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1998年10月、ドイツのラン友、オラフ・グルース博士から新種についての情報が送られてきましたので、紹介します。 |
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右側の写真では人が半分しか写っていませんが、株と花の大ききのおよその見当がつくと思います。 |
この新種アニタム(Paph. anitum)は、フィリピンのミンダナオ島、太平洋側スンガオ(Sungao)南部、標高800メートルくらいの川沿いで見つけられた。この品種はアダクタムに酷似し、すでに地元でも’ブラック・オーキッド’として知られていた種であり、標高220から1000メートルくらいに、広く分布することが知られている。株は勿論希少種という訳ではなく、相当数の株が広く分布していることが知られている。この報告は、A.S.Golamco Jr によりWaiting Waiting Review に掲載されたものです。写真はアニタムの全景。女性が持っている株と花を見ても、アダクタムより一まわり、あるいは二まわり大きな花である印象がしますね。 |
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分布 標高 湿度 開花期 株高 葉色 葉長 葉幅 花茎及び着花数 花色 ドーサル・セパル |
ミンダナオ島東部 220~1000m 80~100%,日陰を好む 4月から9月 30~75cm 濃い青みがかった緑色 強い光沢がある 75cmまで 4~10cm 75~150cm,2~7輪 黄緑あるいは黄橙地に濃紫紅色のストライプ 基部の3/4くらいが黒色 |
ミンダナオ島北部 1250~1350m 75~80%,やや日陰を好む 1年中 10~30cm 光沢のある緑色 30cm 3~6cm 25~40cm,2~4輪 黄あるいは乳黄色地赤味の強い濃紫紅色のストライプ 同上 |
花の各部分についての細かい違いが記載されていますが、省略します。 |
我々、素人が見るとアダクタムとの区別がつきません。でも、皆さんはご存知ですか。いまから、10~15年前に見られたアダクタムは、今よく見られるアダクタムとは全く異なる株柄だったのです。葉の長さは20~30cmくらいで、やや灰色を帯びた緑色をしていたのです。ポリアンサ(多花系)の中では特異な株でした。でも、今よく見るアダクタムは株柄も大きく艶のある黄緑色の葉をしています。花の形態は変わりませんが、後者の方がやや大きく、1花茎に3輪以上咲くことがあります。前者では2輪以上咲く株なんて見たことがありませんでしたね。話は戻りますが、今述べたアダクタムの違いからも、両者は変種として扱うべきだったと思います。その点から考えても、また異なったアダクタムの変種が存在してもおかしくありません。以上の点から、私は、この新種アニタムはやはりアダクタムそのもの、あるいは、アダクタムの変種とすべきではないかと思います。 |
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Paph. anitum の異なった株として紹介されている写真です。これだけ見ても、セパルの幅が広い観賞価値の高い品種のような感じがしますね。でも、花の特徴に明記されている’ドーサルセパルの基部の4分の3が黒い’からは外れていますよね。原種を眺めていると、種としての基本的な形質と、個体差(個体変異)とがグチャグチャになって訳が分からなくなってきますね。特に、種の記録は、基本となる標本(タイプ標本)の形質が記載されるわけですから、どこまで信頼できるか疑問に思うのは私だけでしょうか。 |
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フランスのユーリ・バルクさんから送られてきた写真です。010516 |
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