1995年、カルフォルニアのラン雑誌オーキッドダイジェスト(Orchid Digest)の59(3)に、東南アジアから発見されたパフィオペディルムが、自然交雑種の新種、ポーウェリー(
Paph. x powelii )と言う種名でクリステンソン(Eric A. Christenson)氏により報告されました。ラテン語による種についての記述がありませんので、正式には記載ではなく紹介というところでしょう。ここには、株はオーキッドハウス(The
Orchid House)のNorris Powell氏が所有していたもので、その出所も花のサイズなどについての記録も明確に示されていません。今までの原種交配の結果から判断すると、インシグネ(Paph.
insigne)やビロッサム(Paph. villosum)を用いた場合ともよく似ているが、ドーサルの白い覆輪や基部の黒い点から、エクセル(Paph.
exul)やグラトリキシアナム(Paph. gratrixianum)の血が入っていることも完全には拭えないとしています。
両親の詳細は不明ですが、( excul x barbatum )や( excul x callosum )としている人もいます。
上記の紹介をしたところ、翌日にはドイツのオラフ・グルースさんから連絡をいただき、同種が正式に記載されている記事を送っていただきました。
ラテン語による正式な記載は Olaf Gruss氏と Joachim Erfkamp博士 により行われ、翌年の1996にDie Orchidee 47(4)に著されています。ここでは、Paph. x powelii はPaph. callosum とPaph. exul との自然交雑種とされています。
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