我が家の庭の訪問者(その3) |
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(3-1) 我が家におけるジャコウアゲハの生態 | |||||||
ジャコウアゲハの好む花 | |||||||
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2016年度の生態観察については記録を残しているものの、2015年のそれに類似しているため、特記事項を除いて敢えて記載しないことにする。 | ||
我が家の庭に棲み着いていると思われるジャコウアゲハについて、日頃の観察からその生態が詳しく解り始めてきた。そこで、時間の経過とともに、ジャコウアゲハの生態について気がついた情報を紹介することにしよう。 | ||
ここに写真で紹介しているすべてのジャコウアゲハは、間違いなく我が家で誕生したものだと考えられる。我が家の庭では、食草と蜜源が確保されており、また、好みの日陰が十分にあることから、我が家の庭を離れる必要がないと考えられる。とはいえ、ジャコウアゲハは予想以上に活動的で、ご近所の庭を巡っている姿が見受けられる。また、みなさんは、ジャコウアゲハの雄同士が競い合いながら、見えなくなるほど空高く舞い上がっていく姿を見たことがありますか? 今まで知らなかった行動が観察できるのは、とても楽しいことです。 | ||
我が家におけるジャコウアゲハの生態 ・・・ の詳細 | ||
下野市では、ジャコウアゲハは河川域を主に比較的よく見 受けられる。ジャコウアゲハは私の大好きな蝶の一つで、 近くに生息しているのなら是非とも庭に来て欲しいと考え ていた。そこで、この新居へ引越してきた直後に食草ウマ ノスズクサ(盆栽用)をネットで購入し、庭の南東に定植 した。4年を経た現在では、処理に困るくらい大きく繁茂し ている。また、庭の西側でもウマノスズクサは大きく成長 し(矢印)、上部に覆いかぶさっていたブドウ棚にまで伸 び、ブドウのツルに混じって伸び続けている。 |
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この周りは、パーゴラに大きく広がったブドウの葉が 日陰を作り、このぶどう棚がジャコウアゲハの好みそ うな程よい日陰の環境を作っているのも、ジャコウア ゲハがここに住み着いている理由の一つだろう。完全 に我が家の庭に住み着いたジャコウアゲハの生態を保 つ環境の一つを構成している。 |
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驚いたことに、ウマノスズクサを植えた初年から幼虫が見 受けられるようになり、3年目の昨年には庭をジャコウアゲ ハが頻繁に飛び交うようになった。とても嬉しい状況なの だが、川から2Km近くも離れた我が家の庭にウマノスズクサ があることをよく見つけるものだと感心した。食草の近く では、あちこちで蛹が認められる。完全に居ついてくれる ようになった蝶の一つ。 6月〜7月では、庭を飛び交う黒いアゲハのほとんど全てが ジャコウアゲハという状況となる。 |
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2014〜2015年 | ||
2014年の冬、家の北西に面した壁に越冬中の蛹を見つけた(写真上)。壁南側だが軒下の日陰にも越冬中の蛹(写真右)、下の白い蛹は、昨年の抜け殻。 |
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2015年4月23日午前11時頃、偶然にも写真上の蛹の羽化に遭 遇することができた。黒色がまばゆい春型の雄であった。 我が家に住み着いてくれたジャコウアゲハ。今年も無事に その姿を見せて欲しい。 我が家のジャコウアゲハ・・・2016年度の発生スタートと なる。 |
2015年5月中旬、我が家のウマノスズクサに今年初世代 (2015年卵から成長した世代)の幼虫を見出した。我 が家で誕生したジャコウアゲハの子供かどうかは不詳 だが、今年の発生した最初の幼虫で、明らかに我が家 にジャコウアゲハが居着いていることを示している。 本当に嬉しいものだ・・・。我が家の庭を、もっとチ ョウの居心地のよい住処にするように心がけよう。 |
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2015年6月7日、ぶどうの棚下に繁茂しているウマノスズクサで育った幼虫が、ブドウの葉下で蛹化を始めた。 この時、このウマノスズクサには10頭以上の幼虫がいたが、少なくとも過半数の6匹はブドウの葉やツルで前蛹となり、蛹化した。ウマノスズクサで蛹化したものは3頭を確認。 これらの今春最初の増殖サイクルは完璧にシンクロナイズしているようだ。羽化した成虫が交配相手を探すには、とても効率がよいことになろう。 |
