオメなど、鮮やかな花々が厳しい太陽のもとで輝く。庭を訪れる蝶の種類も大きく変り、暫くは比較的静かだった庭先がにわかに賑やかになってきた。庭の東側を占めるブッドレアも咲き始め、チョウの集客力は抜群。全体的に、今年はモンシロチョウの数が多い。隣の有機菜園で、かなりの量のキャベツやブロッコリーを栽培しているからであろうか。モンシロチョウはリアトリスが大好き。さらに、バーベナやブッドレアには必ずその姿をめにする。また、今たくさんの姿を見るのはジャコウアゲハだ。食草のウマノスズクサを全滅させるほど食い荒らした大量のジャコウアゲハが羽化し始め、庭のいろいろな花を訪れている。ジャコウアゲハは木陰を好むことから、吸蜜しないときはブドウ棚やキウィ棚などを飛び回っている。いつでも、優雅に飛翔する5〜6頭の姿を目にする。7月に入って、イチモンジセセリが急に姿を見せるようになり、アッと言う間に大量のイチモンジセセリがブッドレアを占めるようになった。これまで、さほど姿をみせなかったツマグロヒョウモンやキタテハなども、急にその姿を増した。チョウも夏にあわせた顔ぶれになってきたと言えるだろう。今年も、カラスアゲハやミヤマカラスアゲハ、ナガサキアゲハの来訪を期待している。これからも注意して観察を続けることにしよう。
7月8日、カラスアゲハの来訪
今年初めて、カラスアゲハの雄が飛来した。モナルダやエキナセアなど庭の花をチョコチョコと止まりながら吸蜜し、足早に飛び去っていった。残念ながらカメラに収めることができなかったが、今年も確実に我が家の庭を訪問してくれていることを確認した。幼虫の発見が楽しみ・・・。
7月10日、コミスジの産卵を確認
チョクチョク庭で独特な飛翔を楽しませてくれるコミスジが、期待通りミヤギノハギに産卵する姿を始めて目撃し、そこから薄緑色に輝く卵を確認した。これで、我が家の庭でライフサイクルを営む蝶の種類は20となった。
7月15日、ミヤマカラスアゲハの来訪
ほぼ毎日、カラスアゲハが庭の周りを飛び回る。飛翔はとても早く、時折ブツドレアにとまって吸蜜するが、近づくとすばやく飛び去るので写真に収めることができない。カラスアゲハに混じってミヤマカラスアゲハの来訪を期待していたところ、ブッドレアで吸密するミヤマカラスアゲハを確認した。翅の白い筋から容易に判断できたが、写真を撮るチャンスは全くなかった。ことしは、ツマグロヒョウモンとアカボシゴマダラの数が圧倒的に少ないように見える。気象条件が問題なのであろうか? 例年に比べるとセミの声も少ないようだ。一方、気をつけて観察していると、コミスジやアサマイチモンジはよく見かける。特にコミスジは庭に住み着いているように庭を離れず、ミヤギノハギを精査すると、幼虫の独特な構造物を幾つも見出すことができる。今年から始まった現象なのだろうか?・・・昨年までは、このような姿に全く気がつかなかった。
7月18日、ナガサキアゲハ(雌)が吸蜜にやってきた。
お昼過ぎの暑い日なか、ブドウ棚の木陰でジャコウアゲハの雄に追いかけられている大型の黒いアゲハに気がついた。その後翅には大きな白い紋が・・・ナガサキアゲハの雌だ。我が家の庭で、ナガサキアゲハの雌を実際に見たのは初めて・・・本当にやって来るんだ。直ぐ側には温州ミカンがあり、産卵が期待されるが、ナガサキアゲハは直ぐにココを飛び去り、ゆっくりと庭の周りを飛び続けた。カメラを持って追い続けると、庭の北端で開花しているタマクサギの周りを何度も飛び続け、庭の外からは見えない場所で咲くタマクサギの花で吸蜜をはじめた。美しい・・・感動!ナガサキアゲハがもっと頻繁に着てくれたらいいのになア。
7月28日、アカタテハ、ヒメアカタテが俄然増えてきた
