パフィオペディルムの
腰水を利用した栽培について

情報提供者:小林 重信
住所   :千葉県東葛飾郡沼南町大津ヶ丘1丁目26−9
eメール  :sp-j.ocd@guitar.ocn.ne.jp

1 目的
  今夏、素焼き鉢の「気化熱」による鉢の温度変化が大きいと聞きこの温度差を有効活用してみようと腰水もどき栽培に挑戦し、夏季における評価をまとめてみました。

2 材料
(1) 写真のように、プラ鉢に植えられた株をそのまま「素焼き鉢」に入れる。
(2) 素焼き鉢とプラ鉢のサイズと組み合わせは、同サイズの物の組み合わせが最適と思われます。プラ鉢と素焼き鉢の底の隙間は、3号鉢の組み合わせで約3〜4Bでした。
(3) トレイは、ホームセンターで2~300円程度の物です。
(4) 水の深さは、1B位で様子を見ました。

1. 素焼き鉢   2. プラ鉢   3. 設定状態    4.受け皿

3 方法
(1)  7.20 トレイに8種類の株と素焼き鉢を設定し、約1Bの水をはった。一昼夜で鉢が水を吸ってトレイはからからになり、水を補充しました。
(2)  その後、水が完全になくなったら、補充してきました。

4 結 果
(1) 葉面との温度等を比較した結果、次のとおりでした。なお、データが少ないのは、記録しておいた分だけです。

葉面温度

素焼き鉢温度

プラ鉢温度

温室内湿度

備 考

36℃

30℃

32℃

55%

8月

30

26

27

70

9月初旬

20

20

20

90

9月下旬

27

24

24

65

9月下旬


(2)8月初旬花が開き始めたため花の色を見ようと素焼き鉢から外したところ、下部に「根っこ」が出てきていた。そのとき、同じサイズで通常と素焼き鉢に分けて栽培していたGloria Naugleを
比較したところ写真のように葉っぱの大きさに相違がでました。

1. 腰水栽培     2. 普通栽培
腰水を始める前の株の大きさは、普通栽培品の方が大きいくらいで、葉の枚数は同じです。

(3) 8月初旬「根」が出ていたのは2株でしたが、その後、他の4株にも鉢の外に根が出てきていた。

1. 新しい根(曲がって成長)     2. 先端が止まった根

NO.2 へつづく
     

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