冬 物 語
 The stories in Winter
 
 一年草(その2) (本来は宿根草を含む) Annual flowers  太字:元来宿根草(夏の暑さで枯死)
 
13  百日草(ジニア) 14  チトニア トーチ 15 エキウム ワイルドプリティ 
16 マリーゴールド 17 メランポジウム 18  ムシトリナデシコ
19 ウスベニカノコソウ 20 21 セリンセ マヨール
22  リナリア  23  クレオメ 24  ディル 
        
13)百日草(ジニア)  4月下旬〜8月下旬    
大型のジニア(百日草)と、小型のジニア・プロフュージョンを、毎年採種し、播種している。蝶やミツバチが好み、また、開花期も初夏から霜が降りる初冬まで咲き続ける。秋は花が少ない時期なので、とても重宝する。大型ジニアの子苗はナメクジの攻撃を受けやすく、気を抜いていると全滅することがある。  
大型ジニアの小苗。かなりの苗がナメクジに食われている

ジニア・プロフュージョンの小苗
 
鉢上げした小苗
   
プラスチック鉢でしばらく育てられた苗は5月初旬に定植される。定植で気をつけることは、苗が霜にあたらないようにすることで、 特に5月初旬の遅霜に気をつけている。 種まきと子苗作りを温室内で作ることから、定植しても生育は早い。 5月の下旬には、写真上のように花を咲かせ始めた。梅雨前に花を咲かせてくれると、春から夏の花壇への切り替えにとても役立つ。
 
 我が家のジニア(百日草の仲間)は、ポンポン系のものではなく、写真右のような一重でも多重でもよいが、中央部に確実に本当の花を咲かせるものを選んで播種することにしている。なぜなら、この花にチョウやミツバチが訪れてくれるからだ。  
   6月も中旬になると、いよいよ夏の花が元気になってくる。春から夏花壇への切り替わりの時期で、楽しみでもありながらとても心配な時期でもある。評価してくれるのは、我々ヒトだけではなく、チョウやハチなどの小型の虫や小鳥などである。まずは出だしは順調なようだ。
 ジニア・プロヒュージョン
小型のヒャクニチソウともいえるのだが、花そのものもすばらしいだけではなく、蜜源としても極めて有効といえる花であろう。花は春から晩秋・降霜まで、枝は少々暴れるものの賑やかに咲き続け、ミツバチやチョウに蜜を提供し続ける。実にありがたい草花といえよう。かつてはかなり高価な花であったが、今では普通の鉢花として容易に手に入れることができる。花色もバラエティーに富み、庭を賑やかにしてくれる。晩秋に採種し、来春に播種する。
 
2016年9月17日 夏の猛暑を過ぎても元気なジニア
  
2016年11月12日一部はくたびれてきたが、まだまだ元気
  
2016年11月16日、晩秋のジニア プロフュージョン
残念ながら最盛期の花の写真を撮っていなかったが、最終期になるこの時期でもしっかりとした花を咲かせているのに驚く。花弁がかなり傷んでも、蜜を出す本当の花(写真上右端:赤矢印)は咲き続けていることが分かる。 花壇を美しく飾り続けたい場合には、このように衰退していく株は抜き取ってしまうのだろうが、この時期の不足していくミツバチやチョウの蜜減と考えると、簡単には処分することができない。
14)チトニア トーチ  6月下旬〜降霜   
チトニアは花が少ない真夏に、濃いオレンジ色の小型ヒマワリのような花を咲かせ、チョウやミツバチに好まれるバタフライガーデンには無くてはならない花の一つ。花茎はかなり太く成長し、枝分かれして次から次へと花を咲かせる。毎年、3月末〜4月に播種し、5月の遅霜が過ぎた頃に定植するが、こぼれ種で知らないうちにアチコチに苗が顔を出しているのに気が付く。従って、播種をやめてこぼれタネから出た苗を植え替えするのが楽かも知れない。株柄が大きくなるので定植する場所に工夫が必要だが、毎年、3株ほどを庭の中に植えている。また、チョウとミツバチの蜜源として、畑の端にも数株を植えている。
 
畑で大きく育ったチトニア。放置すると背丈は2mを越すようになる。ヒマワリに比べるとやや小さな花(直径は約10cm)だが、色鮮やかで、梅雨時から秋まで咲き続ける。バタフライガーデンにおいて、花が少ない夏には欠かせない花の一つ。 
 
