3)ミックスコンポスト

このコンポストはほとんどの品種の栽培に適していると言えるが、どうしてもこのコンポストでないと栽培が困難であるというような品種や、このコンポストより他のコンポストに変えた方が明らかに生育が好ましい品種などがある。厳密には品種により栽培のコンポストを変えるのが最善の方法であろう。しかし、水やりの加減に慣れない初心者にはミックスコンポストの使用は最も安全な方法の一つといえる。
 ミックスコンポストは、基本的に3つの成分からなる。(a)水分保持力の低い(水をはじく)成分、(b)水分保持力の強い(水を吸収する)成分、(c)腐敗物などの環境を悪化させる物質を吸収する成分、である。(a)には主に石材を用い、主に、軽石、日向石、焼赤玉土、セラトン(セラミックス含有)などがこれにあたる。軽石には、生育の妨げとなる金属成分が含まれていることがあるといわれているので、後者のものを用いることを勧める。(b)には木質剤が用いられる。バークやヤシ殻チップなどが手には入りやすいが、パーライトやビーナスライトなどの人工的な素材でも代用できる。(c)にはチャコール(活性炭)、炭、ゼオライト、良質のセラミックス等を用いるとよい。各成分は用途に応じて色々なサイズに分けて市販されている。親株の場合には大から中サイズ、中株の場合には中から小サイズ、苗の場合には小サイズなどと、各成分の大きさは株の状況により選択するとよい。共通して、鉢の下部には比較的大きめのサイズのものを、上部には比較的小さめのサイズのものを用いる。また、水やりの頻度にも、コノサイズは大きく影響する。例えば、どうしても水やりを多くしてしまう人には、(b)の成分を少なめにし、(a)(b)の成分のサイズを大きめのものを用いる。小さめの成分でコンポストを作ると、想像以上に水が停滞するので十分に注意することが必要である。

(A)成熟した大株を植え込むに用いる配合(一般)
(B)私が使用していた成熟株を植え込むに用いる配合。焼赤玉土の利用。
(C)私が推薦するセラミックスを多用した理想的な配合。(現在使用中)
注:セラミックスについての記事はAJOSのホームページにあります。また、セラミックスの入手ついての情報はサプライ・コントロール社のホームページをご覧下さい。

植え替えた株は遮光を多めにした風通しのよいところにおき、水は控えめ(いつもやや湿っている程度)にして、1ケ月ほど注意しながら大切に栽培する。肥料は与えない。

(3)栽培につづく(ここをクリック)

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