オーレリアンの庭

(2)我が家のバタフライガーデンをめざして
バタフライガーデンを代表する花々(推薦)と、その花を訪れるチョウ

 (1)我が家のバタフライガーデンをめざして ミツバチやチョウに優しいガーデニング・記録 2019年
  (2)バタフライガーデンを代表する花々(推薦)と、その花を訪れるチョウ@
   (2)バタフライガーデンを代表する花々(推薦)と、その花を訪れるチョウA
(3)我が家のバタフライガーデンの蜜源として準備する花々へつづく
(4)我が家のバタフライガーデンの蜜源となる花々の維持
(その1) (その2) / (その3)へつづく
 (関連リンク)我が家を訪れるチョウの仲間たち ・・・ 庭の訪問者(NO.1:蝶を主として) 
バタフライガーデンを代表する花々(推薦)と、その花を訪れるチョウ・・・経験に基づく(1) 
  バタフライガーデンを代表する花々とは、我が家のバタフライガーデンには不可欠と思われるほど重要な花で、チョウやミツバチがとても好んで訪れる。以下に、我が家のガーデンで、チョウやミツバチが特に好んで訪れる花を紹介する。
 
ミツバチやチョウが好む花を紹介しているブログをよく見かけるが、これらを参考にするにしても、目指すバタフライガーデンに適切な花を選ぶにはいかにも選択肢が狭い。海外では、比較的大きな種苗会社のカタログで紹介される花種や苗には、ミツバチやチョウの蜜源となる花にはとても分かりやすい記号が付記されている。このサイトでは、ミツバチが好む花のページの中に、イギリスの種苗会社からの抜粋を紹介しているので参照されたい。国内の大手種苗会社にも、このような配慮を是非お願いしたい。また、花木・草花を栽培するにあたり、栽培する場所・地域などが、生育条件として大きな問題となることが予想される。以下の紹介は、ここ栃木県下野市(北関東の平野)での経験に基づくもの(これが重要)であることを、念頭においてご理解いただきたい。
(1)エキナセア   
エキナセアはチョウやミツバチが好む花の代表の一つと言える。晴れてさえいれば、ミツバチやチョウの訪問は絶えることがない。写真のキタテハは午前中からほとんど一日中、エキナセアの花から離れなかった。ミツバチも他のミツバチやチョウが居ようとも全く気にせず、ただひたすらに蜜をすすっているようだ。エキナセアの花色には色々あるが、写真の桃色が最も好まれる色であろう。

キタテハ

キマダラセセリ
 
トラフシジミ

アサマイチモンジ
(2)リアトリス    
 
6月の下旬から7月に入ると、満開になりはじめたリアトリスとモナルダにはチョウとミツバチがわんさかと集まってくる。上記写真には、一時に7匹のモンシロチョウがリアトリスに集まってきている。近く(我が家の家庭菜園を含めて)の農地では、キャベツの大敵として嫌われるモンシロチョウだが、我が家の庭では愛らしいお客様としてお迎えしている。本当に心が癒されるのです。
 
西洋ミツバチ
 
(3)ブッドレア   
バタフライガーデンには不可欠なブッドレア、花が咲き始める梅雨の6月中旬から晩秋の霜が降りるまで、いろいろなチョウが入れ代わり立ち代わりやってくる。時間があるときには、この花の周りを見て回り、花を訪れているチョウを確認することにしている。珍しいチョウが来てくれると嬉しいなァ・・・。でも、ブッドレアのなかでも蝶を惹きつける花の色にはこだわる必要がある。
 
ジャコウアゲハ(雄)

ジャコウアゲハ(雌)
 
ナミアゲハ(雌)
 
キアゲハ(ボロボロになった雌)
 
アオスジアゲハ

クジャクチョウ 2011年8月15日初来訪
 
ヒメアカタテハ

アカタテハ

ツマグロヒョウモン 雌
 
ツマグロヒョウモン 雄
 
ミドリヒョウモン

キタテハ
  
7月上旬、ブッドレアはイチモンジセセリの集会場と思えるほど大賑わい。ご覧のとおり、ほとんど全ての花穂にイチモンジセセリが見られる。神経質にすばしこく飛び交うたくさんのイチモンジセセリに、大型の他のチョウは迷惑気味。一方、よく似たチャバネセセリは全く見られないのを不思議に思う。この近くでは、まだ発生していないのかしら?

