先日、イタリアの蘭友、アレサンドロ・バレンツア(Alessandro Valenza)さんから、とても興味がある情報が寄せられました。彼が栽培しているサンデリアナムやそれを用いた交配種の花をよく見ると、花のうえに糖と思われる白い結晶が観察できたというものでした。パフィオペディルムが糖質を分泌していると思われる報告は、実はニュース・ニュース・ニュースで既に紹介しています。この報告はフランス在住のパフィオ仲間でよく情報を交換しているユーリ・バルク(Uri
Baruk )さんから送られてきたもので、アダクタムやロスチャイルディアナムなど一部のポリアンサの花に糖質が分泌されているのを確認したという内容で、レポートがオーキッドレビューに掲載されました。
バルクさんからの報告を受けた後だったので、バレンツアさんからの報告はそのまま受け入れることができ、さらにいろいろと疑問がわいてきました。以下にバレンウアさんからの報告を紹介しますが、ご覧になった皆さんの体験やご意見を伺わせてください。
パフィオペディルムのサンデリアナムを用いた交配については多くの情報を耳にしますが、これらが昆虫を引き寄せると考えられる糖を分泌していることなど聞いたことがありませんし、もちろん見たことなど一度もありませんでした。でも私は、この3ケ月の間に、自宅で咲かせたサンデリアナムやその交配種(P.Kolosand、
P. Screaming Eagle)のすばらしい花に酔いしれていたのですが、以下に紹介するとても珍しい写真を撮ることができました。それは、花の表面に糖が分泌されて結晶化されているのが認められたことです。コロサンド(Kolosand
)では、特にその量は多く、そして、蜂蜜のような強い香りを発しているのです。サンデリアナム(sanderianum) やスクリーミング・イーグル(Screaming
Eagle)ではさほど多くはなく、香りはほんのかすかにするほどでした。ここは冬ですから、花の周りにアリなどの虫がいるわけがありませんが、なんと花の上には数匹のアリが活動しているのを観察しました。そして花が終わると、それを期にアリは姿を消してしまいました。
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