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あ行

IAA:「アイエイエイ」βーIndol Acctic Acid
ベーター・インドール酢酸の略称。
植物ホルモンのオーキシン類の一つで、 光線や熱で壊れやすい性質があります。
処理の際、或いは貯蔵に充分注意が必要。
青物:「あおもの」
葉に柄の無い無地葉の事。
秋芽:「あきめ」
通常は春に芽(葉)が出ますが、秋になってから出た芽の事。
「あきご」とも言う。
:「あけぼの」
斑の一種。
葉面の一部が、輪郭の不鮮明な白や黄のぼかしとなった斑柄の事。
当たり:「あたり」
バルブ(偽球茎)の腋芽の一つが膨らんで来る事。
「あたりが有る」等と表現されます。
膨らんだ腋芽がやがて新芽(葉)となり、伸上がり、やがて新しいバルブとして成長し篠を形成します。
基部の節に付いて居る物ほど大きい。
後暗み:「あとぐらみ」
新芽の展開時は鮮やかに現われた縞斑が、成長するにつれて消えてしまう事。
葉緑素の増殖が活発で縞斑の脱色部を覆ってしまい、葉の全体が緑色になってしまいます。
肥料、採光等での人為的な操作では、解決出来ません。
「のちぐらみ」とも言う。
或いは単に「くらみ」等とも言われ「暗み縞」等と表現されます。
後冴え:「あとざえ」
新芽の頃は余り鮮明でないが、斑が葉の成熟と共に鮮明に現れる事。
一般には黄色の斑柄に変化します。
「のちざれ」、「のちはぜ」とも言う。
或いは単に「のじ」等とも言われます。
又、開花後の花色が、日が経つにつれて鮮やかに色が乗って来る場合にも使われます。
あんこ
交換会等のせり人。
「番台(ばんだい)」とも言う。
アントシアニン:「Anthocyan」
植物の花や葉、果実等に含まれる赤〜紫〜青の色素で、 アントシアニジンと、それに糖が結合した配糖体のアントシアニンを指します。
春蘭の舌に現れる紅色の斑点や紫花の紅色の色素はこれです。
維管束:「いかんそく」
根、茎、葉、花等高等植物の各部分に見られます。
木部と篩部よりなる束状の通導組織で、養水分の通路となり、 また植物体の骨格の役目もします。
葉の筋或いは根の芯に有ります。
一字肩:「いちじかた」
左右の副弁が一文字になっている花弁で、型として最上とされています。
「一文字咲き」等とも表現されます。
「平肩(べけん)」とも言う。
一茎一花:「いっけいいっか」
一本の花茎に一個付けた花。
糸覆輪:「いとふくりん」
斑の一種で、幅の狭い覆輪の事。
大覆輪の反対。
今はぜ:「いまはぜ」
縞柄、虎斑、蛇皮斑、覆輪等、新芽の展開時より、斑柄が鮮明に現われ、成長後も暗まない鮮明な柄性を言う。
「てんざえ」、「てんざれ」とも言う。
「今はぜな柄だ」等と表現します。
:「いも」
春蘭の葉は発芽して4〜5年すると落葉するが、 その葉が落ちたバルブ(偽球茎)の事。
芋吹き:「いもぶき」
古芋(バルブ)より発芽させる事。
ウイルス・フリー:「Virus Free」
ウイルス病に掛かっていない株の事。
最近は茎頂点培養により、ウイルス罹病株からウイルス・フリーの植物体を作ることが出来るようになりました。
内柄:「うちがら」
親木に面した方だけに柄が入る事。
栄養繁殖:「えいようはんしょく」
生殖器官以外の部分で、無性的に繁殖する事。
株分け、根茎やバック・バルブからの芋吹き、或いは茎頂培養繁殖等がこれに入ります。
NAA:「エヌ エイ エイ」
アルファー・ナフタレン酢酸(α naphthalene acetic acid)の略。
植物ホルモンのオーキシン類の一つで、 植物体内では作られない合成オーキシン。
天然オーキシンのIAAと同作用をし、IAAに比較して 光線や熱に安定で、植物体内でも分解されにくいので、IAAよりも多用されます。
円舌:「えんぜつ」
舌の前半分が急に折れて丸くなり、前面からは半円形に見えます。
燕尾:「えんび」
葉の先端がツバメの尾のように裂ける事。
縞斑柄の株に多い。
青物であっても燕尾葉がある場合、縞柄を出す可能性が大きい。
「えんびがかかっている」等と表現します。
オーキシン:「auxin」
植物ホルモンの一つ。
インドール酢酸(IAA)及びその類似物質(NAAや2・4−D等)を指します。
茎の伸長や不定根の形成、或いは子房の生長等を植物の成長等、色々の生理作用をする事が認められています。
遅れ子:「おくれご」
春遅くになって出た新子(葉)。
押し子:「おしご」
一つのバルブに同時に二個所から二本上がった新芽の事を言います。
新芽(葉)の芽出しは、通常、バルブに一本の新芽が出ますが、成長中に更にその脇に出る芽、「まご(孫)」「奴(やっこ)とも呼ばれ、「押し子で出た」等と表現します。
順調に二本が育つと来年は夫々から新芽が出ます。
折鶴:「おりづる」
花弁の芸の一種。
花の主弁(天弁とも言う)の極先端が鋭角に前方に曲がり、鶴の首の様な咲き方を言います。

