こんにちは トシ、
今回は、フランスに自生している Cyp. calceolus のとても良い写真が撮れましたので、その一部をご覧にいれます。写真を撮ったのはブルゴーニュー地方、ディヨン(Dijon)の近くで、保護区として知られている雑木林のなかです。自然の中でこんなに大型のランが咲いている姿を実際に見たのは、私にとってもはじめての経験で、その興奮から震えながら写真を撮りました。トシにも、この興奮が伝わると思います。Cyp.
calceolus はこの地域では、特に涼しい場所を選び、他の山野草に混じって生えています。この日は、私には生涯のなかでも記憶に残る至福の一日でした。自宅に帰り、私には少し遅い時間だったのですが、この日の最も大切な記憶を写真として私のコンピューターにおさめました。トシも、私がここフランスで経験したような滅多にない幸福の祝日が味わえたら良いと思います。
このCypについて少し説明を加えておきましょう。私が見たものは2005年にWOCが開催されるディヨンの北東にブルーゴーニューと呼ばれる地域に生育しているものです。ワインの産地としても知られていますね。この地域は冬は特に寒く夏は暑い、いわゆる大陸性気候を示しています。
ここはまた、自然保護区域で、とても珍しい動物や植物がとても素晴らしい自然の環境の中で観察できる所としても知られています。例えば、リンドウの仲間のGentiana
luteola (Juraや Alpes等で見られる)やGentiana pneumonanthe (小さな紫色の花を咲かせます),
ランの仲間ではEpipactis lacustris など・・・。また、普通種の植物も楽しめます。動物でも、珍しいフクロウの一種
barn-owl (Aegolius funereus) ,ヤマネコ ( Felis silvestris ), テン (Martes
martes )などが見られます。
このシュプリペディウムは石灰質のスロープに生い茂るブナ林のなかで見つけることができます。生えているのは南に面した太陽の光があたる、湿り気のある半日陰の場所です。あちこちの異なった場所に散らばって群れていますが、よく似たようなところです。そのなかで、大きくて最も重要な群生は、この国立公園を管理している事務所の関係者に付き添われてのみ観察できます。そこへ辿る道は本当に狭く指示されているのですが、この美しさを見ることが出きるなら・・・喜んで指示に従います。個々の花を注意深く観察すると、色にはさまざまな変化があるようです。最も普通の基本的な色彩は、写真でおわかりになると思いますが、とても濃い褐紫色です。普通、年に一度、5月に開花しますが、今年は例年より暖かいこともあって、少し早く、5月のはじめに開花時期が来たそうです。普通なら5月の中旬から始まり、下旬には終わるそうなんですが・・・、とてもラッキーでした。
クリストフ より
参照
リンク : http://www.onf.fr
http://natura2000.environement.gouv.fr/sites/FR2600958.html
christophe.bligny@wanadoo.fr
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