時節ごとの変化・気がついたこと |
2015年度 |
2015年
春(4月〜6月梅雨前)、普通に見られるチョウ
モンシロチョウ、ナミアゲハ、モンキチョウ、ヤマトシジミ、ルリシジミ、ジャコウアゲハ
ツマグロヒョウモンとアカホシゴマダラ 5月初・中旬にポツポツ 梅雨から初夏には常連となる
この時期に、蝶やミツバチが最も好む花
モナルダ、エキナセア、百日草、そしてバーベナ・ボナリエンシス |
初夏(6月中旬・梅雨〜7月下旬梅雨明)
ブッドレアが咲き誇ってきた。モナルダ、エキナセア満開。少し遅れてリアトリスが咲き始める。
この時期によく見られるチョウ
この春に卵から発生したジャコウアゲハの登場。ツマグロヒョウモンが多く見られるようになる。
7月12日、30度を超える真夏日が2日つづく。
ちょくちょくブッドレア・レストランを偵察するも、珍しいお客様には遭遇しない。この2日間、キタテハとツマグロヒョウモンは俄然増えてきた。キタテハなどはブッドレア・レストランに7頭も団体でお越しになっていた。全て、カンピンの生まれたてのようだ。みなさま、ご来店ありがとうございます。
真夏(8月〜9月中旬)
昨年に続き、今年もとても暑い酷暑が続く。その暑さのせいか、花は極端に少なってきた。花穂の大きさは小さくなり、その数は少なったものの咲き続けてくれるブッドレア、暑さにも負けず鮮やかな花を咲かせるチトニア、細々と咲き続けるアンセミス、春から成長を続けながら花も咲き続けるヒャクニチソウ、咲き疲れたバーベナ・ボナリエンシスなどが目立つところ。しかしチョウの数は、花にも増してもっと少ない。真昼の炎天下で見られる蝶は、セセリチョウ、ツマグロヒョウモン、モンシロチョウくらい。アゲハチョウ、ジャコウアゲハ、アカボシゴマダラなどは朝夕に姿を見せ、日陰を選んで飛び回っている。みんな夏バテのように見えるが、最も夏バテで苦しんでいるのは私自身。炎天下の状態は涼しい部屋の中からガラス越しに見るだけで、朝夕しか庭を観察して回れない。もう少し辛抱しなくては・・・。今日(8月3日)に、今年初めてツクツクボウシの啼き声を聞いた。例年だとお盆に啼き始めるツクツクボウシだが、去年と今年は通常より2週間も早い。これは、そのまま2週間も早く秋が訪れることを示していると思っている。秋の到来、すなわち、涼しくなるのが例年より2週間早いと言うことになろう。初秋に向かって、チョウの変動をしっかりと観察しよう。
バタフライガーデンについての情報としては少し変わった風景を紹介しよう。7月の下旬に気がついたことだが、豊作と収穫をとても楽しみにしていたブドウの房が数日でむちゃくちゃになってしまった。子供の宝物、カブトムシによる総攻撃が始まった(写真下エクストラ)のだ。普通なら大歓迎のカブトムシの到来なのだが、「過ぎたるは及ばざるが如し」・・・言葉通りとなった。庭の果樹が実りの季節を迎えるとともに、新たな問題が立ち上がってきたことになる。7月の中旬から色付いて来たブドウの粒はほとんどなくなっている。既に傷ついた粒では果汁が垂れて発酵が始まり、甘ったるい匂いが周囲に立ち込め、この匂いに誘われて吸蜜性の昆虫が集まってくる。少しぐらいなら、嬉しく・楽しいものなのだろうが、これだけ激しくやられるのは勘弁して欲しい。対策としては・・・どうしようもない。コツコツと手で取るしかないようだ。 8月10日までの2週間で50匹くらいの捕獲となった。しかし、とても嬉しいことも発見した。カブトムシやクワガタムシとともに2頭のアカボシゴマダラやってきた(写真下エクストラ)。カブトムシの攻撃により傷められたブドウにガッカリしていたのだが、アカボシゴマダラさんが来るなら・・・まあいいか・・・チョッと怒りが収まった。
我が家の近くには適当なクヌギ林がないので、オオムラサキやゴマダラチョウなどの樹液を好むチョウの飛来は諦めていたのだが、ブドウの果汁に集まるならそれは私には新しい発見といえる。 我が家のエノキで発生することが確認されているアカボシゴマダラがこの庭に留まることができれば、ジャコウアゲハやカラスアゲハ(?)とともに我が家に住み着いたチョウとなる。嬉しいですね。来年はすべてのブドウの房に袋をかけようと思っていたのだが、一部はそのままにして虫たちに解放することにしよう。ブドウやモモなどは、過熟するとこのようなタテハチョウの仲間の餌場となる可能性を認識した。オオムラサキも来てくれるかな?
8月下旬、台風16号の接近とともに朝夕はとても涼しくなり、庭ではジャコウアゲハの姿が目立つようになった。8月の初めには完璧に姿を消していたウマノスズクサは根元から新芽が急速に伸び、とても良い状態で展開している。ところがジャコウアゲハはこれらの新芽を見逃さず、産み付ける卵の数は凄まじい。卵を取り去るのは忍びないので、孵化した幼虫をせっせと自然のウマノスズクサ(下野市ジャコウアゲハを守る会の管理区域)へ移すことにした。
涼しくなって気がついたことだが、今年はジャコウアゲハの大量発生に狂喜し、また、8月初旬〜中旬の猛暑に負けて屋外に出られず、我が家の庭に飛来するチョウについて常時注意深く観察していなかった。しかし印象としては、チョウの姿が例年に比べると数も種類もかなり少ないように思える。少なくとも、ブッドレアを訪れる珍しいチョウの姿は全く見られなかった。特にヒョウモンチョウの種類は少なく、見られるのはツマグロヒョウモンのみであった。年によってこんなにも大きく変わるものだと改めて感じた。
9月中下旬、チョウの種類は少なくなったようだ。中旬には、心待ちにしていたナガサキアゲハがブッドレアを訪れその姿を写真に収めることができたことが印象に残る。また、ミドリヒョウモンが複数、頻繁に飛来する姿ば見られたが、そのほかにはあまり変化は見られない。下旬になるとキタテハの姿が多くなり、庭を飛翔する茶系のチョウはツマグロヒョウモンかキタテハとなる。キアゲハの姿もよく見かけるかな? いよいよ越冬に向けて最後の世代誕生の準備に入ったのであろうか?
そういえば、今年はキチョウ(キタキチョウ)の姿を見かけない。庭の萩には何時もその姿を見かけられたのにも関わらず、今年は最もよく見られるこの時期になっても数える程のみ。ちょっと心配。
2015年12月下旬〜2016年1月
2015〜2016年を越冬する姿が確認されたチョウとその形態
ジャコウアゲハ(蛹)、並アゲハ(蛹)、アカボシゴマダラ(幼虫)、モンシロチョウ(蛹)
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