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6月28日(日)の午後5時ころ、食草ウマノスズクサについていた蛹が羽化しているのに気がついた。ちょうど羽を伸ばし終えたくらいで、まだ柔らかい羽を時々開閉する姿に心から癒される。とても大きな今年初世代(2015年卵から成長した世代)のメスだ。 | ||
6月28日 ジャコウアゲハの産卵 (第2世代、今年2度目の産卵) この時、ここで羽化した個体かどうかはわからないが、 別の2頭の雌がこの周りを優雅に飛翔していた。目的はも ちろん産卵で、目に前で羽化した個体(写真上)のごく近 くで産卵を始めた(写真右)。よく見ると、周りの葉には たくさんの卵・・・これらの卵から羽化した幼虫を全て扶 養できるだろうか? 大きく育っているウマノスズクサ は6本ほどはあるのだが。 |
今年2度目の増殖サイクルスタート |
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7月5日 みんな揃って孵化。 上記産卵から一週間を経た7月5日、すべての卵が同時に孵 化した。梅雨の降雨の合間の僅かな間隙をぬっての孵化だ った。孵化した初齢幼虫はすぐに卵の殻を食べている。さ て、我が家の今年2度目のジャコウアゲハの誕生は何時にな るのだろうか? |
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7月9日、初齢から2齢幼虫への脱皮。孵化後4日) 幼虫の生育は早い。上記で孵化した初齢幼虫は、わずか4日 後の今日、皆揃って脱皮を始め2齢幼虫になった。 また、一度目のサイクルで誕生したメスは、羽がボロボロ になっても産卵を続け、今日産卵された卵も観察された。 すなわち、2度目のサイクルで、産卵時期が10日以上ズレて きたことになる。このあとの増殖サイクルはかなりずれて くる可能性がある。 一方で、我が家の庭で産卵された卵の数は、ゆうに100個は 超えているように見える。大きく育ったウマノスズクサは 6本あるが、これらの食草でこれらの幼虫を支え切れるだろ うか。しっかりとこれらの幼虫の成長を見守らなくてはな らない。 |
初齢から2齢幼虫への脱皮 |
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脱皮中の初齢幼虫と、活動を始めた2齢幼虫 | まとまって孵化した初齢幼虫は、2齢幼虫になる時も 同じ |
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へーぇ、幼虫(2齢)は花も食べるんだ。 |
7月12日、2齢から3齢幼虫への脱皮(孵化後7日) |
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7月13日、3齢幼虫(孵化後8日) と2齢直前の初齢幼虫 |
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7月15日、食草ウマノスズクサがピンチ! ( 写真では見難いでしょうが・・・) たくさんのジャコウアゲハがやってきてくれて、庭で楽し んでいる姿を見て喜んでいた私、ふと・・・・大きな問題 に気がついた。今朝、ウマノスズクサを観察していると、 あまりにも多くの幼虫が群がっているのを見て不安を感じ るようになったのだ。今まで、1・2齢の小さな幼虫しかい なかったウマノスズクサに、3齢に脱皮して一回り大きくな った幼虫が目立ち始めると、ウマノスズクサ全体に幼虫が ウジャウジャと散らばっていることに気がついた。さらに 毎日、ジャコウアゲハは卵を産み続けている。かなり大き く育っているウマノスズクサだが、このままでは近いうち に食べ尽くされてしまうだろう。早急に解決策を講じなけ れば・・・。 |
拡大(クリック) |
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7月16日 7月17日 7月18日 23日、鉄パイプの周りにツルも無し 拡大(クリニック) |
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7月16日、幼虫の移動 台風の影響で昨晩から強烈な降雨が続いていたが、昼頃になって時折雨が上がるようになり、上記のウマノスズクサを観察した。幼虫は健気ですね。この大雨の中、雨に耐えながらウマノスズクサをガツガツと食べてさらに大きくなっている。ご覧のとおり(写真右)、わずか一晩でウマノスズクサは裸同然 ・・・ これは大変。今日、下野市のジャコウアゲハを保護する会の仲間に来ていただき、我が家の幼虫を適切な場所へ移動させて頂けることになっていたのだが、この雨の中、大丈夫かしら? でも、今日できなければ、幼虫は近くのウマノスズクサに移動するだろう。となりのウマノスズクサでも同じような状況なのだが・・・時間の問題だな、これは。 →→→→→→ 雨の合間を縫って、来ていただきました。そして、もうすでに大きくなっていた3齢幼虫40〜50匹ほど移動させていただきました。ありがとうございました。