ヒカゲチョウ
 
西洋ミツバチ
 
ナガサキアゲハ(雄)
2015年9月16日、 ようやく、ようやくナガサキアゲハの姿をカメラで捉えることができた。俊敏なチョウで、近寄るとすぐに飛び去ってしまう。吸蜜のチャンスしかないと考え、よく姿を現すタマクサギに注意を払っていたが、チャンスはやはりブッドレアで訪れた。でも、アッという間に遠くへ飛び去ってしまった。まあ、なんとか写真におさめることができたので、良いとしよう。  
2018年6月30日、我が家には2度目の来訪。前回は5年前で、アッという間に飛び去ったのでカメラを向けることさえできなかった。その後、気をつけて観察していたが、全く姿を現さないことから、撮影はほとんど諦めていた。しかし突然、その日がやってきた。夏のような暑い日がつづくなか、たくさんのチョウで賑わうブッドレアにひときわ目立つ小気味の良い飛翔をする小型のチョウがいることに気がついた。これこそ、待ちに待ったテングチョウであった。テングチョウがブッドレアで吸蜜するとは、全く予想していなかった。  
 2016年5月21日、
ブッドレア・アルテニフォリアにチョウが飛来するかどうか、関心を持って観察していると、確かにたくさんのチョウがやって来ることを確認した。通常のブッドレアより一足前に咲くので、チョウの蜜源として目立つ存在のようだ。ツマグロヒョウモン、キタテハ、アサマイチモンジ(写真右)、 ・・・ そして、ジャコウアゲハ、アオスジアゲハ。一日で、こんなに盛りたくさんのチョウの来訪を確認した。 花穂が下垂しているので風で大きく揺れるのだが、チョウは気にしないでしっかりとしがみついているようだ。花期は短く、あと少しでその命を終えるが、それまで多くの、特にタテハチョウの蜜源になってくれると嬉しい。
 
(4)モナルダ     
 モナルダは私の好みではなかったのだが、ミツバチやチョウの蜜源としての役割に期待して導入することにした。果たしてその効果は絶大で、様々なチョウが絶え間なく訪れる。夢にまで見たカラスアゲハの吸蜜を、初めて目にしたのはこの花であった。花そのものも成長が早く、大きな叢となって迫力のある花を長期間にわたって咲かせ続ける。調子に乗って花色や株の丈などが異なるいろいろな種を集めてみると、それぞれの花に対しての虫の反応が異なることに気づいた。結論として、ブッドレアと同様に薄いピンクの花(写真下)が最も好まれるようだ。一方、白い花にはミツバチもチョウも訪れる姿をほとんど見たことがない。種苗会社のカタログではモナルダの赤い花を見かけるが、チョウやミツバチの興味をそそる色彩かどうかを知りたいところだ。

西洋ミツバチ
 
トラフシジミ

 カラスアゲハ(2015年7月5日、初来訪)
後日、カラスサンショウでの産卵を確認
 
ツマグロヒョウモン♂
(5)バーベナ・ボナリエンシス    
3尺バーベナとも呼ばれるが、元肥を入れて丁寧に育てると、その倍ほどの高さにまで生長する。花は咲き終わった殻を丹念に取り除くと、早春から降霜まで長期間にわたり咲き続け、春から秋まで絶え間なくチョウやハチの訪問客を受け入れる。花殻を放置すると、花は夏頃に咲き終え種を撒き散らすようで、こぼれ種による苗が四方八方に広がり、瞬く間に庭はバーベナでいっぱいになる。チョウには良いかもしれないけど・・・こりゃあ大変!

 
モンキチョウ ♂

スジグロチョウ
 
ジャコウアゲハ ♀

ベニシジミ
 
イチモンジセセリ

ナミアゲハ(雄)

ミツバチ 
(6)チトニア・トーチ      
蜜源にはとても良いが、株幅2m、株高2mまで成長するので、植え付ける場所を考慮する必要がある。生長の早めに摘心すると、比較的コンパクトに収まるようだ。花は初夏から降霜まで咲き続け、特に晩秋にはタテハチョウの主要な密源となる。 

ナミアゲハ(雄)
 
ツマグロヒョウモン(雄) 

キアゲハ(雄)

モンキチョウ(雄) 
(7)ヒャクニチソウ     
  ありきたりの花だが、蜜源としてはきわめて重要。ガーデンフラワーとしては、一般的に八重咲きのものが好まれるが、チョウやミツバチの蜜源としては一重の花弁の花をさかせるものが適切。種まきの時期をずらせば、初春から降霜まで花を咲かせ続ける。

キアゲハ

ナミアゲハ(雄)

ツマグロヒョウモン

オオチャバネセセリ

クロアゲハ

ヤマトシジミ

西洋ミツバチ

ナガサキアゲハ
(8)ミヤギノハギ     
ミヤギノハギの花は春の終わり頃に咲き始めるが、夏の盛りから秋にかけて大きく伸びた枝に盛りだくさんの花を咲かせ、その姿はまさに秋の七草にふさわしく美しい。 花の美しさに惹かれるだけでなく、キチョウ、トラフシジミ、ウラナミシジミ、ルリシジミ、ツバメシジミ、ウラギンシジミ、コミスジなどたくさんのチョウの食草として重要と思われることから、我が家の庭には真っ先に植栽した花木の一つ。しかし、我が家のミヤギノハギの花を訪れるチョウの姿をほとんど見かけなかったことから、蜜源や食草としての役割は果たしていないと思っていた。
この新居に移って5年が過ぎた2016年、チョウやミツバチに優しい庭作りもようやく落ち着いてきたように見える。そこで改めて庭に飛来するチョウの行動を注意して観察していると、チョウの来訪をほとんど受けていないように見えていたハギの花に、目立たない小型のチョウが頻繁に訪れていることに気づいた。特に、ミヤギノハギを食草(食樹)としているチョウは、好んで訪れるようだ。実際に、このハギの花がいろいろなチョウの蜜源になり、さらに、食草となっていることに今まで全く気づいていなかったのだ。我が家のミヤギノハギで産卵が確認されているのは、キタキチョウルリシジミツバメシジミウラナミシジミ、そしてコミスジ。花の時期にその蕾や枝を精査すると、虫眼鏡でも判別できないような小さな卵や幼虫を見出すことができ、思わず微笑んでしまう。目の届かない小さな世界で生きているチョウの姿を目の当たりにすると、深く心が癒されるものだ。コミスジは、時折飛来するのを見かけることから、産卵に来ているのかも知れない。今後注意して観察しよう。バタフライガーデンには、蜜源のみならず意外に多くのチョウの食草として、産卵や幼虫の成育を容易に観察することができることから、ミヤギノハギの植栽が勧められる。
 
