2)小苗をコミュニティーポットに植える

 小苗を植える植え込み材料には水苔かミックスコンポストを用いると良い。スギ皮は、小苗に適切な水分を保持させることが難しいので、初心者には勧めない。水苔は苗を1本づつ植えるのにはよいが、根がもつれて1本づつに分けられない時には不適切で、さらに、上手に美しく植えるには熟練を要する。筆者はもっぱらミックスコンポスト(表参照)を用いており、簡単で、短時間に多数の苗を処理するのには極めて便利である。

(A)ミックスコンポストを用いるとき

ミックスコンポストの組成表

(A)成熟した大株を植え込むに用いる配合(一般)
(B)私が使用していた成熟株を植え込むに用いる配合。焼赤玉土の利用。
(C)私が推薦するセラミックスを多用した理想的な配合。(現在使用中)
注:セラミックスについての記事はAJOSのホームページにあります。また、セラミックスとセラトンの入手ついての情報はサプライ・コントロール社のホームページをご覧下さい。

(1)鉢の底に網を敷き、その上に、鉢の半分くらいまで、大粒の石(筆者はセラトンを用いている)を入れる。

(2)苗の根の長さにあわせて、根の最下部になる位置までミックスコンポストを入れる。

(3)苗を1本づつ、ていねいに、鉢の周りに並べる。まとまった苗の場合には、鉢の中央におく。一方向に長く伸びた根は、中央に向かうように並べるとよい。

(4)鉢の中央(並べた苗の中央部)に、ミックスコンポストを流し込む。

(5)それぞれの苗を起こすようにして、苗と鉢の間にミックスコンポストを流し込む。

(6)まとまった苗の場合には、周りにミックスコンポストを流し込むようにして詰める。それぞれの苗の根の隙間に、ミックスコンポストを流し込む。狭くて困難な場合には、紙をロート状に丸め、ミックスコンポストを入れて、苗の下部に突っ込んだロートからコンポストを流し込むようにすると良い。

(7)鉢の側面を軽く叩くとか、鉢を手のひらに軽く落とすようにして、コンポストを落ちつかせる。

(8)鉢のコンポストの高さまで水を底から浸すようにして、コンポストに水を含ませる。

(9)約1ケ月、やや強めに遮光(70%くらい)された場所におき、注意深く観察しながら栽培する。決して乾かさないようにするが、水が多すぎないようにも注意する。水が多すぎると新しい根の生育が抑えられ、コンポストにあった発根が遅れる。肥料はやらない。温度はやや高め(18〜20度)がよい。

(B)水苔を用いるときにつづく