 ナミアゲハが吸蜜に訪れるチトニア・トーチの花(2014年8月)
チトニア・トーチの開花期は長い。 梅雨ころから咲き始め、霜が降りて株が枯れるまで花を咲かせ続ける。放置すると、株丈は2mをはるかに超え、しっかりとした支えをしないと倒れて、その周りは大変なことになる。場所が限られている場合には、こまめに剪定して小さく保持するように心がけなくてはならない。写真右は我が家の畑の片隅で、ミツバチとチョウの蜜源として自由奔放に育ち続けて鮮やかな花を咲かせ続けている(2015年10月下旬)。  
  2015年12月中旬 

今年は暖冬といわれながらも、12月も中旬になると寒風は吹きすさみ、連日降霜がつづく。さすが丈夫なチトニアの花は降霜にあって急激に枯れていくが、霜に晒されるまでまるで雑草のようにしたたかに花を咲かせ続ける。チョウ好きにはとてもうれしい蜜源となる。成虫で冬越しをするタテハには無くてはならない花といえよう。
 
2016年11月12日、晩秋を迎えるも、元気なチトニア

2016年11月17日、厳しい霜にあっけなくダウン
15)エキウム ワイルドプリティ(ウィルドプレッティ)  
ミツバチがとても好むカナリア諸島原産のユニークな花で、播種や栽培がなかなか難しいとされている。国内で種子の入手が困難なことから海外から直輸入し、その栽培にチャレンジした。播種の詳細は特設ページ「種まきの実際」を参照。
多くの苗ができあがったが、一部を無加温ハウスに直植えし、残りはポットで栽培を続けることにした。ワイルドプリティ(写真下左)ろ交配種(写真下右) 
   
 
2016年10月5日
エキウムの苗は無事に大きく育っている。来年の春まで、もう一息。
16)マリーゴールド  
マリーゴールドといえば八重咲きの大きな花を咲かせるものが多いが、今までの経験から、チョウはほとんど吸蜜に訪れない。そこで、最近は蜜源として好ましいと思われる、一重で小型の花を多く咲かせるマリーゴールドを植えることにしている。典型的なものは、メキシカンマリーゴールドと呼ばれるもので、小型の花を梅雨時から秋まで咲かせ続ける。
 
一重で小型の花を咲かせるアフリカンマリーゴールド
 
メキシカンマリーゴールド
2016年11月12日
既に厳しい霜が降り、晩秋もますます深まっている。しかし、マリーゴールドはいたって元気、花を咲かせ続けている。さすが、チョウはほとんど見かけられなくなったが、忙しく働き続るミツバチにはとても重要な蜜源となっているようだ。



 
17)メランポジウム    
ミツバチの蜜源として種から育てた。さほど派手な花ではないが、花は真夏に咲き続けてミツバチの蜜源として活躍するという。しかし、語られほど頻繁にミツバチが訪問しているようには見えない。まずは、花が少ない真夏に、新鮮な花を咲かせてくれることだけでも良いとしよう。 2016年10月5日
ミツバチの蜜源として播種し植えつけた株だが、予想以上に花期が長いのに驚く。株はドンドンと大きくなり、全体にむらなく花を満たしてくれるありがたい花だ。花は少し地味な印象だが、それに余りある価値が認められる。
2017年4月14日、こぼれ種からの発芽
2016年秋に収穫した種を播種したが、発芽率が極めて低く不安になっていたところ、昨年栽培していた場所からおびただしい数の発芽が確認され、ひと安心。本葉が2〜3枚になったら鉢上げして、予定の場所に定植することにしよう。
 18)ムシトリナデシコ   
ミツバチやチョウの蜜源として手に入れたかったムシトリナデシコ。今年の春に近くの荒地で偶然に見つけた。        花が終わり、種子が熟した6月の下旬に採種し冷蔵庫で保存、9月の下旬に播種した。来春には、庭でムシトリスミレの鮮やかな色彩の花を見ることができるだろう。 
 
2016年10月23日 播種によるムシトリナデシコの苗

2016年10月29日 庭に直植えされた苗
2017年5月、
5月になって蕾は膨らみ始め、中旬には花を咲かせ始めた。鮮やかで美しい濃い桃色の花はミツバチやチョウの蜜源となる。畑の畦や墓場などでよく見かけることから、雑草として扱われ軽視されがちな草花であるが、美しいうえに蜜源としてとても重要であることを認識して欲しい。


 
19)ウスベニカノコソウ     
蜜源として種子を入手し、2016年10月に播種した。発芽は容易なようで、たくさんの苗が出来あがった。来春、蜜源として効果があるかどうかを確認してからその後栽培を続けるかどうかを決めよう。  
 
鉢上げした小苗

2016年11月4日、寒くなってきたので、あわてて直植えした
2017年4月21日、  開花し始めたウスベニカノコソウ。小型の花を密集して咲かせることから、いかにもチョウや蜜蜂が好みそう。花が終わったら採取して、来年も作ることにしようかな?
 
