蘭の枝変わり | 1999.9.9 | |
撮影:佐藤悦朗 平成10年11月23日 岐阜県某蘭会例会場 (ピントが甘いのは腕のせいです) |
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●写真を見て頂くと分かる通り、右側一輪は Cattleya walkeriana 'Feiticeira'です。左側二輪は Cattleya walkeriana 'Feiticeira'のメリクロン変異体でペタルの丸く成らないタイプです。同一株の着花で「寄せ株」でも「継ぎ木」でも無ければ、コンピュータグラフィックスの「悪戯」でも有りません。例会出席の20数名が確認しています。ベテラン揃いの会員が腕を組んで唸ってしまいました。 所有者のA氏の話では「2リードでそれぞれ2回、計4回着花し、一度だけオリジナルタイプが咲いた」そうです。A氏は信頼できる方で同氏の了解を得て発表する事にしました。この株はオリジナルタイプの花が咲くメリクロン株からの再メリクロンで、10年ほど前、関西の趣味家が限定メリクロンしたもののひとつです。 蘭でもこんな事が起きるのでしょうか…? 単純な枝変わりでも有りませんし……?? 遺伝子はどう成っているのでしょうか…??? 今後追跡調査を続けたいと思っています。 (以上はAJOSの年会報No.38 1999に管理者が投稿した記事です。) . |
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. ●Orchid Board での議論 (平成10年12月21日掲載) 上記に関してインターネット上で議論し、出した結論は次の通りです。 以下は素人による独断と偏見の「仮説」としてお読みください。 1.今回の変異は「咲きむら」ではない。 2.「枝変わり」の一種と思われる。 3.「芽」の左右に花の形は影響されていない。 (成長過程を確認しました。) 4.今回の株の基本形は、ペタルの先が尖るタイプと思われる。 5.ペタルの先が尖るタイプが、Feiticeira の「原型」と思われる。 6.「原型=プロトタイプ」が変異して Feiticeira が誕生したのではないか? (これが仮説です。) 7. Feiticeira のメリクロンでペタルの先が尖るタイプは先祖帰りしたのではないか? 8.この先祖帰りした株が何らかの影響で、ペタルが丸くなる変異が出たのではないか? 9.多分今後の花は今回咲いた花が固定するだろう。 (引き続き追跡調査します。) この仮説を作成するに当たり、山本さん、澤井さん、KTSの一部の方、ワルケ・クラブの皆さんの意見を参考にしました。 . |
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追加報告 | 2000.1.15 | |
●平成12年(2000)1月9日 A氏から直接話しを伺う事が出来ました。 それぞれのリードから、 前回と同じタイプの花が咲いたそうです。 つまり オリジナルタイプの花が咲いたリードには、オリジナルタイプの花が、メリクロン変異タイプの花が咲いたリードには、メリクロン変異タイプの花が咲いたという事です。 . |
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