か行

抱え :「かかえ」
主弁と副弁が内側に抱えるように咲いた様を言います。
「内弁(棒心とも言う)の抱えが良い」と言う場合は、
対の内弁が開かず、一部重なる様に咲く様を言い、春蘭の良花の条件として挙げられます。
荷花弁:「かかべん」
荷とはハスの事を言い、花弁がハスの花に似ているのでこの名が有ります。
弁幅は水仙弁よりも広い。
花幹:「かかん」
花茎の事。
「さいかん(細幹)」「ぼっかん(木幹)」等と表現する。
花芽:「かが」
芽の中に花蕾を持っている事で、葉芽に対して使われます。
花芽分化:「かがぶんか」
茎の成長点部に花芽が出来る事で、花芽形成とも言われる。
温度や日長或いは栄養条件等により支配される場合が多い。
春蘭は、鉢植えでは普通5〜6月頃に花芽を分化すると言われ、その前に、無肥処理をする事で花芽形成を促します。
:「かく」
花茎に付いている苞の事。
花茎:「かけい」
花を付ける茎。
カイネチン:「kainetin」
植物ホルモンのサイトカイニンの一種。
根茎からの葉芽の分化を促進します。
花梗:「かこう」
花を付ける小枝で、子房と花茎との間を言います。
春蘭では子房と一体となり、境界がハッキリしません。
「かへい(花柄)」とも言います。
仮根:「かこん」
プロトコームや根茎に生ずる単細胞の根で、養分の吸収を行います。
又、植物体を付着させる役割も有ります。
花軸:「かじく」
花茎に同じ。
花序:「かじょ」
花を付けている茎の部分の総称。
また茎に付く花の配列の状態をも言います。
片柄:「かたがら」
葉の一方に偏っている斑柄の事。
花被:「かひ」
花びらの事で、ランでは花弁と3枚の愕片とを指します。
花粉塊:「かふんかい」
多数の花粉がくっつき合って塊状になった物。
春蘭の花粉塊は2個有りますが、それぞれが2葉に分かれているので、一見、4個の様に見えます。
:「かぶと」
捧心の先端が肉厚になった塊が出来る奇花の一種。
「カブト咲き」と表現されます。
花柄:「かへい」
花梗に同じ 。
花弁:「かべん」
3枚から成る内弁を言う。
両側の2枚を捧心、中央を唇弁と言う。
かみそり
葉1枚に成った古木。
「なぎなた」とも言う。
:「がら」
葉に現れる模様、すなわち斑の事。
枯れ下がる:「かれさがる」
葉の先端から次第に枯れて来る事。
カロチノイド:「carotenoid」
ニンジンの根やトマト等に含まれる黄橙〜赤の色素、細胞内では顆粒状になって存在します。
赤花春蘭の花被に含まれている。
変わり咲き:「かわりざき 」
正常な花形でない、変わった咲き方を言う。
観音捧 :「かんのんほう」
兜の形を表す言葉で、肉が割合に薄く、柔らかく抱いた形の兜の事。
愕片:「がくへん」
花弁の外側にある花被を指します。
春蘭では三枚有って外弁と言われ、花被の主体を成します。
:「き」
ランの株全体を指します。
春蘭の省略とし「良い木だ」等と用いる場合も有ります。
偽球茎:「 ぎきゅうけい」
pseudobulb ランの茎は太くて短く球根状を呈し、グラジオラスのような球茎に似る所から、植物学上偽球茎(通称バルブ)と呼ばれています。
普通「きゅうけい(球茎)、いも(芋)」等と呼ばれる。
奇種 :「きしゅ」
胡蝶咲き、子宝咲き、八重咲き、段咲き等の 変わり咲き、奇形の花型を言います。
黄縞 :「きじま」
斑の一種で、葉に黄色の縞が入った斑柄。
後冴えに多く見られます。
共棲 :「きょうせい」
二種の生き物が互いに利益を得ながら生活している場合を共棲と言う。
ランでは、根菌が根の皮層の部分で増殖し越冬しますが、一方ランの方は、根菌により栄養分を取っており、互いに共棲関係にあります。
鋸歯 :「きょし」
