皆さんによる意見・希望・質問コーナー

 一般の皆さんによる、意見、希望、質問とそれに対するご返事をを掲載するコーナーです。写真を付けた質問なども、お待ちしています。希望される方は、メールでお送り下さい。若干の編集を加えることがあるかも知れませんが、その内容と返事を公開いたします。ただし、質問そのものに問題がある場合には公開できないことがありますが、ご了承下さい。お待ちしております。

安形博昭 ( Mr. Hiroaki Angata )  静岡県

e-mail:angata@mx5.nisiq.net

Q: 先頃自分が栽培しているパフィオの開花記録写真を撮りたくてデジタルカメラを購入いたしました。別添の写真が試みに撮影したものです。(この株は、向ヶ丘遊園で、世界蘭展(WOC)が開催された際に、5株一まとめで、根が露出した状態で売られていたものを購入したベラチュラム(bellatulum)です。5株とも健在ですが、中でもこの株は平鉢に植え替えをしたのが良かったのか機嫌良く咲いてくれます。いずれは、自分の栽培しているすべての株の開花写真付データベースを作りたいと考えているのですが、その際に最低限計測しておいたほうが良いと思われる部位の名称(今回のbellatulumは、高さ幅とも約65ミリです)。また、いつになるかわかりませんが、交配なども手がけてみたいとも思っているのですが、その際に必要な、正式の記録方法・参考図書などがあればそれらも併せてお教えください。

'今回のbellatulumは、高さ幅とも約65ミリです。'と、記録されていますが、正式にはどこが65ミリか解りませんよね。おそらく、花全体の長さだと思われますので、この場合 NS. 6.5 x 6.5 cm と記録すると良いでしょう。 一般に、交配を目的として花の記録を残すためには、少なくともN.S.の他、下記のようにD.S.とP、できれば花茎長、花数くらいあればいいのではないでしょうか。 

A: 人により、その目的は様々だと思いますが、咲いた花の 写真以外での記録はとても大切です。もともと、写真が自由に撮れなかった時代に、 入賞した花の記録を残すことを目的に始められたようです。即ち、文字(数値を含む)で記録することの大切なポイントは、写真がなくてもその記録の内容から花のおよその形態や状況が想像できるようにすることです。今では、世界中の多くの 団体でランの審査が行われています。そして、その多くでは、入賞花の記録に写真だけでなく花のサイズを含め た数値や文字による記録を併用しています。従って、このような審査の要項(記録)が最も参考 になると思います。どこかの審査団体の審査要項を入手すればよいわけです。また、 簡単な方法としては、東京ドームで開催される世界蘭展を始めとする各地で開催されて いる蘭展の審査申し込み用紙を見ることです。きっと、どの展覧会でも無料で入手することができると思います。お気づきでないかも知れませんが、この審査申込用紙は数枚で 構成されており、下部の用紙にはその花が入賞したときの記録が残せるように記載の内容 が準備されていると思います。さて、実際の記録内容ですが、先にも申 し上げましたように、目的によっても異なるため審査団体により記録の内容にかなりの差が あります。しかし一定のルールがありますので、以下の内容から必要なものだけを選 び出し、測定することをお勧めします。以下の内容は全日本蘭協会の審査規定に記載されているものです。実は、審査を勉強し始めるときには、まず記録の方法から始めます。 記録内容は、記載の順番まで決まっているのが普通です。また、そのためには、 花の構成部分の名称も覚える必要があります。
1) N.S. :測定する花の横の長さ x 立ての長さ(自然状態で測定します。どんなに大 きく ても、それを手で引っ張ったり開いたりしては行けません。)
2) D.S.: ドーサル・セパル(アッパードーサル)の横の長さ x 立ての長さ。
3) V.S. :ベントラル・セパル(ロワーセパル)の横の長さ x 立ての長さ。
4) P.: ペタルの幅 x 長さ。
5) L. :リップ(ポーチ)の幅 x 長さ。
6) 全高: いわゆる花着き株の高さで、株の根元から株の最頂端(花の場合と、 そ うでない場合がある。)までの長さ。
7) 花茎長: 花茎の長さで、花茎の付けね から花の直ぐ下に着いている子房の下ま で(子房を含めない)の長さ。花が複数ある場合 には、最も先端にある花の子 房の下までの長さ。
8) 株幅:株全体の横(水平)の長さ。 最も長いところ。地面と水平に測る。
9) 花茎数。
10) 花数、蕾の数。
11) 色彩などの特徴の記録。色彩や模様等を具体的に記載する。スタミノード(  仮雄蕊)の記載はここに入る。
・・・等です。実はさらに詳しい注意事項などがあるのですが、今の所ではこれでよしとしておきましょう。(Dr. たなか)

次に続く

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