ワルケリアナの異名同個体ほか

ワルケリアナにかかわらずカトレヤ原種では異名同個体があります。
逆の同名異個体もあります。
特にワルケリアナの世界では多いように見受けます。

原因はいくつか考えられますが、次の様な事だと思います。

<異名同個体の場合>
@ 自生地で発見された個体が「無名」の内に、複数の所有者に渡りそれぞれ名前が付いた。
A 名品を入手して、勝手に個体名を変えた。(ブラジルや日本であった事例)
B 販売する際に個体名を隠して売った。(輸入時に何度も起きている事例)
C メリクロン株にオリジナルと別の名前を付けた。(ブラジルの事例)
D 普及品を売り易くするため新しい名前を付けた。(最近ネットで多い事例)

良く知られているのが、'Feiticeira' と 'Adonis' です。
'Feiticeira' のメリクロンが、Adonis と言われています。
この2個体は花や株では見分けはできません。
他のメリクロン株に、'Milian Suzuki' や、'Brazil' の名前もあります。


一番多いのは、C.walkeriana tipo 'Nomura' の異名同個体です。
発見されて最初に付いた名前が、'Nomura' だと言われています。
思い出すまま列挙します。
'Kitayama' 'Jungle Queen' 'Coleso Suzuki' 'Castro'
'Rainha do Prado' 'R-113' 'Rio Grande do Sule'
・・・

ネット・オークションに別の名前で良く出品されています。

株を入手して本来の花が咲くまで通常2〜3年掛かります。
やっと咲いた花がどこかで見たことのあるものだったらガッカリですね。


<同名異個体の場合>
このケースは個人名に多いようです。
「カストロ」さんに「ジョアン」さん、そして「マリア」さんなどは、
ブラジルではよくある名前です。

また同じ名前でもバラエティやフォルマが違うと別個体ですが、
スアーブ系は同じ個体で違ったフォルマを付けることがあります。
花だけでなく、株の特徴を覚えておくと判断し易いです。

<Pendentive系>
アルバのペンデンティブと言う名前の個体は、カトレヤ・ロディゲシーの
血が入った交配種と言われています。
これを使った交配の子孫からも、その疑いは正しいと思います。

子孫の一部

C.walkeriana tipo'Marcia Maria'
tipo'Eight Prince' tipo'Furu' tipo'Old Home'
tipo'Twinkl Stella' alba 'Hakushu' alba 'Pendentive xxx'


<注>
このページで書いている内容は、それぞれの個体のDNA検査を
して断じているのではなく、筆者の知識・経験、多くの情報から
推察したもので、異なる意見もあると思います。



(2008.3.16)
.