葉縁に見られる、シュンラン特有の小さな切れ込み。
中国ランとの同定に参考として用いられる。
食い出す:「くいだす」
一般に春蘭の開花間際の蕾の状態を言います。
春蘭の蕾は苞衣にシッカリ包み込まれていますが、開花が間近になると、蕾の先端部の苞衣と苞衣の重なりがややホコロビ、花弁が幽かに見え始めた状態を言います。
「食い出した」等と表現します。
根菌 :「こんきん」
菌と共棲している根の事。
金覆輪 :「きんぷくりん」
斑の一種。
覆輪で葉縁の斑が黄色の斑柄を言います。
「きふくりん(黄覆輪)」とも言われます。
銀覆輪 :「ぎんぷくりん」
斑の一種。
金覆輪に対して白い覆輪の物を銀覆輪と言います。
「しろふくりん(白覆輪)」とも言われます。
緊辺 :「きんぺん」
花弁の先端が鋭く内側に捲くれる状態を言います。
金紗 :「きんしゃ」
斑の一種。
葉に金砂を散らしたような、薄い刷毛模様の斑点の現れる葉模様を言います。
継続性は無い場合が多く、斑柄とは言い切れません。
「きんしゃぶ(金紗斑)」とも言う。
狂い咲き :「くるいざき」
時期外れに咲く花、又は固定しないで咲く変わり花。
春蘭も稀に、夏から年末にかけて咲く事があります。
雲井 :「くもい」
葉先から葉元にかけて紺の縦縞の入った斑柄。
紺縞の様ですが、雲井はその条が先まで達していません。
茎頂培養 :「けいちょうばいよう」
メリクローンとも言わます。
生長点部を無菌的に切り取り、無菌培養する事。
是によってウイルス・フリーの植物体を得る事が出来るし、又極めて多量の植物体を得る事が出来ます。
蹴込み :「けこみ」
斑の一種。
葉先に僅かにカスリの入る斑柄で爪に似ていますが、更に元に向かって斑が伸びています。
:「げい」
花の抱え、斑柄の冴え等の良否を評して言います。
或いは、花、斑柄の特徴を指す場合も有ります。
「良い芸をしている」等と表現します。
捲舌 :「けんぜつ」
舌の状態を言う言葉で自然に垂れ、後方に巻いた舌。
原塊体 :「げんかいたい」
プロトコームに同じ。
黄胎素 :「こうたいそ」
素心の一種で、淡黄一色の素心を言います。
硬捧心 :「こうほうしん」
兜の一種。
やや硬質で、塊状をした兜咲きを言います。
子出し :「こだし」
新芽を発芽させる事を言います。
合背 :「ごうはい」
左右二枚の捧心が密着した状態の兜を言います。
五弁 :「ごべん」
5枚の花被の事で、外3枚(愕片)と捧心(花弁) を総称して言います。
古木 :「こぼく」
年数の経った株の事。
凝り芽 :「こりめ」
葉芽が伸長し掛けて途中で発育の止まる事。
凝る :「こる」
新子や花芽が、素直に伸びない事。
:「こん」
ランの葉の緑色を紺と言い習わしている。
緑色の部分を紺地と言い濃紺を尊ぶ。
根菌 :「こんきん」
リゾクトニア・レペンス等の菌が、ランの根や根茎内で増殖し、ランはその菌体を溶解して栄養を摂ります。
自然状態での種子は、この菌の侵入を受けないと発芽しません。
根茎 :「こんけい」
地下茎をその形状によって、根茎(例:ショウガ) 魂茎(例:ジャガイモ)、球茎(例:グロジオラス) リン茎(例:ユリ)に分けています。
春蘭ではプロトコームから葉が出る前に、この根茎の状態を経過します。
俗にショウガ根、或いはホルモンと呼ばれます。
根被 :「こんぴ」
ランの根の表面を被う海綿状の組織で、原形質を欠く数層の細胞から成ります。
外部からの刺激に対する保護や水分貯蔵の役割をします。
紺覆輪 :「こんぷくりん」
斑の一種。
葉の周囲に濃緑の覆輪を掛けた斑柄を言います。
コンポスト :「compost」
鹿沼土や軽石或いはミズゴケ等、植え込み材料の総称。

