パフィオペディルムの原産地

 ここでは各地から送られてきたパフィオペディルムの原産地の状況を紹介しましょう。ごく最近の情報もありますし、かなり昔の場合もあります。いずれにせよ、この紹介はパフィオペディルムの愛好家が常々追い求めている自然のパフィオの姿を紹介するものであり、違法な採集を目的とするものではありません。むしろ、このような自然を維持するために我々は何をすべきかを考える機会にしていただければ幸甚です。

(1)マレーシアのバーバタム

マレーシアの友人から送られてきたバーバタムの自生の写真です。

 マレー半島の熱帯のジャングルの中を汗だくで登っていくと、ちょうど800m付近で何となく涼しさが感じられるようになってきます。その後、岩をロープで20mほど上がり一休みしたときに、私が座った横の藪で咲いているのを発見しました。
写真の花は東南を向いていましたが、さらに尾根をのぼって左側、北東に面した斜面
にコロニーが広がっていました。
 ここは低い木がまばらに生えていて、下は踏みしめると水が足の甲まで上がってくるような場所です。

 コロニーの中心部には小さな川が流れていました。気を付けて歩かないと小さな苗を踏みつけてしまいそうなぐらいたくさんありました。しかし、その場所を離れると上にも下にも1本もありません。尾根の右側、北西の斜面では木がたくさん茂っていて、左の斜面より急です。ここでは木の根元に数本生えているのを確認しました。

お願い

 これら全てのパフィオペディルムの原種は稀少で、絶滅の危機に瀕していると言えます。これらの状況を皆様に理解していただきたいとともに、皆様にはこのような自然を破壊して持ち出された不法な株の取引に応じないように、心からお願い申し上げます。

No.2につづく

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