皆さんによる意見・希望・質問コーナー

藤井 哲さん (兵庫県姫路市)

 この株は、かつてトンサムの変種クプレウム(Paph. tonsum v. cupreum)として輸入された株の中に他とは違った葉姿をしていたものです。花はご覧の通りペタルの点はトンサムのそれと似ていますが、アッパードーサルの形と色はアップレトニアーナム(Paph. appletonianum)やブレニアナム(Paph. bullenianum)のそれを一回り大きくしたもののようです。葉の裏の紫はブレニアナムやトンサム・クプレウムと同じです。NSは11.5cm・DWは4.1cm・PWは2.1cmでした。原産地はインドネシアかボルネオ島あたりのものでしょうが、AOSのOrchidsやOrchid Digestを見ても記載されてません。人工的なものならば他にもたくさんあっていいものでしょうし、自然交雑なら未確認の情報での報告くらいはあっていいものかと思います。ブレニアナムとセレベセンシスかなんかの自然交雑でしょうか? 新種ならうれしいのですが、こういったものは他にも沢山でてるのでしょうか?

 はっきり申し上げて、見たことがありません。本当に山採りなのでしょうか。まず、スパソペタラムの影響が強く出ています。トンサムはジャワ島ですから、そのあたりから来たとすれば、トルティペタラムだけです。確かに花はトルティペタラムにとてもよく似ています。しかし、トルティペタラムの株は裏が全て緑です。基部に少し紫紅色が入っていますが。そこで、強引に結論を導くならトルティペタラムの変わった花を咲かせる変異株です。どこが違うかというと、ペタルの点です。トルティペタラムの葉の色(紅紫色)は光りの強さなど環境条件により変わることは確認されています。この株の色が栽培により変わるかどうかを見ておいて下さい。また、花の形ではドーサルセパルの形がちょっと違います。何かとの交配(自然交雑種)である可能性もありますね。スパソの仲間 x ? でしょうね。 ? は葉が紫紅色の品種なんでしょうね。かつてトンサムに混入して輸入されたものとすればインドネシアのジャワ島あたりなんでしょうが、該当する品種をジャワ産では思い当たりません。もちろん、ジャワ産ではない可能性もあります。わかりません。実際にはどこから採集された物であるか解ればいいのですが、大昔の話でしょうから、これは100%不可能でしょう。この記事をご覧になった何方かがアドバイスを送って下さるかもしれませんね。

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