さ行

細幹 :「さいかん」
花茎の細い事。
太い花茎を木幹(ぼっかん)と言います。
サイトカイニン :「cytokinine」
カイチネンやベンジルアデニン等、細胞分裂を促進させ、葉芽の分化を促す核酸系の植物ホルモンの総称名。
冴える:「さえる」
花色の場合、濁りの無い澄んだ色に咲いた場合を言います。
斑柄の場合、緑色の紺地と白や黄色の斑柄のコントラストが良く出た場合に使われます。
「冴えた色だ」「冴えた柄だ」等と表現します。
先斑 :「さきふ」
葉先にカスリ状に現れる斑柄の事です。
爪斑とは異なります。
:「さく」
ランを培養する事を言います。
「作が良い」等と表現します。
作上がり :「さくあがり」
親木より新子の方が大きく立派に育った事を言います。
「しゅっせ(出世)」とも言います。
作落ち :「さくおち」
作上がりの反対で、新子の方が親木より相対的に劣る事を言い、培養条件が悪かったり、病気の為に親木より貧弱な子が出来た場合を言います。
「サクが落ちた」等と表現します。
刮ハ :「さっか」
果実の事。
柱頭に花粉が付かなければ結実しません。
春蘭は一刮ハ中に約30〜40万粒の種子が入っています。
搾耳捧 :「さくじほう」
兜の一種。
耳掻きのような形をした兜花を言います。
さな 
植木鉢の底穴に乗せる物。
蚕蛾捧 :「さんがほう」
兜の一種。
カイコの様な塊状に成った兜花の事。
三光縞 :「さんこうじま」
爪、深爪、又は覆輪に縞を併有した縞柄を言います。
三彩 : 「さんさい」
陶器の三彩になぞらえて、覆輪の白色、散斑の淡緑色、縞の白黄色、が紺地の葉に現れる状態を言います。
至彩(四彩)は更に極黄縞が入った場合に呼称されます。
腮 : 「し」
唇弁の一番奥の部分で、舌の奥の、喉のような所で「エラ」とも言う。
この部分がホンノリ紅色に染まった無点花を「ホホ紅」と言い珍重されます。
至彩(四彩) :「しさい」
覆輪の白色、縞の白黄色、縞の極黄色、散斑の淡緑色の斑柄が紺地の葉に現れる状態を言います。
篠 :「しの」
一つの偽球より出たランの木の事。
バルブ(偽球)一個に根と葉の付いた状態を一篠と言います。
「条(じょう)」とも言います。
バルブが3連の場合は、「3篠」或いは「3株」又は「3条」と呼びます。
「篠(シノ)は何条?」等と表現します。
子房 :「しぼう」
花弁と花梗の間に位置し、その中に何10万という 胚珠、後に種子に成る物が含まれています。
子房下位 : 「しぼうかい」
子房が花被よりも下位に位置する事。
「下位子房(かいしぼう)」とも言われます。
ラン科植物は全て子房下位です。
 :「しま」
斑の一種。
葉脈に平行して細長く現れる斑柄。
太縞、細縞、千本縞、片縞等があり、色によって白縞、黄縞、紺縞に分けられています。
締まる :「しまる」
徒長せずに短く堅く締まった葉。
日陰で窒素肥料を多く与えて作ると徒長します。
収根 :「しゅうこん」
付け根が細く締まった花弁の事。
種間雑種 :「しゅかんざっしゅ」
異なった種の交配により出来た雑種で、ラン科植物ではかなり広範囲に種間雑種が行われています。
例えば:ハルカンラン=シュンラン×カンラン
出世 :「しゅっせ」
新子が親木よりも良くなる事を言います。
親木より良い柄が出た場合等に「しゅっせした」と表現します。
主弁 :「しゅべん」
三枚の愕辺の最上部の弁を言います。
「天弁(てんべん)」、或いは「頂弁(ちょうべん)」とも言います。
ショウガ根 :「しょうがね」
生長した根茎の事。
太く分枝し節が多く一見ショウガに似ている事からこの名が有ります。
「ホルモン」とも言われています。
白縞 :「しろじま」
葉脈にそって細長く現れた白い縞柄。
小木 :「しょうぼく」
未だ充分に生長していない小さなラン。
植物用蛍光灯 :「しょくぶつようけいこうとう」
植物の光合成に有効な波長の光を出す様に作られた蛍光灯で、生育促進の為の電灯照明用に良い。
通常の蛍光灯は赤色の光が少ない。
新木 :「しんき」
今年の春に芽を出し生育した篠の事。
新木の元の篠を親木と言います。
新子 :「しんこ」
新芽(葉)の事。
又は成長中の篠を言います。。
「シンコが上がった」等と表現しますが、この場合は新芽(葉)の事です。
通常、親株からは新子が一つですが希に二つ出ます。
この場合は「ヤッコ」と呼びます。
唇弁 :「しんべん」
ラン科特有の花弁で、一般に春蘭の花の舌と言われるもので、植物学では、唇弁と呼びます。
ジベレリン :「gibberelin」
植物ホルモンの一種。
シュンランでは 開花促進の効果が認められます。
蛇皮 :「じゃがわ」
斑の一種。
蛇の鱗に似た濃緑の小点が散在する斑柄の事。
「じゃび」とも言う。

