〔原産地〕
ブラジル、ミナス・ジェライス州およびエスピリト・サント州
〔特 徴〕
草高は約10cm。小型の株に比較的大輪の花を咲かせるすばらしい原種です。種名のプミラは’わい性’を意味しています。交配親として多用されていて、整型花の作出に大きな役割を果たしています。湿度を好むので乾燥には注意すると言われます。また、根はコンポストの中にあまりもぐり込まず、上に向けて伸ばす性質があるようです。ある文献には浅い素焼き鉢を使うと良いとの記述を見かけたこともあります。管理に時間を割ける方は、鉢に直接じゃぶじゃぶ水をあげるより、上に伸びた根を含め株全体に霧をこまめに吹いて湿度を十分にとってあげると良いのかもしれません。’ブラックダイアモンド’という個体がとても有名です。
〔入手先〕
写真の個体は1999年3月に近所のホームセンター「ケーヨーD2」で苗を購入。昨年末には早くも開花してくれました。鉢にはメイコウグリーンの札が付いています。
〔育て方〕
- 植え込み : 2〜3号鉢にミズゴケ植え。温室がなくても比較的成長は良好。
- 一般管理 : 約2年間育てましたが、性質は強健です。本種を含めてブラジル産の小型レリアはカトレアの一般管理方法をそのまま適応すると失敗することがあるそうなので、ここには参考図書からそのポイントを抜書きしたいと思います。プミラの成長サイクルは、夏に新芽を伸ばし始めて秋に開花するのが基本サイクルです。新根は開花前後から伸び始めますので、冬から春にかけて最も根の活動が活発になるようです。従って、水遣りは成長サイクルに合わせて、新芽が出る夏から秋に多く与えてバルブの成長を促し、花が終わって根が伸び出してからは、やや控えめに水を与えて根が良く伸びるようにして、バルブを太らせます。バルブが完成した後の春から夏も乾かしギミに管理して根の充実をはかるのが良いそうです。プミラの自生地は冬でも湿度が高く、夜になって冷え込むと霧が立ちこめる環境だそうです。プミラは冬でも夜間になるとびっしょりと濡れ、昼間になるとカラカラに乾くことを繰り返しているので、それを再現すれば良いそうです。というわけで、冬から春の水遣りのポイントは、夜間に株全体が濡れるように霧をかけ、昼間は乾燥させることにあります。この時、コンポストの中までグショグショになるほど与えないのがコツだそうです。夜はじっとり濡れて、昼はしっかり乾くことの繰り返しがバルブを太くし、根を充実させるのだそうです。(以上ニューオーキッドNo.98
p.34の記事より) ただし、私が育てているプミラは春から夏にかけても新バルブを成長させましたので、春から夏の管理はその時の株の状態に応じて適宜調節する必要がありそうです。冬場の水遣り方法、これは是非とも参考にされたい事項だと思います。
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