洋ランの栽培におけるセラミックスを用いた
遠赤外線の利用

実際に利用するにあたり、解説を再び

ではまず、その原理について簡単に述べておこう。太陽の光は、赤色から紫ま での可視光を含む様々な波長の光線を含んでいる。すなわち光線の違いはそれぞ れの光線の波長の違いなのである。一方、水は光のエネルギーを吸収することが 知られている。また、水の吸収する光の波長特性を調べると、いわゆる遠赤外線 と呼ばれる赤外線のなかでも比較的波長の長い(数ミクロン以上)光線であるこ とが知られている。すなわち、水は遠赤外線のエネルギーを効率よく吸収するこ とになる。

左表は水の吸収曲線。7ミクロン以上の波長の光線が選択的に強く吸収されることが解る。
右表はセラミックスの放射する光線の波長。7ミクロン以上の波長の光線が選択的に放射されることが解る。両者をあわせて考慮すると、セラミックスから放出された遠赤外線は、そのまま選択的に水に級数されることが推察される。
 そして光エネルギーを吸収した水は、そうでない水に比べてエネルギーレベルが高いことが容易に推察される。これは核磁気共鳴(NMR)などの高度な解析機を用いないと判断できないような水の分子構造(H20)が僅かに変化した低いレベルでのエネルギー変換であると言われている。

 ところが、このよ うな僅かに分子構造の変わった水が、生体(ここではもちろん洋ランを含んでい る)にどのような影響を与えているかを実際に正確に説明することはできない。 しかし、この様な微妙なエネルギーレベルの変化が、実は生体に驚くほど大きな 影響を与えていることも考えられるのである。  例えば、おいしい水(CaやMgイオンを含んだ水のことではない)の性状は、上述のようなエネルギーレベルの高い水であることが認められている。そのほか、 酒などのアルコール類や醤油・味噌などの塩類についても、成熟しているといわれるような円やかな味は、刺激の要因となるアルコールや塩類の分子が水分子に取り囲まれて保護されているような状態からもたらされていると考えられる。すなわち、遠赤外線を照射することにより水分子のエネルギーレベルを上昇させてやると、容易にこの様な成熟していると言われるような状態にすることができると考えられている。言い方を変えれば、遠赤外線を照射することにより、あるいはセラミックスで処理することにより、品質が悪い低級の酒や醤油を品質のよい 味に変えることが容易にできるというわけである。

セラミックスの成分は上表に示すように、主成分として酸化珪素や酸化アルミナを含む。高(良)質のセラミックスとはこのような成分が全重量の90%以上含まれるようなものを言う。粘土は酸化珪素を主成分とし、それを焼いて製造されたレンガや焼赤玉土は、低質のセラミックスと言うことができる。

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