パフィオペディルムの新品種(その18)

 NO. 18 Paph. intaniae ( インタニエ )
スの分類学者ウィリアム・カベストロ(Dr. William Cavestro)により、フランスの雑誌 RHONE-ALPES ORCHIDEESの N。25, pp. 2-8, January-August に報告されました。
この情報は、カベストロ博士本人から頂いたものです。2000年5月15日に、インタニエの写真と図が届きましたので紹介いたします。

 パフィオペディルムの新種が報告されました。この新種はパフィオペディルム インタニエ(Paph. intaniae)といいます。報告者は私、ウィリアム・カベストロ(W. Cavestro)で、ここにその内容を紹介しましょう。 Paph. intaniaeは今年(2000年)の2月7日にインドネシアのスラウェシ(セレベス)島の中東部、グヌン・モロワリ山(Gunung Morowali Mont)に近いライムストーンの丘陵やその近くの崖で発見されました。この新種はフィリピネンセやストネイに近似した種ですが、形態学的にこれらの種とは明らかに異なります。すなわち、インタニエのペタルは短く、まっすぐ(捻れていない)に伸び、基部から先端に向かったおよそ半分は褐色の斑点が密に入り、残り半分は先端に向かって薄く褐色を帯びています。ペタルの中央部の縁には微毛を伴った4から6のイボが両側に見られます。このような形態はストネイには見られません。また、インタニエのリップはストネイより短く、スタミノードも異なっています。花梗や子房もまた異なっています。すなわち、ストネイでは無毛であるが、インタニエでは微毛が生えているのです。インタニエとフィリピネンセ、ストネイ、ランドシーとの違いから、インタニエが新種として強く支持されるものと考えられます。

分類: Paphiopedilum intaniae W. Cavestro, sp. nov.

Paph. intaniae

Photo by
Mr. Ayub. S. Parnata.

Paph. intaniae

Photo by
Mr. Ayub. S. Parnata.

詳細な記述:

 地性の直立草本性の植物。4 〜 7 枚の緑色で直線的な葉は、先劣の幅4.5 〜 6 cm、長さ 25 〜 40 cm。 35-50 cm に伸びる花茎は褐色の微毛をもち、NS 10 〜 12 cm の 3 から 8 の花を着ける。大きな包葉は微毛に覆われ、長さ2.3 〜 2.5 cm、幅 0.8 〜 1 cm。 子房は褐色を帯び、微毛に覆われ、長さ2.5 cm、幅 0.6 cm。褐色で柔毛に覆われた弓形の花梗は長さ1.1 cm。セパルの基部は白あるいは緑かかった白色で、褐色のスジが入る。 ペタルは白色あるいは緑色を帯びた白色地に、基部から先端に向かったおよそ半分は褐色の斑点が密に入り、残り半分は先端に向かって薄く褐色を帯びる。淡黄色のリップには淡褐色そスジが網目状に入る。スタミノードは明緑色あるいは淡黄色で、両端は白色で中央には緑色が網目状に入る。ドーサルセパルは基部は太くなった槍先形で微毛を有し、長さは4.4〜4.8 cm、幅は1.6〜1.9 cm。 ベントラルセパルはややくぼんだ先の尖った卵形で、長さは4〜4.2 cmで幅は1.4〜1.5 cm。ペタルは幅が狭く、先が尖った要に長く伸びるが、捻れはない。長さは6.5〜7 cm で、幅は0.4〜0.5 cm 。4〜6の1 mmくらいの微毛を有するイボがペタルの中央部に見られる。リップは小さく卵形で、長さ3〜3.5 cmで幅は1.6〜1.8 cm 。スタミノードは凸レンズ型で細く、基部は尖っている。中央部はくぼんで網状の模様を有す。長さは0.8〜0.9 cmで、幅は0.5〜0.6 cm。先端は1 mm くらいの切れ込みが入って、2つの突起を有する。

インタニエの図へ続く

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