移動させた幼虫が無事に育ってチョウになってくれれば嬉しいですね。でも、庭にジャコウアゲハが殖えるのは食草のキャパシティーに応じた数に制限されなければいけない。 7月17日、さらに1日経過 40〜50匹も減らしても、食草は消えていく。 7月18日、さらに1日経過 もう完全に葉が無くなった・・・素っ裸です。あんた達・・・どうするつもり? 7月23日、既に最悪の状態に。 大きく育っていたウマノスズクサは壊滅状態。かなり太いウマノスズクサのツルは噛み切られ、ツルの上部は枯れた状態になってしまった。もう諦めの状態・・・。だいぶ他の株に逃がしたが、どうなるんだろう。写真左は以前からの連続。写真右は隣の鉄パイプで、左のウマノスズクサより大きく立派に繁茂していたが、いきなり丸裸になった。ウマノスズクサのツルの主軸が噛み切られたことが原因と考えられる。 |
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7月18日、3齢幼虫から4齢幼虫への脱皮(孵化後13日)。脱皮直後の幼虫がクルッと向きを変えて、脱皮した殻を食べだした。その後の食欲は旺盛で、全く休むことなく食べまくる。葉はアッという間になくなり、茎(ツル)まで食べる。 これだけ食草が傷められると、この世代で誕生したジャコウアゲハが産卵して成長するとき、どうなるのだろう。殖えすぎるのも問題であることを実感している。 | ||
7月22日、4齢幼虫から5齢(終齢)幼虫への脱皮 (孵化後17日) いよいよ最終段階、終齢幼虫への脱皮を完了した。こ れからさらに ・・・ ますます大きくなるのだろう な。食料の方が心配。並んでいる5本のウマノスズクサ は、もう悲惨なとしか言いようがないほど食い荒らさ れてゆく。さて、蛹になるまで食草を維持することが できるだろうか? 太いウマノスズクサは、5齢に脱皮して食欲が一段と増 した幼虫に葉は食べ尽くされ、ついにはそのツルまで が噛み切られてかじられている。 |
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以前の茂ったウマノスズクサ(同上記写真) |
7月20日、ウマノスズクサの悲惨な姿 |
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西側の畑から見ると、かつてはこんもりと茂っていたウマノスズクサが、ほとんどその姿を失ってしまった。幼虫たちのものすごい食欲が原因であることは間違いないが、今後についても真っ暗。 ジャコウアゲハがたくさん殖えるのをただ喜んでいるだけではダメだな。この状況を、ゆっくりと立て直ししなくてはならないだろうな。とりあえずは、早急に、幼虫をあちこちへ移動させなければいけないだろう。 | ||
7月23日、悲惨なウマノスズクサ。 既に、ウマノスズクサは葉が食べ尽くされるだけでなく、ツタはズタズタに噛み切られ、噛み切られたツルの上部は枯れていくことになる。わずかに残った葉もひとたまりもない(写真右)。矢印は噛み切られたウマノスズクサのツタ。太い主軸も見事に噛み切られている。 |
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7月29日、異常な蛹化 ウマノスズクサが急速に欠乏するにつれ、幼虫はどんどん と消滅してゆく。新たな食草を求めて放浪を開始したに違 いない。実際には、西側に大きく繁茂していた6本のウマノ スズクサは壊滅状態となっている。庭の南東端に植えたて いるウマノスズクサ以外、近辺にはウマノスズクサは見か けられないので、放浪した若い幼虫は絶望的な状況と言え るだろう。既にかなり多くの幼虫を移動させたが、残した 大きな終齢幼虫はまだ十分に成長していない段階で蛹化し た。これらの多くは近くのブドウの葉裏で蛹化したが、中 には5m以上も離れたところで蛹化したものもいた。蛹の大 きは通常と変わらないように見えるが、十分に成長してい ない幼虫が蛹化したものが多いだろうから、かなり小型の ジャコウアゲハが誕生するかもしれない。羽化の時期にな ればたくさんのジャコウアゲハが観察できるだろうが、食 草のウマノスズクサが欠乏している状態なので定住はでき ないだろう。もう放置するしか方法はない。 |
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8月2日、我が家の庭で誕生した今年第2代目(2015年卵から成長した世代)の初羽化(雌) 上記で紹介している一連の群とは異なり、少し早めの成長をしていた群であろう。いよいよ真夏に飛び回るジャコウアゲハの世代が登場したわけですが、これからが問題。彼らが産卵し、次の世代につなぐ食草が我が家にはないのです。もう、見ているしか方法はない。この冬には、来年に向けて根本的な改善を考えよう。 |
