パフィオがかかる病気の中で、最も目だったものには腐敗病があげられます。これは洋ランに広くみられる病気で、なかなか厄介なものです。葉の根元から腐り始めることが多いですが、時には葉の中央部から発症する場合があります。感染すると、はじめは局所を水に浸したような円形、あるいは不定形の水が流れたような跡状に病徴は現れ、次第に拡大し短期間で株全体を腐らせてしまいます。基本的に株の中心部に向かっていくものが多く、中心部に達したらその株は決して回復することがありません。バクテリア(細菌類)あるいはカビの感染によるもので、一度かかるとなかなか完治し難く、たとえしたとしても再発しやすいものです。特に、春と秋の成長期によくみられます。感染したら、患部を切り取るか葉全体を患部を残さないように取り去り、切口にペースト状に水に溶いたベンレートかマンネブ・ダイセン等を塗って消毒します。治療中の株は水やりを避け、乾き気味に保って下さい。一般に、軟腐病にかからないようにするために、成長期(春・秋)にマンネブダイセン剤やベンレートなどの消毒薬を噴霧し、予防するのが最良です。
害虫としては、コナカイガラムシ、カイガラムシ、ダニなどがあげられます。これらは知らないうちに株の中心部で増殖して局部に傷を付け、他の病原体の感染を受けやすくすることが考えられます。害虫を完全に駆除すると、病気の90%以上は予防されるといっても過言ではありません。これらの害虫が株で目につくようになったときには、かなりの虫が我々の目に届かないところで増殖していると思われます。一匹でも見つけたら、徹底的に駆除してください。殺虫剤・あるいは予防剤には、スミチオン、ケルセン、マラソン、スプラサイド等を用います。 |