受精 :「じゅせい」

雄性配偶子(花粉)が雌性配偶子(子房の胚珠中の 卵細胞)と合体して一体となる現象。
上木 :「じょうき」
葉が病害虫に侵される事無く、立派に成長したラン。
木勢の良い木で、シュンランの場合は5枚以上の葉数が有って、葉丈、葉幅があり、球茎の発育の良い木。
人工交配 :「じんこうこうはい」
種子を得る為に人為的に花粉を柱頭に付けて、受精を促してやる事。
水仙弁 :「すいせんべん」
弁の先端が尖っており、水仙の花弁に似ている弁を言います。
蕊体 :「ずいたい」
ずい柱の事。
蕊柱 :「ずいちゅう」
ラン科植物では雌ずいと雄ずいが合体して一本となりずい柱を形成し、花の中央部に突出しています。
ずい柱の先端部に花粉魂が有りその下部裏側に柱頭が有ります。
ラン用語では「鼻頭(びとう)」と呼ばれる。
素一本 :「すいっぽん」
一本立ちの篠。
すそ
根の事。
「すそが良い(根が健全)」等と表現する。
すっぽぬけ
葉の付け根から腐って抜ける病気。
肥料の残渣が温度と湿度で腐敗菌が発生し葉の付け根を腐敗します。
生長点 :「せいちょうてん」
茎や根の先端部。
この部分の組織は活発に細胞分裂が行われ、新しい細胞を作る能力が旺盛です。
偽球部では環境条件により、葉芽となったり花芽となります。
:「ぜつ」
唇弁の事。
花の中央より舌状で下垂れした部分。
丸くて短い物を最上とし、その形態により
大如意舌。劉海舌。大円舌。小如意舌。方勝舌。大舗舌。竜呑舌
  に区別する。
雪白 :「せっぱく」
斑が雪の様に白く冴えている事。
雪白覆輪、雪白縞等。
千筋柄 :「せんすじがら」
縞模様の条が細く多い縞柄を言います。
舌点 :「ぜつてん」
唇弁(舌)には普通、紅色の斑点が見られますが、これを舌点と言います。
舌点の無い物を舌無点或いは素心と言い尊ばれます。
双頭花 :「そうとうか」
春蘭或いは中国ランの一茎一花の事で、稀に2花を付けて咲く事が有ります。
是を双頭花と言います。
素心 :「そしん」
花被に葉緑素以外の有色色素を含まず、唇弁には葉緑素粒おも含まない舌無点花を言います。
白花とも言われます。
全面無点花との違いは苞にも葉緑素以外の色素を含みません。
外柄 :「そとがら」
親木と反対に外側だけに柄の有る事。
内側より、柄の継続性が良いようです。
外弁:「そとべん」
ランの花の外側の3枚の花被を言い、植物学上では愕片に相当します。
上部を主弁、左右の二枚を副弁と言います。
属間雑種 :「ぞくかんざっしゅ」
属間交配によって出来る雑種の事。
植物界全体から見ると極めて稀にしか出来ませんが、ラン科植物では属間でも稔性のある物が多く、比較的属間雑種が作りやすい様です。