薄紅色の花が可憐
 
薄紅色の花の中に、白花が混じっていた
20)
 
 
21)セリンセ マヨール  
蜜源として種子を入手し、2016年10月に播種した。発芽は容易なようで、たくさんの苗が出来あがった。来春、蜜源として効果があるかどうかを確認してからその後栽培を続けるかどうかを決めよう。 夏期が長いというので、夏の蜜減として期待している。
年末に無加温ハウス内に直植え(写真右)。もちろん、屋外にも直植えした。
蜜源として期待していたが、ミツバチの訪問を受けるものの、さほど好みの花ではないようだ。採種する予定ではあるが、来年は控えめに準備することにしよう。
 

3月10日、大きく育ったセリンセ
 
3月24日、ハウス内では既に開花
22)リナリア    
蜜蜂の蜜源として種子を入手し、秋に播種、12月にハウス内に直植えした。ハウス内は無加温といえども草花の生育はとても早く、4月になると早々に花をつけ始める。なかでもリナリアはセリンセとともにその先頭を走る草花で、多くのいろいろな色の花を咲かせたが、まだハウスのビニールをはがせないことからミツバチには早すぎたようだ。既に満開状態の一年草リナリア(写真右:2017年4月3日)
 
23)クレオメ・カラーファウンテン    
2017年3月末、クレオメの播種
アゲハチョウの仲間にはとても良い蜜源となる。かなり広い場所を必要とするので栽培を控えていたが、花の少ない夏の蜜源として栽培することにした。播種と発芽は容易で、鉢上げする苗の数は相当なものになりそう。余剰の苗は、回りに声を掛けて引き取ってもらうことにしよう。

4月17日、セルから鉢上げ

4月30日、鉢で安定した後に定植

2017年6月22日 咲き始めたクレオメ
 
24)ディル  
フェンネルとよく似た株姿と花を咲かせる。フェンネルは宿根草であるが、ディルは一年草。ミツバチとチョウの蜜源として種子を入手した。宿根草としてかなり大きくなるとのことで、畑に植えることにした。ハーブとしての利用も、かなり広範囲とのことなので、楽しみ。  
 
 
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1 ラッセルルピナス デルフィニウム スカビオサ
4 ジギタリス 5 カンパニュラ メジウム ビオラ・パンジー
7 ヒマワリ ビンセント 8 カルフォルニアポピー 9 ジャーマンカモミール
10  クリサンセマム ノースポール 11 ディモルフォセカ 12 タナセタム ジャックスポット
一年草(その2) 
13   百日草 14   チトニア トーチ 15 エキウム ワイルドプリティ 
16  マリーゴールド  17 メランポジウム 18  ムシトリナデシコ
 19 ウスベニカノコソウ 20 メキシカンハット 21 セリンセ マヨール 
 22 リナリア(一年草)  23  クレオメ  24 ディル 
一年草(その3)へつづく
25 ポリジ 26 アスクレピア(トウワタス) 27 アイ(藍)
28 モンツキヒナゲシ 29 ホワイトレースフラワー 30 クミン(ブラックシード)
31 ヤハズソウ(雑草) 32 オルレヤ(オルラヤ) 33 ニゲラ
34 サクラソウ(マラコイデス) 35 ギリア 36 ワスレナグサ
一年草(その4)へつづく
37  アナガリス 38  ゴウダソウ(ルナリア)   39 シノグロッサム 
40  シレネ   41 ハナツリフネソウ 

太字:元来宿根草(夏の暑さor冬の寒さで枯死)
主な宿根草(クリック:NO1〜NO9)    (クリック:NO10〜NO18)           
           (クリック:NO19〜30)  (クリック:NO31〜45)
          (クリック:NO46〜54)   (クリック:NO55〜63)  (クリック:NO64〜 )へつづく
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