力トレヤワルケリアナの栽培方法

Cultivation of Cattleya walkeriana for beginners

・佐藤悦朗 Etsuro Sato


カトレヤ ワルケリアナ(Cattleya walkeriana)は、栽培が難しいとされている方が多いようですが、コツを掴めば丈夫で長 持ちする作り易い種類です。 ワルケリアナは株がコンパクトで、都会の趣味家 にとっては、とても有り難いことです。また株に比較して大きな花を付けてくれ ます。バラエティも豊富で、tipo, alba, semi-alba, coerulea等々 多くの変化があります。花期は主に秋から冬にかけて咲きますが、11月 から1月に集中します。銘品と言われる有名個体は流石に高価ですが、最近はシ ブリングクロス等実生苗やメリクロン株が多数出回り、入手し易くなっています 。是非挑戦し てみてください。

1.栽培について
栽培方法は環境・管理の仕方によって当然変わりますが、私の経験から一般的 と思われる方法を紹介します。
・日照:ワルケリアナは特に日照を好み、カトレヤの交配種より多め(遮光40 〜50%)で、年間を通して、特に冬場の日照を確保することが大事で、日照が不足 すると花立ちが悪くなります。
・温度:原産地では年間通して最高温度が30℃以上で、夏場は40℃近くまで上 がるようです。最低温度は冬場で5℃前後、夏場で20℃前後程度です。 つまり各 季節の最高と最低の温度差が20℃以上ということです。極力温度差が出る様に工 夫する必要があります。冬場の温室の最低温度は12〜13℃ですから、最高温度力30 ℃あっても良いということになります。少なくとも雨や曇りの日は、昼間に加 温して夜間との温度差を取る様に心掛けてください。 ・通風:自然界では常に 空気が動いている様に温室の中でも空気が動く事が大事です。特別強い風は不要 で、ゆったりと動く風で充分です。
・水やり:素焼鉢に水苔が一般的な栽培方法ですが、コルク付けの方が本来の 環境に近いせいか、根腐れもなくバルブも水苔植えより一回り大きくなります。 水やりは年間通じて夕方以降に行います。水やり後に早く乾く事が大事で、水苔 植えは固めに植える事がポイントです。コルク付けの場合も同じ時間帯に、根が 水を吸って緑色に変わるまでやることが大切です。
・湿度:湿度管理は、特に株の活動時刻の夜間の湿度が、高くなる様に(60% 以上)注意して管理してください。
・施肥:他のカトレヤと同じです。成長期には固形肥料と液肥を与えます。

2.購入時の注康とアドバイス
・株は3号鉢以上のものが無難です。新芽が動いているものを選んでください 。
・実生株は出来れば3株は購入して、個体による 花の変化を楽しみたいもので す。葉の形やバルブの形などで、株が選べる様になれば、楽しみが倍増します。
・有名個体でも株の状態で、花の形が変化します。しっかり作り込んで元気な 花を咲かせましょう。

以上は、私の経験に基づき、独断と偏見で述べさせて頂きました。少しでも参 考にして頂いて、ワルケリアナのファンが増えれば幸いです。


Return to Cultivation Page