皆さんによる意見・希望・質問コーナー

Q Oさん
 香りのよいシンビジウムを花屋さんで見つけて情報を得ようとネットサーフィンをしていたらこちらのページに迷い込みました。育てやすい甘い香りのパフィオがあったら紹介して下さい。
A  基本的に、パフィオペディルム(属)にはほとんど香りがありません。しかし例外的に、あるグループ(亞属)にはとてもいい香りがすることが知られています。 それは、パービセパルム(亜属)の仲間です。その仲間には、写真のようなデレナティー、ミクランサム、アルメニアカム、マリポエンセ、エマーソニーが含まれています。デレナティーはベトナム中部原産で、 その他は中国南・西部の原産です。この仲間は、パフィオの中では最も起源が古いものとされておりますが、それが香りを持つ性質とどのような関係があるのかは解りません。
 パフィオの愛好家の中でも、同じような興味を抱く方がたくさんおられます。最近では、ただ美しい花を作り出すばかりでなく、このような香りを求めるような交配も注目され初めていますので、将来には我々の目の前に現れることでしょう。再度申し上げますが、残念ながらパフィオには上記以外の原種には香りがないと思って頂ければよいと思います。あなたがどのような条件でランを栽培されているかは解りませんが、これらの品種(デレナティーを除いて)は比較的低温を好み、どちらかというと山野草のつもりで栽培するとよい品種のようです。これらは温室を構えた趣味家には、どうも苦手な品種となります。すなわち、比較的低温(最低温度5〜10度)で栽培するのがよいのですが、霜や雪は困ります。無加温で室内で栽培したり、ワーデイアンケースを用いて栽培するには適切な品種といえるかもしれません。栽培される時には、また改めて情報を差し上げますので御連絡下さい。

デレナティー

ミクランサム

マリポエンセ

エマーソニー

アルメニアカム

Q 北海道 Nさん
今日、会社から帰って温室を見渡したところ、片隅にフィリピネンセのような、ローウィーのようなわけのわからない、花が咲いてました。そもそもこの株は、かつてパリシー山取りということで取り寄せたその中の一株でした。その中でも他の株とは似てもにつかず、興味本位にこれを購入した訳です。どう見ても原種じゃなさそうですね!

A 自然で採集されたものであることを前提にすると、ローウィ−(Paph. lowii)だと思われます。採集された場所がどこであったか、また、同時に採集された株はほとんど同じ花が咲いたかどうかで結論は大きく変わります。この花だけが、違ったタイプの花であるならば、ローウィーの個体変異であるとしか言いようがありません。確かに、普通の個体とは異なっているようですが・・・。ほとんどの株が、同じような花を咲かせるならば、変種とまでは言わないまでも、ローウィーの変わった花を咲かせるコロニーなのでしょう。ローウィーはインドネシアの島々に広く分布しています。ジャバニカムでも解るように、島が変われば、変種といわれるコロニーができています。同様に、ローウィーでも、ちょっと変わった花を咲かせるコロニーがあっても決しておかしくないと思います。例えば、リチャーディアナムはローウィーの変種であると言ってもおかしくありませんから。 実は、これに近い(この花に似ていると言うわけではありません)、変わった花を咲かせるローウィーをときおり見かけます。しかし、残念ながら、入手したのが遠い過去のことで、どこで採集され、どのようなルートで日本に来たかは全く解らないのが事実です。また、パリシーとローウィーの分布は全く異なるので、パリシーが分布する地域からコノタイプの花が採集されることはないと思います。自然交雑種で、類似の花を咲かせる可能性があるのは、フィリピンで、ハイナルディアナムとフィリピネンセとの交雑ですが・・・、???。(Dr.たなか) 

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