ジャコウアゲハの3度目のライフサイクルが終わりを迎え、前回のサイクルで食い尽くされたウマノスズクサから新たに伸びた蔓に幼虫が群がっている。そろそろ全体的に蛹期に入るようだ。例年通りのブッドレアと、今年は特に多く植えつけたヒャクニチソウ、チトニアに、たくさんのチョウが集まってくる。キタテハ、ツマグロヒョウモンの他、アカタテハやヒメアガタテハが続々と姿を見せ始めた。もちろん、一度に数多くのナミアゲハやクロアゲハも普通に見られる。アサマイチモンジやコミスジも頻繁に姿を見せ続けており、それぞれスイカズラやミヤギノハギに卵を産み続けている。天敵に犯されないように、なんとか手助けをしてやりたいのだが・・・一部をネットで保護してやるしか方法がない。今まで全く見られなかったアサマイチモンジとコミスジの観察は、今年の最大の記録といえよう。
9月12日、天候悪し
最近、曇天や小雨が降るパッとしない天気が続く。庭のチョウについては特筆すべきことはない。ハギの花が満開となるも、天気が良くないので、チョウの訪問は目立たないようだが、キタキチョウの産卵がよく見られるようになった。アゲハチョウの仲間は、相変わらずその姿をよく見せ、夏中咲き続けたブッドレアにはツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、キタテハが集まり、目を楽しませてくれる。昨年と大きく異なる点は、スイカズラを植えたおかげで、アサマイチモンジが庭に住み着くようになったこと。食草の周りでは、必ずと言っていいほどその姿を見ることができる。また、食草のスイカズラには卵や幼虫の姿が消えることがない。
10月・11月、悪天候が続き気温が低い
小春日和はあるものの、気温が上がらない雨混じりの悪天候がつづく。庭のチョウはアッと言う間に姿を消し、寂しい毎日が続く。小春日和に飛び交うチョウは、ほとんどがツマグロヒョウモンとキタテハ。ヤマトシジミさえまばらな状態。昨年には、熟して落ちた柿の実に、キタテハやミツバチが群れていたが、今年は柿でのキタテハの姿は全く見られない。庭の水道のじゃ口側に生えている1mにも満たない小さなエノキの落葉が進みつつある黄ばんだ葉に、アカボシゴマダラの幼虫を見つけた。すでに体色を変え、越冬の準備も終えているように見える。昨年は急激な冬の到来に、越冬の準備が間に合わなかった幼虫がたくさんいただろうと思われた状態とは対照的だ。悪天候が続き、エノキの落葉がかなり進行し始めたからかもしれない。
11月30日、小春日和
今年の冬は予想以上に早くやってきたようで、落葉樹の葉は庭を埋め、多くの草花の花は枯れ落ちて冬にまっしぐら。残った花は寒さに耐えて花を咲かせ続けるスーパーアリッサムくらいで、周りに甘い香りを漂わせている。この香りに呼び寄せられたのか、暖かい小春日和に浮かれたのか、モンシロチョウがスーパーアリッサムの花を訪れ、一心不乱に吸蜜する姿をみせた。また、ミツバチも限られた蜜源を飛び回るものの、今まであまり執着しなかったアリッサムにも頻繁に訪れる姿を見せる。この季節になると、落ち葉をかき集めたりなど、庭の整理に時間を費やす日々が続く。すると、あちこちの器物の陰に色々なチョウの越冬蛹を見つけることがよくある。食草の場所からみると、よくもこんなに遠くにまで移動して蛹化したものだと感心する。できるだけそのままにしておいてやりたいのだが、どうしても移動が求められるときには、外して、屋内の涼しい(寒い)ところでで保持することにしている。 |
アリッサムに吸蜜するモンシロチョウ |
ミツバチも吸蜜にガムシャラ |
プラスチックバケツでモンシロチョウの蛹 |
ダイズの茎で緑色の蛹を作ったモンシロチョウ |
ジャコウアゲハの蛹はいたるところで見られる |
羽化の時期が調整できるところに移動しなくては |
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越冬する姿が確認されたチョウとその形態
ジャコウアゲハ(蛹)、並アゲハ(蛹)、 クロアゲハ(蛹)、カラスアゲハ(蛹)、
ヤマトシジミ(蛹)、モンシロチョウ(蛹)、ルリシジミ(蛹)、 ミヤマカラスアゲハ(蛹)、
アカボシゴマダラ(幼虫)、 |
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