我が家の西洋ミツバチ飼育奮闘記 |
ミツバチやチョウに優しいガーデニング |
この家に住むようになってから、チョウが好む草花をメインにしたガーデニングや有機野菜を育てる家庭菜園を始めるとともに、さまざまな果樹を植えるようになった。これらの果樹を植え始めてから3年を経過して、樹そのものははかなり大きく育ってきたのだが、果実は期待するほど実らない。貧果の原因として、花の受粉が不十分であることが最大の問題ではないかと思われるようになった。例えばビワやアンズなど、花はとてもたくさん咲くのだが、収穫できる果実は片手の指で数えられる程。冬に花を咲かせるビワをよく観察すると、よく晴れた暖かい日でさえ虫(小さなハエなど)がほとんど寄ってきていない。ネットの記事を参考に、満を持して自分の手で交配してきたのだが、決して効率が良いわけではなさそうだ。どうにかしないと・・・と、考え始めていた。いよいよミツバチの出番か?。そこで、ネットからいろいろな情報を入手し、その飼い方を記録しながら学び始めた。「怖いから・・・やめて!」という家族からの反対を背にして・・・一大決心し、飼育のシュミレーションを始めようと、巣箱関連と最低限必要な道具を購入した(決意表明)。すると、どういうことか突然、天から手が差し伸べられたのだ。最近、ご近所のイチゴ生産農家と親しくお付き合いをして頂けるようになり、イチゴハウスで飼育されている西洋ミツバチを見せていただいたり、お話を伺うことができるようになった。こうなると、俄然、私自身のミツバチ飼育が現実味を帯びてくるようになった訳で、およそ一年の準備期間をおき、2015年春の飼育スタートを目指していたところ、2014年6月30日、突然その日がやってきた。そのイチゴ生産農家から余剰のミツバチを一群、無償で頂けることになったのだ。この、トントン拍子の展開、自分でも信じられないくらい。その日から私は、いきなり養蜂家となったのです。もちろん、みつばちの飼育は全くの初めて。ただ、ネットから学んで、頭(知識)だけは・・・。さて、これからどうなることやら。採蜜も楽しみだが、最大の目的は果樹の受粉ポリネーターとしての働きを確立することなのです。 ミツバチの飼育に関して、その方法や状況は飼育する場所に強く依存すると思われる。私がミツバチを飼育している場所は北関東、栃木県南部に位置する下野市の平地で、温暖地と寒冷地の境界地域といえよう。真冬には氷点下になる日が続くのは日常で、最低気温がマイナス7〜8度に下がる日が何日も続くことがある。以下に、この地で西洋ミツバチを飼育するにあたり、私が経験した色々な問題とその対応を紹介し、記録として残したい。そして、ミツバチを飼育するにあたり、問題解決に参考にさせていただいたサイトの多くの先達(下記参照)に心から感謝を申し上げたい。さらにこの記録の中には、飼育初心者の私にとって未解決の疑問や問題も含まれている。このサイトをご覧になった方々のご意見やご教示を心からお待ちしています。 |
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ミツバチの飼育を始めるにあたり、繰り返し読んで参考にさせていただいたサイト
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<記録すべき事柄・事件> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
入手したミツバチについて | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
頂いたミツバチは巣脾枠3枚の小規模群で、7枚巣箱に入れた後、、ただひたすらに群を大きくすることに努めることにした。この群は、分蜂した古い女王蜂の群なのか、分封して残された新女王蜂の群なのかわからないとのこと。しかし分蜂してから時間が経っていることから、女王蜂は正常に産卵し続けていると思われる。頂いた巣箱に収まっている巣脾枠の左右に1枚づつ新しい巣礎枠を入れ、端に給餌器を入れた。普通、ミツバチの飼育には10枚枠の巣箱を用いるが、我が家では7枚用の巣箱を使用した。なぜ? ・・・ 単純な理由です ・・・ 10枚箱は、年寄りには重いから。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
飼育を開始して以来、残念ながら写真を撮って記録を残していなかったのだが、思い出しつつ初心者の奮闘記録を紹介しよう。私同様の初心者に参考にしていただければ幸いである。 また、私の体験する問題に、経験豊富な皆様から何かご助言やご指導がいただければ、これほど嬉しいことはありません。是非とも、よろしくお願いいたします。 写真は2015年春のもの。 |
