我が家の庭の訪問者(その3-7) |
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我が家の庭に棲みついたチョウ | ||||||
その他のチョウ | ||||||
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(I)アサマイチモンジ | ||||||
アサマイチモンジは毎年頻繁に我が家の庭を訪れる。食草となるはずのタニウツギは大きく育って花をたくさん咲かせ、アサマ イチモンジが止まっている姿も良く見かけたものの、残念ながら産卵や幼虫の確認はされていない。そこで、2016年の秋に新 たな食草として、友人から頂いたスイカズラを挿し芽で殖やし定植したところ、翌年の春には花を咲かせるほどに大きく生長し た。 |
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2017年5月23日、スイカズラでアサマイチモンジの卵を確認 しばらく前からアサマイチモンジがスイカズラの近くを飛び回っている姿が観察されたが、スイカズラに静止したり、卵の確認は されていなかった。しかし今日、スイカズラの葉表に薄黄色に輝く卵を数個見出した。やはり来てくれた・・・期待通りに。これで 我が家の庭に定着してくれたチョウが、また一種増えたことになる。これから、この卵から孵った幼虫の観察と記録をすること にしよう。 |
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2016年5月21日、ブッドレアで吸密するアサナイチモンジ |
2017年5月23日、スイカズラの花は満開 |
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2017年5月23日、やや若い葉の表に産卵 何時もアゲハ類の卵を見ているので、小さく感じる |
100mmマクロレンズで接写した卵 これでも十分に拡大することができる |
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スイカズラに産み付けられたアサマイチモンジの卵 100mmマクロに28mm広角レンズを逆につなげて接写 |
2017年5月30日、幼虫が透けて見える そろそろ ・・・ 孵化も近い |
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2017年5月30日夕方、やっと孵化。 生まれたての美しい一令幼虫。 |
孵化後、幼虫は卵殻を食するようだ。 卵殻もクリスタルのように美しい。 |
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翌日5月31日朝、孵化の翌日には糞にまみれて活発に行動 |
5月31日朝、幼虫は葉の先端へ |
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6月1日、毎朝観察するのが楽しみ |
6月3日、まだ1令だが、ドンドンと大きくなっている |
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1令から2令への脱皮が始まった |
わずか5分ほどで脱皮完了 |
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6月4日早朝、2令への脱皮を確認(1令期間:4日)) |
脱皮を済ませた2令幼虫、白い密なトゲが特徴 |
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2017年6月7日、かなり大きくなってきた2令幼虫 |
2017年6月7日、葉先の定位置と食事する葉を活発に移動 |
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2017年6月9日、3令幼虫と思われる(2令期間:6日) |
2017年6月10日、一晩で風格のある3令幼虫に育った |
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2017年6月12日、どんどん大きく育つ。体長は1.5cmほど。 卵が産みつけられた葉は、全て食べられてしまった。 |
2017年6月25日、スイカズラのほとんどの幼虫は不明となった 。その理由は分からない。その後の産卵から誕生した弱令幼 虫も、不思議に不明となった。一方、タニウツギで誕生した幼 虫は、対照的に順調に大きくなっている。 写真による記録は、スイカズラでの残った後発幼虫一匹と、 タニウツギデでの幼虫に切り替えることにした。 4令、5令幼虫になると、常時、スイカズラの軸に巻きつくように 静止するので、全体の写真を撮るのは極めて難しい。 |
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2017年6月25日、4令幼虫 変った格好でゴミのよう |
2017年6月26日、脱皮直後の5令(終令幼虫) |
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2017年6月27日、5令幼虫は緑化 5令幼虫は一晩を経過すると、典型的な緑色の終令幼虫となった。私には初めて見た幼虫で・・・感激! ウーム、格好いい ・・・美しい!。成虫になるまで、無事に育って欲しい。 |
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2017年7月2日前蛹 7月3日蛹化 |
7月9日早朝、羽化が始まる |
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7月9日AM 8:00 羽化 |
羽化が始まると、わずか5分ほどでほぼ完了 |
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アサマイチモンジの羽化 詳細 | ||||||
2017年6月8日、タニウツギでの産卵を確認 今まで一度も確認されなかったアサマイチモンジのタニウツギでの産卵。もし今までに産卵されていたなら、幼虫の特徴的な食 痕から容易に発見することができるはずなのだが、毎年繰り返し精査したものの、全く見つけることができなかった。今年は別 の食草としてスイカズラを植えたところ、早速効果が現れた。さらに今日の夕方、タニウツギの周りを飛び回るアサマイチモンジ を見つけので後を追いかけたところ、ついに、タニウツギの葉上に産卵する姿を目撃(写真左下)した。とっさにカメラに収める ことができたが、あわてて手振れしてしまったのが残念。 そしてその葉には、間違いなく薄黄色の小さな卵を確認した(写真右 下)。 |
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タニウツギに産卵中のアサマイチモンジ |
そこには間違いなくアサマイチモンジの卵 |
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1令幼虫 |
2令幼虫 |
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事件発生!! 上記のように、不思議なことに幼虫がドンドンと消えていく(不明になっていく)ので、撮影しながら幼虫の成長記録を続けるため 、スイカズラとタニウツギで生育中の幼虫を確保することにした。十分に葉を確保したそれぞれの食草を一枝切り取り、一つの 一輪挿しにまとめた。暫くは順調に観察を続けていたが、一週間ほど経過したころ、タニウツギで生育中の3令幼虫が不明にな った。全体をよく調べると、この幼虫はスイカズラで見出され、スイカズラに独特の食痕を作っていた。完全に食草を乗り換えて たようだ。アサマイチモンジの幼虫は、タニウツギよりスイカズラのほうを好むようだ。 |
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3令幼虫 |
スイカズラのツルを切り取り、ネットを掛けて屋外で飼育 |
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またまた事件発生、 3令幼虫(上記)を観察していたところ、なかなか4令への脱皮が確認されないままに、新たな幼虫に姿を変えた。アレッ、これ ・・・5令(終令幼虫)じゃあないの?ネットで調べてみると、4令幼虫をスキップするというこのような状況もママあるとのこと。 正常な変態では、褐色の終令幼虫は一晩で緑化したが、このときは、褐色の幼虫のまま数日を経過し、その後ゆっくりと緑化 した。 |
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2017年8月2日、終令幼虫への脱皮 2017年度は、アサマイチモンジが庭から離れない。決して数が多いわけではないが、ピコピコと軽快に飛び回る姿が頻繁に見 られる。そして、スイカズラとタニウツギへの産卵が続き、産卵時期のサイクルにはかなりの数の卵が目立つ。ところが、これま での経験から、アサマイチモンジの幼虫は比較的容易に天敵に発見されると思われ、かなり早い時期から幼虫が消えうせるよ うだ。それに気がついてから、弱令幼虫を見つけると、その一部を確保して保護するよううにしている。8月2日現在、1令から終 令まで、9頭の幼虫を保護している。これらの幼虫を毎日眺めるにつけ、終令幼虫への脱皮と皮膚の色彩の変化には特に興味 があり、そのダイナミックな変化にはいつも感動する。 |
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2017年8月2日、脱皮直後の終令幼虫 |
2017年8月3日、翌日には鮮やかな緑色に |
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2017年8月7日、蛹化も近い終令幼虫 鮮やかな黄緑がとても美しい |
2017年8月16日、4令(終令)が再び誕生。かなり小さい。 4令(終令)は意外に頻繁に誕生するのだろうか? |
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