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8月23日、我が家の庭で蛹化を迎えた第3世代目(2015年卵から成長した世代)のジャコウアゲハ。一旦完全になくなったように見えたウマノスズクサは、根元から新しいツルがどんどんと伸びてきて、新世代の幼虫にその新葉を提供している。しかし、その量は圧倒的に少ないことから、これもまた、新たな幼虫(写真右)をどんどんと移動させて少なくする必要がある。 | ||
9月4日、残されたウマノスズクサに群れているほとんどすべての幼虫が終齢であった。これらはおそらく第3世代の最後の終齢幼虫だろう。第3世代と思われる幼虫は、今まで80匹以上もジャコうアゲハの保護区に自生しているウマノスズクサに移動させ、ここには最後のおよそ20匹の小さな幼虫を残していた。これらがすべて終齢幼虫に育っていた。近いうちに蛹化すると思われるが、第4世代は今年中に羽化するものとみられる。 | ||
10月16日、 9月に蛹となった第4世代は、どうやら年内には羽化しないようだ。これらの蛹を観察していたのだが、全く変化が認められず、このまま越冬することが予想される。従ってここ北関東(下野市)では年に3回の発生となり、4回目の蛹が越冬することになる。 | ||
10月18日、7月に根元まで食害されたウマノスズクサは8月中下旬には復活したものの、9月には再度根こそぎ食害を受けその復活を心配していたが、10月中旬になって根元から若々しい芽が伸びてきているのを確認し(写真上)て安心した。今年の冬にはさらに多くの株を植え付けることにしよう。 | ||
11月7日、 今年の冬越しの蛹が、家屋の壁面のみならず、特に食草ウマノスズクサの側にあるブルーベリーの枝にも多く見受けられる。来年も、ジャコウアゲハが我が家の庭をにぎわかしてくれるのは間違いないと思うが、食草の量が対応できるように、今年の冬にはウマノスズクサの植え付けを行わなくてはならないだろう。 | ||
2016年 | ||
2016年4月3日、 下野市自然に親しむ会の仲間S氏から分けていただいたガガイモ(ガガイモ科)の苗を、庭のウマノスズクサ(ガガイモ科)の並びに植えた。早く大きく育って欲しい。 さて、ジャコウアゲハはどのような評価をするだろうか? 後日、この種はオキシペタラム(ルリトウワタ)である事が分かった。 |
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2016年5月1日、快晴でとても暖かい 強風で雨天後、2日続いてとても暖かい良く晴れた日が続いた、今日はジャコウアゲハの羽化が集中した日のようだ。朝から既に4頭の羽化を確認した。下の写真は食草のウマノスズクサが急速に生長するなか、近接したブルーベリーの枝で越冬していた蛹(写真上)から雌雄2頭のジャコウアゲハが同時に羽化したところ。庭を飛び回るジャコウアゲハが今朝から一気にその数を増したようだ。いよいよチョウが活躍する・・・本当の春の季節が到来したことを実感する。 |
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A: 羽化したてのオス B:羽化したての雌 1〜4:生長中のウマノスズクサ |
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A: 羽化したてのオス |
B:羽化したての雌 |
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2017年 | ||
2017年のジャコウアゲハも、例年通り順調にライフサイクルを始めた。今年の成虫の出現(越冬蛹の羽化)は少し遅めの要だったが、5月の中下旬になると、たくさんの成虫が庭を飛び回るようになった。その産卵数は想像を絶するもので、今年は早々に卵を間引く(卵をジャコウアゲハ保護区のウマノスズクサに置いてくる)ことにしよう。 | ||
まるでキャンディーのような美しい卵 |
約一週間で孵化した幼虫は、卵殻を食べて栄養とする |
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深度合成写真 被写界深度の浅い連続写真を、Photoshopによってレイヤー合成し、深い深度の1枚の写真を合成した。右上の写真は、被写界深度を変えて撮影した8枚の写真のうちの1枚。 そこで、Photoshopの機能を活用し、これらの8枚を合成した(写真右)。焦点が手前から奥までズーッと合っているのが判る。 右上と右の写真を比較。 <Photoshopの機能> ファイル(F)のスクリプト(R)で「ファイルをレイヤーとして読み込み」、連続した「ソース画像を自動的に配置する」。次に、これらを編集(E)の「レイヤーを自動合成」で1枚のPhotoに仕上げる。 |
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ジャコウアゲハの好む花 | ||
ジャコウアゲハの蜜源 ジャコウアゲハが庭に住み着くということは、庭に食草のウマノスズクサが安定して自生しているだけでなく、ジャコウアゲハの蜜源が発生期間中に安定して花を咲かせることが不可欠となる。そこで、ジャコウアゲハの蜜源となる花の確認が早急に必要となる。 庭で発生しているジャコウアゲハの行動を観察し、ジャコウアゲハが蜜源とする花を確認した。 → ブッドレア、リアトリス、タマクサギ、バーベナ・ボナリエンシス、アガスターシュ |