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2014年6月30日 飼育開始 ・・・ その前に、ミツバチの移動 ミツバチ巣箱を近くの場所へ簡単に移動させる方法・経験について 1)7月中旬 羽化前の若い幼虫の死骸が門外に捨てられていた 飼育を開始してから10日ほど経った頃、門外に働きバチの死骸がかなり目立つようになり、羽化前の若い幼虫も捨てられるようになった。ネット検索で調べてみると、ダニ(ヘギイタダニ)による汚染進行の可能性が考えられたが、ルーペや実体顕微鏡で調べてもダニは一向に見いだせなかった。また、エサが欠乏しているとの情報もあったので、砂糖:水(1Kg:660ml)を給餌器に入れて与えてみたところ、幼虫が捨てられることはなくなった。やはり、エサが欠乏していたようだ。 2)内検 一般に推奨されているとおり週に一度の内検を行ったが、精神的に余裕がなくて、なかなか詳細に見ることができない。初期は卵を確認することもできなかったし、女王蜂だって発見することができなかった。刺されることもしばしば・・・、でも、あまり気にはなりません。 3)8月になって 継箱 ネットからの情報によると、、8月になると蜜が少なくなるとのこと。内検すると、ミツバチはどの巣枠についてもほぼ全域に増殖している。ミツバチは飼育を始めた当初から順調に増殖しているようで、機を見て適宜巣礎枠を増やしてきた。来年のため、是が非でも巣脾が欲しいことから、増殖を急いでいる。7枚巣脾枠がほぼ一杯になってきたので継箱を加えることにした。働き蜂でいっぱいになっている有蓋巣脾を2枚選んで上段(継箱)に移し、新しい巣礎枠で挟んだ。下段には蜜を貯めている(とても重い)巣脾の内側に新たに巣礎を1枚入れ、下段と上段(継箱)の間に隔王板は入れなかった。なぜなら、今年は蜜を取るつもりは全くないからだ。8月中に、蜜(上記の砂糖水)を2度、また、代用花粉(代用花粉:乾燥酵母50g+上白糖50g+熱湯20ml)を2度与えた。ハチミツの採取は行なっていないので、ハチミツは順調に殖えられているようだ。 4)農薬散布の情報 稲の農薬(ネオニコチノイド系)が散布されるという情報を有機農法の仲間から入手したが、対策のしようもなく、ただ観察するのみ。合計2回散布されたが、両者とも全く同じ現象を観察した。薬品が散布された日の翌朝、20匹程の働き蜂の死骸が巣箱の前にかたまって確認された。その日の前後、このような現象は一度も観察されたことはなく、この2日(翌朝)のみ観察された現象であった。農薬の散布とミツバチの死について、やはり強い関わりがあるように見えた。時には、ミツバチの死骸が山のように盛り上がることもあるという。我が家のミツバチとしては、その影響としては軽微なものであったと言えよう 5)晩秋の渇蜜期 晩秋になると渇蜜になることをネットで知り、また、冬越しのためには早めにエサ与える必要があるとのこと。10月の中旬からエサ(上記)を2回、代用花粉を1回与えた。引き続き、増殖は順調のようだ。下段は働き蜂に満ち、上段は両端の貯蜜巣脾以外の3枚の巣脾がいっぱいになっている。 6)オオスズメバチ対策 オオスズメバチによる攻撃時期が近づき、捕獲器を自作した。また、接着剤が塗布された仕掛けも購入し、観察しながらその時期を待った。また、捕虫網を手に頻繁に巣箱をチェックしていたところ、キイロスズメバチとコガタスズメバチはかなり頻繁に襲ってきたが、オオスズメバチは2度襲ってきただけであった。この2度は、オオスズメバチを網でとらえて事なきを得て大きな問題にはならず、せっかく作ったオオスズメバチトラップが活躍することはなかった。 7)冬越しの準備 (冬越しについての総括) 近くで西洋ミツバチを飼育されている経験者を見いだせなかったことから、どのようにして冬越したらよいのか、その情報を手に入れることができなかった。ご近所のいちご生産農家では、ミツバチは暖房されたハウスの中で5月まで活動を続けているので、冬越しの方法としては全く参考にならない。そこで、北関東の極寒対策として防寒用外箱の作成を決めた。ネットで調べると、長野県の極寒域で自作の外箱を作ることにより無事に冬越しをしているとのこと。この情報(渡辺式越冬箱の作り方)から、報告されている10枚巣箱のサイズを7枚箱用に変更し、その他はそっくり真似をして防寒箱を自作した。巣箱と外箱のスキ間は稲の籾殻と稲藁を詰めることにした。 2015年冬の防寒箱の組み立てについての実際は、2015年の報告として記録しているので参照されたい。 8)10月中旬 幼児ハチ(蛹)が頻繁に巣箱の外に放り出されるようになった 原因不明。内検しても、エサ(蜜)は十分に満たされているようだ。ヘギイタダニを探したが見あたらない。日本ミツバチで大きな問題になっているアカリンダニが繁殖しているのであろうか? いずれにせよダニ対策として、アピスタン(フルバリネート)で処理することにしたが、継箱をしている状態でアスピタン処理はできないことから、越冬対策として継箱を外して巣箱を一段にした時にアピスタンで処理することにした。 9)継箱を外して飼育域の縮小 ネット情報では、「冬が近づいて来ると働きバチが減るので、それに合わせて巣脾枠を減らしていくようにする」とある。しかし、いくら待ってもハチの減少は認められなかった。12月に入って、これ以上待てないことから強引に継箱を外す決意をした。なぜなら、防寒箱に入れるため、どうしても継箱を外す必要があるからだ。下段はハチで満ちているのだが、継箱を外し、継箱内の巣脾の働きバチをハケで下段にすべて落とした。巣箱に詰める枠数を増やすため、給餌器は外した。7枚全てがハチで満ちている。貯蜜用枠のハチは、他の枠に比べると少な目かな。蜜が溜まった巣脾枠3枚の保存となった。 10)アピスタンによる処理 8)に示したように、継箱を外した後、アピスタンを2枚加えた。処理後数日で、門の外にヘギイタダニの死骸がザクザクと出てきた。探しても見つからなかったヘギイタダニは、意外にも多く繁殖していたことが改めてわかった。アピスタン処理して本当に良かった。アピスタン処理後、幼児ハチの放置は完全になくなった。 |
