ブラキペタラムの大株作りをめざして

1.はじめに

ベラチュラムの大株。この鉢に植え替えて10年以上を経過しています。その間、一度も植え替えをしていませんし、コンポストをさわっていません。ご覧の通り、株はいたって元気です。この経験から、ブラキの栽培のポイントを掴んだような気がしました。株はある程度大きくなると、その状態を維持しています。この鉢では、今では落ちる株と生まれる株がほぼ同じで、いつも10数芽くらいに保たれています。花に付いているラベルは交配の記録です。

 ベラチュラムやニビウムなどブラキペタラムを上手に育てることが苦てなパフィオペディルムの愛好家は意外に多い。もちろん私もその一人だが、長年の試行錯誤により何とか私なりの栽培法が見えてきたような気がする。もちろんこれは、理想的な方法であるはずでは無いことは言うまでもない。パフィオペディルムの栽培の中でもブラキペタタムの栽培は最も難しい、いや、癖がある・・と言われているだけでなく、これを大株作りしようなんて大それたことと思われるかもしれないが、その夢が少しでも実現すると・・いいですよね。先ほど申し上げたように、理想的とは申しませんが、ある程度の成功を収めていると思いますでその方法をご紹介することにしましょう。

 いまから10数年前まで、ブラキペタラムの仲間を含めてパフィオペディルムの栽培はすべて水苔で行われていました。そのような実状の中で、実はあえて強調するわけではありませんが、私はブラキの石植作りを強く提案したのです。私が最初の提案者だとは言いませんが、当時はひどく批判的に見られました。特に水苔植に精通したベテランからは散々なものでした。あるラン園に依頼されて、その説明と実習を行い大成功と思って一安心していたところ、後日同園を伺ったときに、すべての石植にしたパフィオが水苔植に直されてるのを見て、本当にがっかりしたことを覚えています。でも、今やパフィオの、特にブラキ系のパフィオを石(ミックスコンポスト)で栽培するのは常識になりました。当たり前と言えば当たり前なのです。また、この方法は私が考案したのではなく、アメリカやヨ−ロッパで行われていたものを理屈を付けて日本での栽培にに合うように変更を加えて紹介したものなのです。その基本的な方法は今でも変わっていません。ブラキペタラムの基本的な栽培コンポストはミックスコンポストですから、その詳しい内世については栽培編を参照してください。さて、本題の大株作りについてお話ししましょう。大株つくりの基本は、なんと言っても

植え替えない ’ 

ことです。 そして、植え替えないようにするにはどうしたらよいかが、栽培のポイントであり、テクニックになるわけです。以下に、具体的な方法を紹介しましょう。

 既に何度も申し上げていますように、ここで紹介している方法は決して理想的なものではなく、私が個人的に行っている方法です。ご批判してくださるのも結構ですし、みなさまのアイデアや成功例をお寄せください。ここで、紹介したいと思います。

大株作りの実際へつづく