パフィオペディルムに関するRHS 情報

RHSでは、蘭の分類についての現状の基づき、常時、変更や改正を行っています。しかし、一般の我々には、何時どのような変更や改正がなされたかを知るのはとても難しいことです。この度、RHSの登録事務局のご協力により、このような事項をいち早く皆さんにお知らせできるようになりました。ただし、パフィオペディルムについてだけですので、ご了承ください。RHSへの交配種名を登録されようとするとき、参考にしていただければ幸甚です。

(5) 下記の(3)で紹介しているPaph. viniferum の独立した種としての扱いが変更され、P. Cribb が支持するPaph. callosum var. viniferum として扱われることになった。すなわち、今後 Paph. viniferum は交配親として登録ができない。Paph. viniferum の原 種名はPaph. callosumとされる。RHSでは、2003年8月5日Paph. Azores Eagle ( Paph. viniferum × Paph. callosum ) を受け付けているが、Azores Eagle はこれらの交配によるグループの名前として記録に残しておかれることになった。 041201
(4) Paph. jackii
Paph. jackii は、Paph. malipoense の変種 Paph. malipoense var. jackii とされているが、RHSでは Paph. jackii という独立種として、交配種の登録に用いられる原種として受け付けることになった。既に、Paph. Wossner Armenijack ( armeniacum x jackii )やPaph. Wossner Pinkjack ( delenatii x jackii ) 等が登録されている。 
040130
(3) Paph. viniferum
Paph. callosumのビニカラーとして知られていた一部を、クーポウィッツ氏がPaph. callosum から分離し、Paph. viniferumと記載した。このたび、この Paph. viniferum が登録に受け付けられるようになった。
(2)

Paph. ang-thong ( Greyi ) → Paph. godefroyae var. ang-thong
Paph. ang-thong を交配に用いた交配を登録する時、Paph. ang-thong は Paph. Greyi として扱われていたが、現在(2002年春から)これを停止し、 Paph. ang-thong Paph. godefroyae の変種、すなわち、Paph. godefroyae var. ang-thong として扱うことになった。

Orchid Review Supplement Vol. 110 ( 1246 ) : 48( July, 2002 )
Paphiopedilum x ang-thong Fowlie と Paph. Greyi について
アントン島から採集されて命名されたPaphi. x ang-thong については、Paph.godefroyae の変種だとか、Paph. godefroyae x Paph. niveum の自然交雑種だとか、その種名と分類についていろいろと長く議論され続けてきた。不幸にもRHSの蘭の交配登録では, それが例え自然交雑種であろうが、人工的なものではなくて自然に存在していたものを、Paph. Grayiという人工的な交配種として扱っていたことは不適切であった。 何らかの解決策が見いだされるまで、RHSの登録ではPaph. x ang-thong Paph. Grayi として扱うよりPaph. godefroyae 'Ang-thong' として扱う方が好ましいと考えるに至った。これは、明らかに分類学的な命名でもなければ、生物学的に見て全く同じものであるということを提示している訳ではない。 Paph. Grayi を交配親として登録したものの中でも、探してみると以下の交配についてはPaph. godefroyae 'Ang-thong' を用いた交配であることが解っているので、ここに示しておく。

' Ang-thong' を父親(花粉)とした交配.  ' Ang-thong' as 母親とした交配
B
eau Geste (1986)           Aiea Heights (l996)
Caddiana Song (2002)          Birth of Saya (2001)
Green Tea Crearn (l 999)        Hiro Magic (2002)
Mike Roccaforte (l 979)         New Pioneer (l 998)
Mount Tsukuba (1985)          Nino (1978)
Nimit (1995)              Snow White's Favorite (l994)
9b.pJhausien'S Angel (i f1'99)      Toot's Gift (1996)
Pink Powder Puff (l998)
Ruby Charles (l980)
Sally Berndt (1979)

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(1) その他、以前のニュース
Paph. conco-bellatulum → Paph. wenshanense
中国産の Paph. conco-bellatulum (日本では Paph. Conco-bellatulum ) が 中国から記載された Paph. wenshanense として採用された。

Paph. stonei var. latifolium → Paph. platyphyllum
Paph. stonei var. latifolium が遊川氏により Paph. platyphyllum として記載されたことから、Paph. platyphyllum がRHSの登録に採用された。

Orchid Review Supplement Vol. 110 ( 1248 ) : 112( Nov. 2002 )
次に示すようにQuene of Orchids Limitedの Robert-Jan W. 氏によって始まったPaph. platyphyllum とPaph. stonei var. latifolium についての情報が評価され、キュー植物園のPhillip Cribb博士は Paph. platyphyllum を登録に受け付けることに同意した。そこで、Orch. Rev. Suppl. 110: 64 (July 2002)に発表した内容を破棄する。
Paph. platyphyllum についてのロバートの記事はOrchid Digesに正式に記述されたものであり、 Paph. platyphyllum はマレーシアのサラワク州で、特に他から離れた山であるBukit Kanaにのみ小さなコロニーとして分布していることが知られている。一方、全てのPaph. stonei は全く異なった離れた地域から採集されている。 これら二つの種の間で形態学的な違いや生殖に関する相違点は、二つの種における地理的な分離によって引きおこされたと考えられることから、両者を分離して異なった種名をつける価値があるものとして認められる。従って、以前 この種がPaph. stonei という種名で登録された件(明らかにPaph. stonei var. latifoliumを用いたことが解るもの)について、交配親をPaph. platyphyllum として改められた。以下に、変更した交配種の一覧を紹介すると共に、登録担当者として関係者にご迷惑と混乱を起こさせたことについてお詫びする。今後、さらに登録の変更や混乱を避けるため、 下記に示した交配名だけが変更の対象となったものであることに注意していただきたい。そして、下記に示した交配名及び登録年より以前に、たとえPaph. platyphyllum の交配として申請し非認可された同じ交配があったとしても、その交配名を採用することはできない。 

Paph. Hsingying Pariplaty (2001)
Paph. Lawless Platyvoo (2001)
Paph. Oso Stone (1993)
Paph. Taieri Pride (2001)
Paph. Yellow Tiger (1984) 


 上記の交配については、今やPaph. stonei の交配ではなく、Paph. platyphyllumの交配として記録が改められています。例えば、Paph. Yellow Tigerは( Paph. stonei x Paph. glanduriferum )と記録されていたが、( Paph. platyphyllum x Paph. glanduriferum )と改められた。従って、現在( Paph. stonei x Paph. glanduriferum )は未登録のママである。関係者は早急に登録することをお勧めします(田中)。

Paph. parishii var. daianthum → Paph. daianthum
Paph. daianthum Paph. parishii の変種とされていたが、RHSでは1999年の7月から Paph. daianthum を独立した原種として登録に採用。
Paph. chamberainianum → Paph. victoria-regina
Cribb 氏の提言により、1998年からPaph. chamberlainiaumPaph.
victoria-regina
のシノニム(同種異名)となった。すなわち、Paph. chamberlainiaum という種名は、公式には使われなくなり、Paph. chamberlainiaum を用いた交配は、 Paph. victoria-regina として記録されることになった。
Paph. wentworthianum
1986年から、Paph. wentworthianum Paph. violascens から分離して、新たに原種名として採用した。
Paph. curtisii → Paph. superbiens var. curtisii
Paph. curtisiiPaph. superbiens の変種として扱われることになった。すなわち、Paph. curtisii Paph. superbiens var. curtisii となる。以前まで、Paph. curtisii の交配として登録されてきた交配名は、そのまま残される。

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