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11)12月初旬 いよいよ冬越しが始まる。 心配で仕方がない。暖かくなるまで巣箱の中を覗くわけにいかないし・・・。外気温がどれほど下がった時に、どのような注意をする必要があるか・・・など、全くわからない。ハチの行動は極めて少なくなった。しかし、日差しの暖かい晴れた日には、働きバチは盛んに外出する。お腹を見ると、しっかりと蜜を集めてきているようだ。花粉も運んでくる。どこの何の花から集めてきているのだろう。ちなみに、庭のビワの花は満開の花ざかり。 |
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観察すると、ミツバチがビワの花を訪問している姿が頻繁に確認された。また、ビワの花粉の色が白っぽいことも確認した。目的達成! この春のビワの実りが楽しみだ。ビワの栽培からすると、大な実をならすために、ビワ果穂の先端を大きく切り取るように、すなわち、摘果することが指示されている。しかし、我が家のビワでは、花を咲かせ放題にした。もちろん、ミツバチへの蜜源対策である。摘果については、春になって実が大きくなり始めた頃に間引くことにした。 |
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(写真)ちょっとピンボケですが、ミツバチが花に頭を突っ込んでいます。花の交配が成立しないと、花の房がボタボタと落ちていくのですが、今年は落ちる花房が一つもありません。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
12)巣箱の出入り口が水浸し 冬ごもりを始めてしばらくした12月の初旬のあるとても寒い朝、巣箱の出入り口が水浸しになっていることに気がついた。なぜだろう? 巣箱の中で何が起こっているんだろう・・・? とても不安になり・・・色々と考えた。その後も度々起こる現象だ。 結論:正しいかどうかわからないが・・・、とても冷えた朝に起こる現象であると認識した。ネット情報では、寒くなるとミツバチは胸の筋肉を動かして発熱させるという。このとき発生した水蒸気による湿度上昇が原因となり、周りの気温低下で巣箱の側面(我家の巣箱では屋根部)が冷やされることにより巣箱の内面で結露し、その水滴が流れ出た可能性がある。事実、私の巣箱では底側面は十分に防寒されているが、霜が降りて天井面から特に冷えたことが予想される。天井面は塩ビの波板を用いており、その天井は激しく降霜していることが確認されている。そこで、波板天井の防霜に園芸用土袋を並べてみた。果たして、その後、水浸しになることは全くなくなった。 |
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13)1月になって、ミツバチの活動 ミツバチは、真冬でも意外に頻繁に外に飛び出す。暖かい日には、まるで時騒ぎのように数100匹の働きハチが巣箱前に集合する。壮観で、とても元気そうだ。一見してとても嬉しいことのように思われるが、ほんとうに喜ばしいことなのだろうか?全くわからない。エサ(蜜)は十分にあるのだろうか? 普通、箱を持ち上げ、その重さで判断するそうであるが、外箱で覆っているので持ち上げることができない。もう暫く我慢して待つことにしよう。 |
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14)巣箱の出入り口が再び水浸し 2月中旬に入って、ミツバチの動きが活発になってきた頃、巣箱の出入り口が再び水浸しになり始めた。原因は12)に類するものと考えられる。おそらく、巣箱の中はでさらに多くのミツバチの動きが活発になり、結露の量が圧倒的に多くなったと考えられる。これほど多くなればどうしようもなく、ただ見ているだけとなる。毎朝このような状態が続くようになり、出入り口付近には黒色のカビが生え始めたように見える。ミツバチの健康状態が心配だ。どうしたらいいのだろう? 西洋ミツバチを飼育されている方の中には、類似の経験はないのだろうか? |
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真冬のミツバチ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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