我が家の庭の訪問者(その3-7) |
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我が家の庭に棲みついたチョウ | |||||
その他のチョウ | |||||
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(C)モンキチョウ | |||||||||
2015年5月30日、モンキチョウがルピナスに産卵 (ルピナスはモンキチョウの食草として確認されているとのこと)。 ほとんど花の終わったルピナスの周りを俊敏に飛翔するモンキチョウ(雌)を見つけた。まだモンキチョウの写真を撮っていなかったので、カメラを片手に追いかけ回したところ、ルピナスの葉に止まって産卵を始めた。モンキチョウは、確かにクローバーなどを主とするマメ科の植物食草とするが、まさかルピナスに産卵するとは思っいてもみなかった。卵(写真右)も確認されたが、果たしてこの卵から孵化した幼虫が育つかどうか・・・? 暫くは食痕に注意しながら観察していよう。 2015年6月、 その後観察していると、異なった個体の雌が入れ代わり立ち代わりルピナスを訪れ産卵していく。もはや、ルピナスは完璧な食草に見える。卵は1〜2日で孵化するが、その後幼虫は不明。何者かによる食痕は多く見られるが、それがモンキチョウの幼虫によるものかどうかは不詳。かなりの数の幼虫がいるはずなんだけど・・・。 |
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バーベナの花を訪れたモンキチョウ(雄) | ルピナスの葉に産卵中のモンキチョウ(雌) | ||||||||
ルピナスの葉に産卵中のモンキチョウ(雌) | ルピナスに産卵されたモンキチョウの卵 | ||||||||
(D)ツマグロヒョウモン | |||||||||
ツマグロヒョウモンは近年、その分布域をどんどんと北上させているチョウである。地球の温暖化が原因の一つと言われながらその原因は不詳とされつつも、ツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハ、ウラナミシジミ、アカボシゴマダラ・・・など、たくさんの種類のチョウが、その分布を広げている。 ツマグロヒョウモンは、ここ北関東では普通に見られるチョウで、我が家の庭を訪れるヒョウモンチョウの中では最もその数が 多い。しかし、普通種ともいえるこのチョウがこのあたりで越冬しているという確証はまだ得られていない。実際、越冬を確認できなければ、本当の意味で分布しているとは言いがたい。その意味でも、ツマグロヒョウモンの観察はきわめて大切といえよう。 |
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2012年5月12日、 春早くはさほど多くは見られないが、5月にはいると急にその姿を見かけるようになる。暖かい春の陽のもと、産卵に訪れたツマグロヒョウモンの雌。 | 2012年5月12日、 パンジーの葉に産み付けられたツマグロヒョウモンの卵。 |
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2012年2月27日、 我が家の庭で育ち、越冬したツマグロヒョウモンの終齢幼虫。ポカポカした暖かい冬の午前中には日当たりがよく、温まった石の上に出てきて日向ぼっこをする。 ツマグロヒョウモンの幼虫での越冬は、北関東では確認されていないと聞くが、我が家の庭では毎年確認されている。飼育しているわけではないので、四六時見るわけには行かないが、真冬の暖かい日には写真(左)のような姿に出くわすことがママある。 |
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2016年6月8日、終齢幼虫があちこちに・・・ 6月に入ると、昨年の年末から目を楽しませくれたパンジーやビオラの花が終焉を迎え、枯れ始めた株の処理をしなくてはならない。ところが、この時期になると、枯れそうになったヨレヨレのパンジーの株にはツマグロヒョウモンの幼虫があちこちで目立つようになる。従って、枯れそうで見苦しくなったパンジーの株を抜くに抜けないジレンマに陥る時節といえる。もうしばらく我慢して、幼虫が見られなくなったら抜くことにしよう。しかし、その後のツマグロヒョウモンの食草を確保しなくてはならないのだが、まだ実行していないのが現実。何を植えればいいのだろう? |
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最盛期を終え、ヨレヨレになったパンジーの株 |
衰えた葉にすがり付いて育つツマグロヒョウモン終齢幼虫 |
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2016年7月2日、 異常に蒸し暑い梅雨時の一日となった。気がつくと、ほとんど枯れたパンジーから逃げ出した終令幼虫が、新たなエサ(食草)を求めて放浪している姿に出くわした。いや、新たなパンジーの生えている場所には気がついているようで、1mくらい離れたパンジーにまっすぐに向かっているように見えた。しかし、この新たなパンジーもほとんど葉がない状態(写真左下)で、既にココに住み着いている2匹の終令幼虫には迷惑なことだろう。他にパンジーの株がないので、先日友人から頂いて鉢植えにした野生スミレ(おそらくタチツボスミレ、まだ活着していないと思われる)をそばに置くことにした。何れ葉が落ちると思われるので、それまでに幼虫のエサになってくれれば良い・・・ということにした。庭ではたくさんの雌のツマグロヒョウモンが飛び回っているので、産卵できるスミレを準備しなくては・・・。秋になれば、ホームセンターでパンジーの苗が販売されるようになるので、それまでのツナギとなる。 |
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ほとんど葉がなくなったパンジーにしがみつく終令幼虫 |
野生スミレの鉢植えに、1時間もしないうちに移動してきた |