ツバメシジミ雌
 
ルリシジミ雌
 
ヤマトシジミ雄
 
キタキチョウ雄

ウラナミシジミ
 
産卵に訪れたと思われるコミスジ
木陰になる小枝に好んで静止する
 
ルリシジミの4令幼虫
 
キタキチョウの5令(終令)幼虫
(9)ムシトリナデシコ     
畑のあぜ道や道端のジャリのなかでも大きくしっかりと育つ雑草のイメージがあるが、鮮やかな桃色の美しい花を咲かせる注目すべき花といえる。花期は5月〜6月で、春の花が終わり夏花の季節を迎える端境期であることから、蜜源としてもとても有効といえる。6月の下旬には種をつけることから、道端から採種して花壇に播種すると良い。雑草として過小評価するには余りにも惜しい草花であろう。 惜しくもがなムシトリナデシコは一年草で、毎年更新する必要がある。こぼれ種で殖えるので問題はないようであるが、毎年取り蒔きすると安心であろう。

モンシロチョウ

ナミアゲハ

ジャコウアゲハ
 
10)スカビオサ(西洋マツムシソウ)     
庭に植えつけている花とチョウやミツバチの動きを観察していて、スカビオサの花を訪れるチョウの種類は意外に多く、花の色を問わずミツバチも頻繁に好んで訪れることを確認している。さらに、スカビオサの花期は長く、花殻さえ取り除いてやると、早春から霜が降りるまで咲き続ける。霜や北風からの影響を少なくしてやると、冬期も花を咲かせ続ける。チョウやミツバチの蜜源としては最適の草花の一つにあげられる。 
   
 
イチモンジセセリ
 
ナミアゲハ
 
ジャコウアゲハ(雌)
 
ジャコウアゲハ(雄)

モンシロチョウ 白花で吸蜜
 
モンシロチョウ 紫花で吸蜜
 10)ネペタ・ウォーカーズロー(キャットミント)      
ハーブのキャットミントはさほど目立つ花ではないが、蜜源としては極めて高い効果を表す。特にミツバチには好まれるようで、近くに寄ればミツバチの羽音が騒がしいほど。チョウではモンシロチョウの来訪が目立つ。6月の下旬から咲き始めるリアトリスと並んで、晴れた朝にはたくさんのモンシロチョウが乱舞している姿を楽しむことができる。  

モンシロチョウ

ミツバチ

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 (1)我が家のバタフライガーデンをめざして ミツバチやチョウに優しいガーデニング・記録 2019年
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(2)バタフライガーデンを代表する花々(推薦)と、その花を訪れるチョウA
(3)我が家のバタフライガーデンの蜜源として準備する花々へつづく
(4)我が家のバタフライガーデンの蜜源となる花々の維持
(その1) (その2) / (その3)へつづく
 リ ン ク 
(その1)我が家を訪れるチョウの仲間たち ・・・ 庭の訪問者(NO.1:蝶を主として) 
      我が家の庭を訪れるチョウの仲間たち 現在 49 種 
(その2) 庭で観察した蝶の興味ある行動
(その3) 我が家の庭に棲み着いたチョウ(現在 20種) 
 (その3-1) 庭に棲み着いたジャコウアゲハの生態
 (その3-2) (2-1)アカボシゴマダラの生態 我が家での生態観察と越冬幼虫の観察
(2-2)アカボシゴマダラの生態 夏型の生態観 
 (その3-3)  庭に棲み着いた並アゲハ、クロアゲハの生態
 (その3-4) 庭に棲み着いたキアゲハの生態
 (その3-5)  庭に棲み着いたカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、ナガサキアゲハの生態
 (その3-6)  庭に棲み着いたゴマダラチョウの生態
 (その3-7) 庭に棲み着いたその他のチョウの生態
モンシロチョウ、ルリシジミ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモン、
ヤマトシジミ、キタキチョウ、ツバメシジミ、ウラナミシジミ、アサマイチモンジ、
スジグロチョウ、コミスジ

(その4)トラップいろいろ
(その5)幼虫の飼育便利グッズ
(その6)我が家を訪れるチョウの食草一覧(庭に自生・植栽している食草)
(その7)アゲハチョウの仲間 幼虫の比較
付録世界のバタフライガーデン
付録 下野市で見られるチョウ 
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