た行

 棚 :「たな」
作場の事。
玉獅子 :「たまじし」
巻葉の更に巻いた葉の状態を言います。
垂れ葉 :「たれは」
葉が直立せずに垂れ下がって、しなやかな感じがする葉の状態を言います。
大舗舌 :「だいほぜつ」
舌の状態を現す言葉で、前面は大きく垂れるが丸く肉が厚く巻かない舌の事。
駄花 :「だばな」
花色或いは花型共に観賞価値の無い花を言います。
地下茎 :「ちかけい」
地中で成長する茎の事です。
春蘭やカンランは 種子発芽後暫くの間、根茎と呼ばれる地下茎となって 生長を続けます。
是を俗にショウガ根或いはホルモンと言っています。
地生ラン :「ちせいらん」
春蘭やカンランの様に土壌中に根を張って生育するランの総称。
通称、東洋ランと呼ばれる物の多くは地生ランです。
着生ラン :「ちゃくせいらん」
セッコクやフウランの様に樹上や岩石に付着して生育するランの総称。
これらを土壌に植えると直ぐに根腐れを起こして枯れ死します。
洋ランのシンビジュウムと呼ばれる物は着生の物が多い。
ちゃぼ
成木が10センチ程で開花する矮性種を言います。
培養の如何によって大型に成る物はチャボとは呼びません。
中心柱 :「ちゅうしんちゅう」
ランでは根の中心部に有り、内鞘により囲まれた部分を言います。
中には維管束が縦走して根の骨格を成しています。
茎には有りません。
柱頭 :「ちゅうとう」
雌ずい(ランではずい柱)の先端部、受粉の際、花粉が付きやすい様に粘質物質を分泌します。
:「つぼ」
ランの自生地で、ランが集団密生している所を言います。
ラン床とも言います。
坪採り:「つぼどり」
限られた場所で、同系の花色や同種の柄斑を何株も採取した場合に使われます。
「桃山錦」系は、あまりに有名です。
:「つめ」
斑の一種。
葉の先端部の葉縁に斑の入った物。
大きく入った物を深爪と言います。
でもの
突然変わった葉が出る事です。
天冴え :「てんざえ」
今はぜと同じで、天ざれとも言われます。
天弁 :「てんべん」
主弁の事です。
年木 :「とち」
古い偽球茎から出来て居るラン株の事。
「年木が何本付いている」或いは「年木付き」等と表現されます。
止め葉:「とめば」
新葉が展開して成長する時、最後に、葉の中心部より伸上がってくる葉を言います。
止め葉が成長仕切った時点で株が成熟します。
「止め葉が上がった」等と表現します。
虎斑 :「とらふ」
斑の一種。
輪郭がハッキリした黄又は白の大斑柄を言います。

な行

内弁 :「ないべん」
花弁の事です。
ランの花被は6枚より成りますがその内の3枚を言います。
中央部で下に向いて出た弁を唇弁、左右の弁を捧心と言います。
中透け :「なかすけ」
紺の深覆輪の様に葉の中央部に大きく白斑の入った柄を言います。
中透け縞 :「なかすけしま」
斑の一種。
青覆輪を深く掛け、葉の中央部が透けた様な斑の入った物で縞柄の最上とされています。
濁り :「にごり」
花被に他の種類の色素が混じって、花色が冴えない事で、「汚れ(よごれ)」とも言います。
日長 :「にっちょう」
昼の長さ、即ち1日の日照時間の事で、植物の花芽形成には日長に影響されるものが殆どです。
長い昼を必要とする物を長日植物、長い夜を必要とする物を短日植物と言います。
二引き:「にびき」
舌に現れた赤色の二本の短状線で、極一般のシュンランに見られます。
如意舌 :「にょいぜつ」
舌の状態を示す言葉で、肉質が得に厚く短く、先端は受け形と成った舌。
抜け :「ぬけ」
柄の無くなる事。
柄物の品種が無地葉になった時等に使われます。
後ぐらみ :「のちぐらみ」
後暗みと同じ意味です。

