同じコンポストで何年も栽培していますと、鉢の中の環境が悪くなり根腐れを起こします。コンポスト(例えばミズゴケ)の自然劣化ばかりでなく、根の伸び過ぎで水通しが悪くなり、根から出される排出物が蓄積することが原因となります。このような場合には、株を新しいコンポストに植え替えてやります。植え替えの時期は株の生長が始まったころ、すなわち5月頃(花が終わった直後)にしてください。花芽を持っている夏咲きの品種や、花茎を伸ばしている夏咲きの品種の植え替えはしてはいけません。すなわち、花芽が動いているような株はそのままにしておきます。あくまで生育を始める、あるいは成長しつつある株の植え替えを行います。株が衰弱する真夏は避けた方がよいでしょう。秋も植え替えに適切な時期だとされていますが、休眠期を迎えるこの時期の植え替えは初心者には危険です。しかし、順調に生育している夏咲きの品種などは、どうしてもこの時期に植え替えをしなければならないことがあります。休眠している冬も避けた方が賢明です。株を鉢から抜き出し、古いコンポストと枯れたり腐っている根をきれいに除去します。水洗いして塵を取り除いた後、新しいコンポストで植え直します。この時、根を痛めないように注意して下さい。パフィオの根は他の洋ランに比べると数は少なく、非常におれたりちぎれたりしやすいのです。取り扱いには細心の注意を払ってください。株がよく育ち、鉢からはみだしそうになっている時には、鉢は一回り大きいものを用います。さもなくば同じ大きさの鉢を用い、また、作落ちしたような場合には一回り小さな鉢に植え替えましょう。 |