(1)遠赤外線を直接利用する方法。 |
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遠赤外線を洋ランに直接照射して、その効果を見る。遠赤外線照射機というの
は、ニクロム線による熱でセラミックスの温度を上げ、効率よく遠赤外線を放射 するように工夫されたものである。遠赤外線照射機は様々な製品として市販され
ているが、優劣の差が激しいので入手するには注意を必要とする。信頼できる照 射機のなかにパワー技研の製品があったが、この製品はストーブ型なので温室内に
固定するにはやや問題があると思われる。しかし先に述べたように、この装置の製造販売は既に中止されている。研究委員会ではサプライコントロール社に依頼し、細長い蛍光灯型の吊り下げタイプのもの(300W:3台,500W:2台)を試作した。秋の声を聞き始める頃にスイッチをいれ、サーモスタットと併用して20度以下になると作動する(使用例)ようにしておく。 |
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ストーブ型農業用遠赤外線照射器 |
蛍光灯型試作品 |
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上図のように、温室の適切な場所から遠赤外線を照射するようにする。 |
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実験温室で、暖房機が故障していたのに気付かないままひと冬を経過した。記録によると、12月から3月まで最低温度が5度で経過していた。しかし、写真のようにパフィオペディルムは元気な状態を示していた。遠赤外線の効果と思われる。遠赤外線が植物体の水分のエネルギーレベルを上げることにより、植物体は実質的な寒さを感じなかったと推察される。 |
結 果 |
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長 所 |
(1)秋が深まるにつれて洋ランの生育はゆるやかに停止していくと考えられるが、 照射機を用いると生育(特に根の成長)が進行し続けることがよくみられる。す
なわち、根冠が緑色の状態に保持されている。特に、カトレアやバンダのような 根が露出しているような洋ランについては、その結果が顕著に見られる。 |
(2)真冬でも新葉がでたり、伸びたりしているものがある。 |
(3)病気が少ないようだ。 |
(4)開花率がよい。時には、未成熟の個体にも花が着くようなことがある。
(短所と 言えるかも知れない) |
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短 所 |
(1)乾燥が激しい。 |
(2)照射機近くの洋ランが火傷になることがある。温度がさほど高くなくても、長 時間連続して照射されるため、電熱線の熱で火傷(低温火傷)が引き起こされる
恐れがある。水蒸気が充満していない限り遠赤外線は遠距離まで直進すると考え られるので、2メートル程の距離をとっておくようにすることが必要であろう。 |
(3)ダニ、カイガラムシなどが増えたようだ。 コメント:遠赤外線の生体への直接照射はかなり効果があるとおもわれる。これ
は洋ランばかりでなく、山野草などの一般植物の栽培にも広く利用できると思われる。 |
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