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2016年9月1日、ツマグロヒョウモンの産卵 ツマグロヒョウモンの幼虫の成長を記録したいと思っていたのだが、そのチャンスになかなか恵まれない。これまで庭にはパンジーしか植えていなかったことから、真夏にはパンジーが消滅してしまい、この時期のツマグロヒョウモンの産卵・発生は期待できなかった。そこで今年は、真夏でも生長を続ける野生スミレの株を手に入れ、ツマグロヒョウモンの受け入れ態勢を整えた。スミレは、保護を含めて管理を容易にするため、鉢植えにした。それでこの夏には、このスミレで成長する幼虫がよく見られるようになったが、目につくのは比較的大きく育った幼虫ばかりで、若令幼虫はなかなか見つけられない。どこかに隠れているのだろう。そこで、ネットで食草の野生スミレを覆い、その中に捕獲したツマグロヒョウモンのメスを閉じ込めて24時間放置した(写真下左)。果たして24時間後、スミレの葉裏や葉柄には15個の卵が産みつけられていた。これで、卵の孵化から幼虫の成長が記録できる。 (注:繁殖に用いないスミレは、スミレ保護のためにネットをかけ、ツマグロヒョウモンの産卵を防いでいる。) |
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2016年9月1日、野生スミレを入れたネットに雌を閉じ込めた |
同日、その日のうちにたくさんの卵を産みつけた。 |
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9月6日、リバースリングを用いると、ここまでUP! |
10月10日、ツマグロヒョウモンの1令幼虫 |
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2016年9月8日、1令幼虫(2mmくらい) |
10月10日、秋になってもツマグロヒョウモンの発生は止まらない(写真上)。夏に野生のスミレを入手し植栽したところ、夏中ツマグロヒョウモンの産卵は止まらず、放置していると、スミレはアッという間に丸裸にされてしまう。アメリカスミレサイシン・スノープリンセスと思われる成長が旺盛なスミレが庭に自生しており、大きく成長したが、丸葉の野生スミレ(タチツボスミレか?)とともに幼虫の食草とはなるものの、ツマグロヒョウモンの産卵対象とはならないようだ。野生スミレはネットで覆うことによりできるだけ保護し、一部のスミレに産卵された卵は、孵化すると幼虫を他のスミレに移すことにしている。野生スミレを何とか大きく育てたいと思っているのだが・・・。また、園芸用の パンジー・ビオラの販売が待たれる。 | ||||||||
2016年9月12日、2令幼虫(5mmくらい)への脱皮 |
成長した2令幼虫(8mmくらい)。 |
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2016年8月25日、3令幼虫(1cmくらい) |
2016年8月29日、4令に脱皮。これで20〜25mmくらい。 |
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2016年9月1日、5令幼虫。サイズは40mm弱。 |
2016年9月20日 前蛹 同日、12時間後には蛹化 |
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上記写真の幼虫は必ずしも同一の個体ではないため、各ステージの日付は撮影記録のみで、各写真の連続性はありません。 | |||||||||
2016年9月29日、ツマグロヒョウモンの羽化(雄) いつも観察していた蛹。サナギの色が黒いので、その内部の変化が全く把握できないまま・・・、今日も2時間ほど前にチェックした時には変化なし・・・しかし午後9時に羽化しているのに気がついた。それも翅は完全に乾いているようで、いつでも飛び立てるようだ。羽化する姿を写真に捉えたかったなァ。 産卵から羽化まで約一ケ月、蛹期間は9日間。これでツマグロヒョウモンの卵からの一連の成長観察を終えることにする。 |
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2016年10月20日、ツマグロヒョウモンの妙な産卵 とても大きく美しい翅を持ったツマグロヒョウモンの雌が、食草のパンジーの近くをフラフラと緩やかに飛びまわっていた。産卵の意思がありそうだったので観察していると、メスは腹を大きく曲げてその先を地面をこするように移動し、近くの細い枯れ枝に産卵行動を見せた(写真下左)。その後も、あたかも地面に産卵するように同じ動作を続け、パンジーの根元付近にも産卵したように見えた。直ぐに、その枯れ枝を観察すると、写真のように鮮やかな卵が一つ。アップしてみても、間違いなくツマグロヒョウモンの卵であることが確認された。ツマグロヒョウモンは、必ずしも食草そのものに産卵するばかりでなく、その近くにでも産卵するようだ。 |
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パンジーの近くの枯小枝に産卵するツマグロヒョウモン |
このあたり(赤矢印)に産卵? |
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腹の先を地面につけたまま移動 |
腹の先を地面につけて移動し、パンジーの根元に産卵 |
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確認すると確かに・・・卵が |
アップして、ツマグロヒョウモンの卵であることを確認 |
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2016年10月29日、 秋も深まってくると、ホームセンターでは少し早いパンジー・ビオラの株が販売されるようになる。例年なら年を越えて割引販売が始まるまで我慢するところだが、今年はツマグロヒョウモンの幼虫を維持するために飛びつくことになった。株を選ぶ条件は、花の良さではなく、丈夫そうで葉が繁茂しているできるだけ大きなもの。野生のスミレを保護するためには、どうしてもこれらのパンジーやビオラが必要となる。株は1週間も経たないうちに葉が食い尽くされ・・・惨めな姿に(写真下左右)。これじゃあパンジーを頻繁に補給しなくてはならないようだ。しかし、幼虫はどこかに隠れているらしく、その姿にはほとんどお目にかかることができない。ただし、花を食い荒らすのはテントウムシの幼虫。 |
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