は行

:「はい」
胚珠に有る細胞が受精し、細胞分裂して出来たものです。
植物の胚には一般に幼芽、子葉、胚軸、幼根等の分化した物が見られるが、ランの胚は未分化で少ない細胞数から出来ています。
ハイポネックス
植物の生育にとって有効な、種々の成分を配合した化学肥料の商品名。
液肥や粒状固形があります。
:「はかま」
葉身を持たない鞘葉の事で、新芽の発芽初期に出て来る、小さな葉(本葉より下の葉)を言います。
白胎素 :「はくたいそ」
白一色の素心花。
素心花の最上品とされています。
葉繰り :「はぐり」
ランの葉数、葉の出し具合を言います。
栽培効果が上がり、バルブの成長が良く、葉が均整の取れた立派に成長した様を評して言います。
「葉繰りが良い」等と表現します。
刷毛込み :「はけこみ」
斑の一種です。
葉に白、黄などの斑が刷毛状に入り、斑が葉先に出るのを先刷毛、中央に出るのを中刷毛、葉元に出るのを元刷毛と言います。
花芽 :「はなめ」
花を内蔵している芽を言います。
春蘭の花芽は花芽分化によって作られます。
肉眼的には8月頃より土を切って表出します。
「花芽が上がった」等と表現します。
半合背 :「はんごうはい」
捧心の中央部から基部に掛けて密着した状態を言います。
倍数体 :「ばいすうたい」
普通の植物は、個々の細胞中に夫々2組ずつの染色体を持つ2倍体です。
コルヒチン等により人為的に染色体数を倍化させ、4倍体の物を作り出す事が出きます。
4倍体や3倍体等の倍数体植物は、概して花や葉が幅広く、大型となります。
春蘭では未だ、倍数体の存在は不明です。
梅弁 :「ばいべん」
中国シュンランでは最も普通に見られる弁形です。
弁の先端に丸みが有り、梅の花に似ている事から呼ばれています。
バックバルブ :「back bulb」
古い偽球茎の事です。
通常、新葉の篠を前面に置きます。
従って後側に古いバルブが連なります。
故に、バックパルブと称します
バルブ
偽球茎の事。
「芋(いも)」或いは「年木(とち)」とも言われます。
春蘭は根と球茎と葉で形成され、年毎に偽球茎が連携して増えていきます。
5年〜6年を過ぎると古い偽球茎の葉は枯れてしまいます。
葉の枯れ落ちた偽球茎は鱗片葉に覆われています。
この古くなった偽球茎をバルブと称します。
控え付き :「ひかえつき」
一本立ちでは有るが、バックバルブの付いている株を言います。
飛肩 :「ひけん」
副弁の先端が水平より上に上がる事を言います。
「ひけん咲き」等と表現されます。
皮層 :「ひそう」
根の中心と根被との間の細胞層で、根菌はこの細胞内で増殖し吸収されます。
pH :「ピーエッチ」
水素イオン濃度を表すものでペーハーとも言います。
酸性やアルカリ性の程度を表現します。
春蘭はpH5〜6の弱酸性環境を好むと言われています。
鼻頭 :「びとう」
ずい柱の事です。
鼻頭は小さく締まっている物が良く、大きいと捧心の先が開いて見えて下品とされます。
深爪 :「ふかづめ」
葉先の爪斑が大きく入った斑柄を言います。
深覆輪 :「ふかふくりん」
葉元まで幅広く覆輪の入った葉芸を言います。
吹く :「ふく」
親木から新芽の出る事で、通常一本ですが稀に二本奴に出る事があります。
副弁 :「ふくべん」
三枚の愕片のうち、左右の2弁を言います。
是が一直線と成った物を一字肩又は平肩とも言われ、上品とされています。
覆輪 :「ふくりん」
斑の一種。
葉の縁に沿って入った白、黄或いは紺等の斑で、色により白覆輪、黄覆輪、紺覆輪等と呼びます。
覆輪縞 :「ふくりんじま」
覆輪と縞と併有した斑柄の事です。
見事な縞柄を出したり、幽霊葉を出したり又花にも色々変化が出ます。
変化の多い楽しみな斑柄です。
「輪縞(りんじま)」とも言います。
ふけね
腐りかけたラン根を言います。
多湿過肥、用土の酸性化、病害等により発生する事が多いようです。
古木 :「ふるき」
成木と成ってから年数を経て、古くなった篠の事で、新木の親の事を呼びます。
「こき」とも言います。
プロトコーム :「protocorm」
原魂体の事です。
種子の胚が発育して球状になった物で、熱帯産シンビジュウムではこれよりすぐに葉や根を分化するが、春蘭やカンランではプロトームが伸長して根茎(リゾーム)となり、その後、長期間を要して茎葉(シュート)や根を分化します。
分巣 :「ぶんそう」
捧心が弁元から分かれている状態を言います。
平肩 :「へいけん」
一字肩に同じ。
「べけん」とも言います。
平辺 :「へいべん」
花弁の辺が平らな事を言います。
一般には締まらない花を評して「平辺花」と表現します。
べっ甲
ユウレイより黄色身を帯びた葉を言います。
自生地の新芽のべっ甲の多くはボヤ虎斑に成長します。
ベンジルアデニン :「benzyladenine」
サイトカイニン類の植物ホルモンの一つで、合成ホルモンで根茎からの葉芽の分化になくてはならないホルモンです。
カイネチンも同様の作用がありますが、ベンジルアデニンの方が安価です。
:「ほう」
花梗の付け根の、花茎の節に付く小さな葉状の葉を言います。
植物学上は苞葉(ほうば)と言います。
捧心 :「ほうしん」
花弁のうち唇弁を除いた左右の2弁で、単に「内弁(うちべん)」とも言いますが、
植物学では花弁の事です。
春蘭の場合、蕊柱を覆う様に開かないのを慎ましいとされます。
「捧心の抱えが良い」等と表現します。
頬紅 :「ほほべに」
一見素心花かと思われますが、舌奥の顎の部分をホンノリと桃色に染めます。
「頬紅花」と表現します。
舌に点は無く、「無点花」、「全面無点花」とは区別されます。
ホルモン
根茎の事です。
植物ホルモンとしては、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン等が有ります。
棒縞 :「ぼうじま」
葉の元から先まで通った一本縞で、変化し易い柄です。
木幹 :「ぼっかん」
花茎の太い事です。 細いのを「細幹(さいかん)」と言います。

