花の写真撮影
〔写真機材〕カメラの写真
 花の写真の出来は使う機材で決まるのではなく、ある程度のテクニックさえつかめばそこそこ見栄えの良い写真を撮ることは難しくありません。私も特別最新式のものを持っているわけではなく、全て学生時代に揃えたものばかりです。ただ、マクロ撮影機能は特にミニサイズの花の撮影には必須と考えた方が良いでしょう。また、ファインダーで見たフレームと実際にフィルム写る画像との間にずれが生じるコンパクトカメラは適しません。その点で一眼レフが理想ですが、最近のデジタルカメラで実際に写る画面を液晶でモニターできるタイプのものならそれでもOKです。私ももうそろそろデジタルカメラを一台買おうかなと思いはじめました。とりあえず、今私が使っているカメラを紹介しておきます。
カメラ : オリンパスOM2-SP (一眼レフカメラ 2年前中古で購入)
レンズ : タムロン マクロSP90 (焦点距離90mmのマクロレンズ15年以上前に買ったもの)
フィルム : 主にASA400のネガカラーフィルムを使用
ストロボ : オリンパス T-32オートストロボ (15年以上前に買ったもの)

〔撮影方法〕
 自然光で撮るのが基本です。写真を趣味とする方ならいざ知らず、プロやセミプロがスタジオで撮影するような機材と設備を揃えることは普通の人では無理でしょう。しかし、そんなものは無くたってちょっとしたテクニックで見違えるほどきれいな写真に仕上げることが可能です。ストロボを駆使した写真を撮られる方はもっと高度な手法があると思いますが、ここでは初心者向けの簡単な撮影のポイントを述べることにします。
私は天井が白く太陽光が良く入る部屋を撮影場所に多用します
  1. 撮影場所:風の無い明るい曇りの日中がベストです。晴れた日では光線が強すぎて色が飛んでしまい、ふくよかなで微妙な花弁の色合いが表現できません。室内でのストロボ撮影も注意が必要です。手軽にきれいな写真を撮りたければ、自然光以外に選択肢はないと割り切ってストロボの使用は考えないほうが無難です。誰でも経験があると思いますが、花の撮影で正面からまともにストロボを当てると色はすっとび、どぎつい影が出来てしまいます。どうしても室内で柔らか味のある色調豊かな花のストロボ撮影をしたければ、少々高価かもしれませんが出来るだけ大光量でバウンズ撮影が出来るタイプのものを用意して下さい。私の場合、ストロボ1灯を白い天井でバウンズさせ、花の真上から反射散乱光が当たるようにしています。
  2. 背景:背景は出来るだけ単純化します。洋蘭の花の写真の場合、黒バックがもっとも花を引き立てます。私の場合、1m50cm角の黒い布を背景に利用しています。黒いスクリーンも用意できない場合は、バックがなるべく暗く落ちる場所へ鉢を移動して花がより引き立つフレームを探しましょう。この場合、一眼レフなら絞りを f5.6 くらいまで開き、背景をきれいにボカすテクニックを併用することも必要です。
  3. ピント:接写ではピントが命です。しっかり合わせましょう。洋蘭の写真ではピントを一番面積が広いペタルに合わせるのではなく、リップのコラムの部分に合わせると、だいたいきれいに写ります。
  4. 絞り:三脚が用意でき、かつ黒スクリーンが用意できる場合は、ある程度絞りを絞って (f8からf11程度)被写界深度を稼いで下さい。花全体がシャープに写ります。三脚が用意できない場合、または黒スクリーンが無い場合、花をシャープに撮ろうとして絞り込むとシャッタースピードが落ちて手ぶれを起こしたり、背景がうるさくなってしまいます。そんな場合は、絞りは思い切って開けてしまい、速いシャッタースピードを利用したほうがかえってきれいな写真を撮ることができるでしょう。
  5. フィルム:特にこだわりがなければASA400のネガカラーフィルムが一押しです。粒子が細かいからといってASA100のフィルムを使うと、同じ絞りでもシャッタースピードが2段階も落ちてしまいます。手持ち撮影では、粒子云々よりも手ぶれの方が画質に響いてしまいますので、なるべく早いシャッタースピードが切れる高感度フィルムが良いでしょう。ポジカラーフィルム(スライドフィルム)の発色の良さからこれを選ぶ趣味家も多いのですが、適正露出に苦労すると思います。また、プロのように写真製版が目的なら別ですが、プリントならやはりネガカラーかな。
  6. プリント:自分でカラー写真をプリントする方はほとんどいないでしょう。私も出来ません。実は、このプリントの良し悪しで写真のイメージががらっと変わってしまうのです。きれいなプリントに仕上げてくれる良心的なラボを探しましょう。とは言っても、最近ではオリジナルプリントの少々の発色の悪さも、コンピュータでフォトレタッチすれば簡単に修正できてしまうのですが。
もう少し写真を美しく撮るためのワンポイントアドバイス

1.ストロボを使うなら (クリックしてください)

2.植木鉢などの隠し方 (クリックしてください)
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