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(1) Phragmipaphium ( Phrag. besseae x Paph. micranthum) |
Phragmipaphium ( Phrag. besseae x Paph. micranthum)
と思われる株の根から、細胞の染色体を解析した。根は状態がとても良く、染色体も良い状況で観察できた。その結果、染色体数は30本で、全てPaphに由来すると判別できる大きさのものであった。花の特徴から推察される(Cochlopetalum
x Brachypetalum)のF1雑種の染色体組み合わせと一致します。1本観察されたサテライト染色体の形態から考えられる組み合わせは、chamberainianum(2n=34
) x niveum(2
n=26)、あるいは chamberainianum(2n=34) x godefroyae(2n=26)と思われる。 |
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Phragmipaphium ( Phrag. besseae x Paph. micranthum) |
(2) Phragmipaphium (Phrag. besseae x Paph. malipoense) |
Phragmipaphium (Phrag. besseae x Paph. malipoense)は根の状態が悪く分裂細胞もほとんど見つからなかった。正確な染色体数は判定できなかったが、約40近い染色体が観察された。染色体の大きさから、Phragがかかっている可能性は少なく、Paphの雑種と思われる。I
型染色体が多く含まれて
いるので、chamberainianum(2n=34)と(2n=40)のwentoworthianumや bougainvilleanumが組み合わさった雑種の可能性が考えられ
る。 |
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Phragmipaphium (Phrag. besseae x Paph. malipoense) |
(3) 考察 |
これらの交配は、Phragmipediumを母親に用いているので、Paphの染色体がPhragの染色体を駆逐したことも可能性として残る。これを明らかにするには、葉緑体DNAの塩基配列を調べ、その配列がPhragmipediumに由来していること証明する必要がある。しかし、今回開花した交配は、現実的には播種したラボでのフラスコの取り違いの可能性が高いと思われる。他にも生育中の苗があるようなので、今後の調査に期待したい。 |