ま行

密腺 :「みつせん」
蜜を分泌する組織を言います。
花被や苞の付け根の子房や花梗或いは花茎の表皮に有ります。
丁度、葉の気孔を大きくしたような形をしています。
ミコリーザ
菌根に同じ。
無点 :「むてん」
唇弁(舌)に斑点の無い状態を言います。
喉に有っても、正面に無い場合を「前無点(まえむてん)」と呼びます。
喉にも無い舌を「全面無点(ぜんめんむてん)」と言います。
素心花とは区別して表現される場合が多い様です。
「前無点花」は、時として舌に点が現われる事があります。
むらす
高温多湿で栽培する事を言います。
開花直前に花茎を伸ばす場合等に行われます。
糯質 :「もちしつ」
花弁の特質を現す言葉で、柔らかく肉厚の弁を言います。
もやし
自生地の日陰に出る葉、芽でユウレイに似ていますが、葉緑素は有ります。
従って、鉢上げすると通常の緑の葉になります。
モザイク葉
ウイルスに感染して、葉にモザイク状の不規則な濃淡の斑紋が現れた葉を言います。

や行

焼きだし :「やきだし」

太陽光に直接、当てる事を言います。
芽出し当時は青芽ですが伸長に伴ない太陽光線を当てると柄が鮮明に現れる斑柄が有ります。
虎斑、蛇皮等焼きだす事で斑柄が鮮明になる物が多く、一般に後冴え斑柄に多く見られます。
:「やく」
花粉を入れている袋。
宿 : 「やど」
交換会等の主催者を言います。
:「やっこ」
一つのバルブ(偽球茎)より左右に一芽ずつ発芽した新芽を言います。
「奴吹き(やっこぶき)」等と表現します。
山採り :「やまどり」
山から採取してきた株。
山掘り一作 :「やまほりいっさく」
山から採取して、1年栽培した株を言います。
幽霊 :「ゆうれい」
葉に葉緑素を含まないで、全体が白く又は 黄白色を呈している葉を言います。
小さな幼苗の間は育ちますが、大きく成るにつれて、根茎或いは根の中に共棲する根菌からの栄養分だけでは追い付かなくなり、葉緑粒が無い為に光合成が出来ず、枯れ死します。
葉鞘 :「ようしょう」
葉の基部の事。
葉身と葉の出ている茎の節との間、即ち球茎を取り囲んでいる部分を言います。
葉身 :「ようしん」
葉の展開している部分を言います。
ランの葉は葉身と葉鞘よりなり、鞘葉(はかま)や苞葉には、この葉身は有りません。
葉脈 :「ようみゃく」
葉に見える筋で、その中を維管束が走っています。
葉面散布 :「ようめんさんぷ」
水や肥料、或いは薬剤を葉に散布する事です。
ランの葉の表面はクチクラ層で覆われているので、ジョウロ等で散布したのでは、葉面に水滴を結び、葉全面に散布する事は出来ません。
従って、葉面散布する際には、出来るだけ細かい霧にするほど、葉全面に散布出来ます。
葉緑素 :「ようりょくそ」
クロロフィルと言われる、緑色の色素です。
葉緑体には多量に含まれています。
主として赤色光と青色光を吸収して炭酸同化作用を営むのに必要なエネルギーを得る役割を持っています。
葉緑体 :「ようりょくたい」
緑色植物の細胞内に有る緑色の顆粒状の色素体です。
光合成(炭酸ガス固定)を営む場となります。

ら行

落肩 :「らっけん」
副弁の先が下に垂れる花で、外三弁の先を結んだ線が正三角形に近い物を三角肩、
更に著しく垂れた物を大落肩と言います。
リゾーム :「rhizome」
根茎(地下茎)の事でライゾームとも言われ、俗にショウガ根とかホルモンと呼ばれます。

わ行

割る :「わる」
「株を割る」等に使う。株分けの事です。
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