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我が家の庭で誕生したジャコウアゲハの雌。主にアゲハチョウの仲間の蜜源として庭の北の端に植えているタマクサギの花に休んで吸密している。ジャコウアゲハの蜜源が庭の中にあることが確認できてとても嬉しい。 |
7月2日の曇天、活発に舞うジャコウアゲハの雄が、突然ブッドレアの花を訪れ、蜜を吸い始めた。ジャコウアゲハもブッドレアにやって来るんだ・・・ ブッドレアって、本当にオールマイティーだなあと思った。これで我が家の庭はジャコウアゲハの正式な住まいとなると、改めて確認した。 | |
バーベナ・ボナリエンシスで吸蜜するジャコウアゲハのメス |
ムシトリナデシコに吸密するジャコウアゲハ オス |
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ブラックベリーでの吸蜜 |
ボロボロになった雌がマウンテンミントの花で吸蜜 |
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ミツバチだけでなくジャコウアゲハも大好きなカラスザンショウの花 |
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今や、我が家の庭で目にする黒いアゲハはのほとんどがジャコウアゲハと言えるほど、ジャコウアゲハが賑やかに飛び交うバタフライガーデンとなったようだ。 7月3日、雨の中を飛翔して吸蜜。 朝から梅雨による降雨が続いている。しかしこの雨の中、意外と活発に活動しているチョウが2種類。1つはモンシロチョウ、そしてもう1種類は・・・ジャコウアゲハ。それも、今まで見たことがないほど活発な飛翔をしている。ブッドレアの周りにはオス3頭とメス1頭が互いに追い掛け回しながらものすごいスピードで飛び交っている。飛翔の範囲は庭全体に及び、高く低く、木陰や棚下など、いずれも猛スピードで飛翔し、ときおりブッドレアの花にとまって吸密する。いつも優雅にゆっくりと飛翔するジャコウアゲハが、こんなに活発に活動するとは全く知らなかった。 |
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7月6日(雨)、洋ランの花から吸蜜 雨の中、ジャコウアゲハは活発に飛び回り、吸蜜する姿がよく見られる。写真右はとても珍しい吸蜜の風景。日本では通常見られない、東南アジアの熱帯〜亜熱帯に自生する洋ラン(Rhynchostylis retusa:リンコスティリス・レツーサ)の花に、とても熱心に蜜を吸う姿を見出した。ランは、雨に当てるのと観賞用として、前夜に温室から庭に持ち出したもの。 花の香りにに惹きつけられたのだろうか、それとも、蜜の匂い? 実は、この光景は朝から2度目。最初はオスの到来であった。ジャコウアゲハはかなり長時間に渡って滞在。よほど気に入っているようです。よく見る通常の花でなくても、気に入った花をちゃんと見分けるのですね。とても不思議な光景です。 |
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Rhynchostylis retusa の花 |
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2016年度 の特記事項 | ||
2016年5月2日、 デルフィニウムはめったにチョウの訪問を受けないのだが、ジャコウアゲハが訪問しているのを初めて見かけた。意外に長い時間吸蜜を続けていたことから、デルフィニウムはジャコウアゲハの格好の蜜源と思われる。庭にはたくさんの種類の春の花が咲き乱れているのだが、ジャコウアゲハのお気に召す花はなかなかみつからないのかもしれない。 |
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2016年の惨事 | ||
2016年7月〜8月、今年のジャコウアゲハの発生には凄まじいものがあった。 一挙に大量発生した幼虫は、アッという間に食草のウマノスズクサを食い尽くした。危機を感じて、かなり初期に100頭以上の若令幼虫を自然に逃がしたものの、ウマノスズクサを全滅から救うことはできなかった。というのも、今年は早々に、終令幼虫がウマノスズクサの基部(かなり太く育っていた)を噛み切ってしまった(写真左上)からで、幼虫の「性悪」が改めて露見したものだ。その後、葉や茎に着いていた蛹が、ウマノスズクサの枯れが進むにつれて地面に落下する(写真右上)という悲しい現実を多く目にするようになった。そこでこれらの蛹を持ち帰り、屋内で羽化ができるように処置した。 | ||
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