USA, イリノイ州の
Cyp. parviflorum var. calciolus の保護

ニコラス・ページ さん(ロック・アイランド、イリノイ州、USA)
e-メール : Aubree8569@aol.com

USAの友人、ノコラス・ページさんからとても興味のあるお便りをいただきました。彼はパフィオが大好きな芸術家なのですが、彼の家の近くに分布する野生の Cyp. parviflorum var. calciolus の保護にも、とても興味を持たれています。皆さんの中にも興味のある方がおられましたら、是非、彼やその蘭協会に連絡を取ってください。ニックさん、どうもありがとう。(田中)


私は、つい最近、近くの4つの市で構成しているイロワ蘭協会(the Illowa orchid scociety )が主催する会で、我々が住んでいる近くの保護された森林に生育する野生蘭の一つ、珍しい黄色の花を咲かせるシプリペディウム(Cyp. parviflorum var. calciolus)やその近くでよく見られる愛称'華やかな蘭'(後で紹介)を観察に行きました。我々の会は、この蘭を保護するプロジェクトを実行しているのです。実は私は今までこの花を見たことがありませんでしたので、どれくらいの大きさの花なのか解りませんでした。実際に見ると、熱帯の蘭の花のようですね。でもこのような冬はとても寒い所に生育しているのです。私の友達がたくさん写真を撮りましたので、興味があったら是非使ってください。

USA、イリノイ州の Cyp. parviflorum var. calciolus

 

Photo by Miss Marcia whitmoore

 私はとてもよく自然をハイキングして、その途中でいろいろな蘭の花を見かけることがありました。でも、この蘭お花を見たのは全く始めてのことです。そして、今ではどれほどこの蘭が野生の中で珍しく貴重なものなのかをよく理解することができました。この蘭が生育できる環境がいかに限られていて、そのような条件を満たす場所がほとんど残されていないことを知って、とても残念に思うのです。でも、私たちの仲間がその蘭が生き残るようにするための一つ一つのステップを歩み始めたことを知って、とても嬉しく思いました。 私は熱帯の蘭が彼らの自然の環境で生育している姿を見るのがとても好きです。私は先に紹介した保護が成功してその努力が報われることを確信しています。私はこの経験を大切にして、長く長く私の宝物にしたいと思っています。 その森林は人の手が入らないように保護されているので、そこに足を踏み入れるやいなや、この森林が他のいわゆる森林公園といかに異なるかを肌で感じることができました。草は青々と茂り、石灰質の岩盤の上には腐葉土が厚く堆積しています。そこには、たくさんのシダや苔などの湿度を好む植物が繁茂しています。おそらく1年を通じて湿度が高く、木々が深々と育って、太陽の光は木々の隙間をぬってわずかに地表に到達するのだろうと感じました。ここに立つと、すべてがとてもフレッシュな香りを放っているのです。トシ(私、田中です)も私とこの経験を分かち合えるでしょう。
 初めてその花を見たとき、いったい何を見ているのか自分にも解りませんでした。木々の深い陰になる北向きの斜面に、春の朝の輝く光の中で、とても大きな鮮やかな黄色の風船をかかえるシプリペディウムが、褐色のペタルをくゆらせ、セパルを思い切り伸ばして背伸びをしているかのようにかたまりになって花を咲かせているちっぽけなコロニーが目に入ってきました。 おそらく2エーカーくらいの広さの所でしょう。この小さな場所に、およそ 45-50 くらいの花を見つけました。まさに野生の蘭の自生地です。

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