僕のマドンナ

 
   

高校時代のマドンナ。
40
年後の同窓会でも、一重二重に・・・自然と男が取り囲む。
賑やかな語らいと、かん高い笑い声。
僕はいつも・・・いちばん外の、遠い輪のなか。

ランを栽培していて、よく聞かれることがある。
「ランのどこに惹かれるの?」
色々と考えるけど、解らない。
無理矢理こじつけても、空々しい。
最近は、「わかんない」、「理屈なしで本能的」と応える。
そういえば、同じようなことがあった。
20年ほど前、APOC(アジアパシフィック・ラン会議)でインドネシアのセレベス島を訪れたとき、
現地の若くて美しいプレスの記者に、そんなインタビューを受けた。
その夜、ホテルのレストランで二人で夕食をとりながら空々しい・・・説明をした、懸命に。
でも、語りながらその空しさに嫌気がして、最後に・・・「本当は、理屈なしで本能的!」と答えた。
「キャ、ハハハハ・・・!!」
この言葉が一番受けたようだ。
若い頃の、懐かしい美しい思い出。

マドンナへの接し方、
僕には全くわからない、昔も今も。
手に入れるもの?
語り合うもの?
癒されるもの?
それとも、遠くから憧れの目で眺めるもの?

僕の温室に集う美しいマドンナたち。
いろんな花に、それぞれ違う接し方。
そんな不公平に、ふと気がついた。
「ゴメンネ」。

                                 



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