株の梱包・発送方法
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ここでは宅配便での梱包・発送方法のポイントを解説します。

まず必要なものは次の通りです。
段ボール箱 60cm、80cm、100cmサイズで価格が変わる。
プチプチ 株を包むのにクッション性があり、内側に凸凹面を向けると良い。
布テープ ダンボール箱や、鉢を直接箱に留める場合に使用する。
紙テープ 包んだプチプチを箱に留める場合に使用する。(はがし易い)
セロテープ プチプチで包む場合に使用する。
使い捨てカイロ 株の保温用に使う。(+2〜3℃程度の効果)
新聞紙 鉢が重い場合や遠距離の場合に、空間に詰めると動かなくなる。
ティッシュ 花や蕾を包む際に使用する。(花包紙の代用)

一鉢の場合は中央に配置し、底と側面に留める。 カイロは側面に空間を空けて留める。
バランスが悪いと持った時に落とし易い。 鉢同士も留めて動きにくくする。
株が重い場合は、テープがはがれる事があるので
横や上部に新聞紙等をねじって詰めておく。
寒冷期には外部に注意書きを貼っておく。
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最大の注意点は、運送業者を信用しないことです。

うっかり落とすこともあるし、ベルトコンベヤーからこぼれ落ちることもあります。
落とすことを前提に梱包するのが、発送側の責任といえます。

バランス良く配置するのは、落とし難くするため、
テープで留めるのは、落としても被害を無くすためです。
どうしてもバランスが悪い場合は、手前側に重心が
来るようにすれば、落とす確率が少なくなります。

鉢をしっかり固定するのがポイントです。
包みにくい株の場合は、箱の中で動かないように余分な空間に
新聞紙などを詰めて動き難くするとよいでしょう。

蓋を閉める前に逆さにして、動かないかチェックしてください。


寒冷期は5℃以上の日にカイロを入れて発送する。

寒冷期では最低気温が5℃以下での発送は、若い葉などに冷害が出ます。
到着後1週間で葉が茶色に変色した場合は、冷害と思われます。
気象予報サイトで最低気温をチェックし、なお且つカイロを入れることをお勧めします。
プチプチ自体は保温効果が低いので、過信しないこと。


ただ使い捨てカイロは万全ではありません。
温度計を入れて一日観測した結果では、外気温+2〜3℃程度の効果しかありません。
また、箱を密封して数を増やすと逆効果で、酸素不足で発熱しなくなります。
鉄粉が酸化する際に出る熱を利用する仕組みです。


どうしても送らなければならない場合は、箱を二重にしその間にカイロを入れる。
通常20時間前後の効果と書いてありますが、1年経過すると性能が劣化します。

暑い時期は新芽が伸びている株の発送は危険です。
トラックの内部はかなりの高温になるそうです。
天気の悪い日を選んで発送しましょう。

花や蕾は、ビニ線で支柱をたて、ティッシュなどで包むと傷みにくくなります。
大きい箱の場合は、箱の中央に「潰れ防止」の「支え」を設置します。
大きい箱を使うより、箱を分けて梱包し、ヒモやテープで一箱に繋げると良い。

段ボール箱を再利用する場合は、貼る部分のテープがはがしておきます。

夕方に発送し、翌日午前中着が原則です。
なるべく輸送時間を短くすると、株への負担が減ります。
到着したら直ぐに開封し株をチェックしましょう。
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<過去の事故例>

@当方に到着時に株が凍っていた。

<原因>発送側が「生もの」のシールを貼ったためと思われる。
     (10年以上前の出来事です。)
A素焼き鉢が割れて先方に届いた。

<原因>ダンボール箱に異常は無かったが、搬送中にぶつけたものと思われる。
B株が鉢から抜けて先方に届いた。

<原因>プチプチで包む際に余分な空間があったためと思われる。
C葉やバルブが損傷して当方に届いた。

<原因>箱の上部に余分な空間があったため、さかさまに落とした際に株の重さで株が傷んだと思われる。
D当方に到着1週間後に冷害と思われる症状が出た。

<原因>寒冷期にもかかわらず、出来たばかりのリードのある株を送ったためと思われる。最低気温が5℃前後で、カイロは入っていた。
当方では株の状態は確認できなかったので、発送側での配慮不足と思われる。