パフィオペディルムの新品種(その9)

No.13

  Paph. vietnamense
(ベトナメンセ)

またまたベトナムから新種が発見され、オラフ・グルース氏(Mr. Olaf Gruss)とホルガー・ペルナー博士 (Dr. Holger Perner) により、Die Orchidee(ドイツの雑誌)で紹介されたことが、 1999年、1月13日に届きました。株は私が以前コンカラーの変種として紹介した大型の斑入り葉をもつものだったようです。花はご覧のとおりデレナティーにそっくりですね。大きく異なるところはスタミノードです。最後に紹介していますが,それから2日前(1月11日)にホンコンから写真(最後の写真2枚)が送られてきたことには興味深い物があります。ちなみに、中央の写真3枚はハノイから送られてきたものです。

Paph. vietnamense

Paph. vietnamense の
スタミノード


花芽は白い微毛がびっしりと生えている。花茎は極めてゆっくりと伸長するという。

Paph. vietnamense の株(私はコンカラー・spと誤解していた)。


花のNSはおよそ11cmくらいあり、白い眉毛が密に生えたステムは15 ~ 20 cmくらいあるそうです。花の色彩は、濃さなどについて個体変異が多そうですね。下の写真はPaph. sp の株。これは以前に紹介したものですが、私はコンカラーの変種の1つだろうと思っていました。まさか、パービセパルムの花が咲くとは思いませんでした。ご覧のように、株はどちらかといえばブラキペタラムの形態です。


実はこの品種の報告には壮絶な戦陣争いがあったのです。もう一つのグループ(フランス)はミラビル( Paph. P. mirabile Cavestro & Chiron ) として報告しましたが、オラフグルース氏らの報告にわずかに遅れをとることになり、その種名ミラビルはシノニム(同種異名)になってしまいました。右に紹介する写真はカベストロ氏から送られてきた掲載されたオリジナルの写真です。この争いはまだまだ続きます。その後報告されたパーナタナムはでは、逆に カベストロ氏のグループがオラフグルース氏らの報告をわずか2週間程先んじることになります(詳しくはパーナタナムを見て下さい)。

パフィオペディルムの新品種(その10)へつづく

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