2002.11.14
我々の知っているPaph.conco-bellatulumの正式な記載名として
Paph. wenshanense
が採用されました。
少し古い記載になりますが、皆様に紹介する機会を逸しておりました種を、ここに改めて紹介します。というのも、最近、この種名が世界で再び話題にのぼるようになり、重要な記載として再確認されたからです。Paph. wenshanenseは、我々がよく知っているPaph. conco-bellatulum のことです。Paph. conco-bellatulum という種名は慣用的に用いられておりましたし、RHSへの新交配種登録にも用いられてきましたが、正式には未記載の原種と思われていました。そこで、精査したところ、私も含めて、世界でほとんど無視されていた中国からの記載が浮かび上がり、確認された訳です。皆さんの周りでも、そう遠くないうちにPaph. conco-bellatulumから Paph. wenshanenseに変わることが予想されます。記載は、2000年、中国の雲南植物研究(Acta Botanica Yunnanica)の22巻、4号、390-394で、Liu 氏らによるものです。 |
|
Paph. conco-bellatulum 改め
Paph.wenshanense
(Dr.田中氏HPより掲載)2002.11.03
パフィオペディルムの新品種(No39)で紹介した Paph. wenshanense がRHSで公式に使用できるようになりました。ここで言う Paph. wenshanense は、我々がよく知っている Paph. conco-bellatulum のことです。ここでは、Paph. Conco-bellatulum ではなく、あえて Paph. conco-bellatulum (小文字)を用いています。中国原産の原種、いわゆる Paph. conco-bellatulum という種名について、以前から、ヨーロッパの分類に関わる仲間と議論をしていたのです。このままだと、Paph.x ang-thomng と同じ運命をたどることを懸念し、新たな記載が必要であるという結論に達していました。そこで精査したところ、私も含めて、世界でほとんど無視されていた中国からの記載が浮かび上がり、確認された訳です。 いままで、この原種は、皆さんご存じの通り Paph. Conco-bellatulum という種名で扱われていました。しかし
Paph. Conco-bellatulum は、交配種( Paph. concolor x
bellatulum )であり、原種としての記載はありません。そこで、 実は、10月中旬に、RHS」が Paph.wenshanense という原種名を受け入れる状況が整ったとの連絡がありました。また、Paph.wenshanense を用いた交配登録については開始時期を定めず、登録書類が来たときに受け入れを開始するとのことだったのです。そこで、彼等から「登録の最初は私にやれ・・・!」とも言われ、この度、Paph. wenshanense を用いた最初の登録を行いました。そして先日(11月1日)、登録が完了したRHSからの返信を受け取りました。新規登録は以下の通りです。 Paph. wenshanense x delenatii =
Amagiri |
日本パフィオぺディルム研究会では上記の理由によりPaph. conco-bellatulumをPaph.wenshanenseとして記載をいたします。 |